本末転倒の議論

陽性者数が急増し、緊急事態宣言が取り沙汰された前後から、悪者にされ始めているものが二つある。

一つは居酒屋。もう一つは若者世代。

 

両方共に私は異論があるが、今回は後者について。

 

若者世代が感染を広げているので、若い世代の行動を抑えて感染拡大を防止すべき、という考え方があり、専門家や政府、自治体もそこに言及されることがある。

 

しかし、それは逆だろう。若い世代は感染してもリスクが少ない(下記グラフ参照)。リスクが少なく重症化割合も少ないので重症者の絶対数も圧倒的に少ない。ということは、医療機関にかけている負荷も少ないということ。

逆にリスクも高く重症者の絶対数も多い高齢者が気をつけるべき、というのが当たり前の考え方(勿論、高齢者施設・慢性期病院の従業者なども)。

(厚労省HPより引用)

 

都会はどうかわからないが、地方では、いかにも換気の悪そうな小さな居酒屋というか飲食店に早い時間から集まってカラオケやったり飲み食いされているのは高齢者の方々が多い印象。高齢者がこういったことに気をつけられて一定の行動制限する方がよほど合理的。ただ、これは高齢者の方々が感染したくないなら、という話。

居酒屋はともかく、屋外で元気に活動された方が日光によってビタミンDが生成され、よほど予防にも良いとは心の底から思うが。

 

そもそも核家族で高齢者と同居している若い人は田舎でさえ少ないのが現状だし、そういう家庭なら自分の祖父母守るために同居の家族が気をつければいいだけ。

圧倒的多数の独居若年層や核家族に行動制限とは発想が逆転し過ぎだろう。

 

若者世代は、この先ただでさえ高齢者の社会保障費という重い負担を背負い続け、そして異常な額に膨れ上がった国債を全部60年払いで受け持つという不合理が待っている。それなのに、これ以上若い世代にばかりクレームをつけるのだろうか。

 

そして、まるっきり無視されているが、判明している感染源では飲食店と同じくらいの感染源が職場。さらに、リモートワークが可能なきれいな職場ばかりではなく、サービス業などの現場仕事で働いているのも多くの若い世代。

若い世代は、懸命に働き、収入を得て高齢者の社会保障を支え、そして感染しているというのが現状だ。