病院へのコロナ補助金不正受給に関する厚労省の信じられない怠慢

8月に日経が、そして一昨日もAERAが報じた病院のコロナ受入病床補助金の不正受給疑惑。

 

15日(水)の衆院厚労委員会質疑のために厚労省に、調査はどうなっているかを尋ねた。

その答えに、驚くと共に怒りがこみ上げた。

 

「厚労省は調査していないし、やる予定もない。東京都がやると聞いているがいつやるかも把握していない。」

 

日経の報道では厚労省が調査するとあったが、と聞くと、大臣が先走ったかのような口ぶりで全くその予定はないと。厚労省はいったい誰のために仕事をしているのか?

その上に、補助金総額をいくら病院に払っているかも答えられず。

 

医療崩壊の脅しの元にどれだけの飲食店や小売業者が辛酸を舐めたか。その思いなどまるで関係ないかのようなあっけらかんとした回答。 また、ワクチン既接種者においても抗体が減少する中で迎えるであろう次の第6波、医療体制が拡大してなければそれこそ医療崩壊が起きる恐れ大。しかし、その前に医療体制を整えようという切迫感もまるでない。

 

無責任さそのままに、日本を救おう、国民を助けようという気概などまるで感じられないあっけらかんとした口ぶり。

厚労省に任せている限り、国民の苦しみは永遠に続く。

 

なお、この質問の答弁者は政府参考人(つまり厚労省局長)の予定だったが、田村厚労大臣の責任ある答弁を求めることにした。他党がこれを見て先に聞いたとしても、きちんと答えていただく。それが政治の国民に対する義務だ。

根本的な変容を求められる新型コロナ対策

マスコミは相変わらず新規陽性者数で騒いでばかりいるが、新型コロナを取り巻く状況は日本だけでなく世界中で大きく変わり始めている。

 

それは、新規感染者数(≒新規陽性者数)の増大。

一時は、先行する英国、イスラエルで新規陽性者数が激減し、日本を含む世界中の国々で、ワクチン接種が進めばこの感染症自体を撲滅に追い込めると夢想されたが、その両国で再び新規陽性者数が激増し、それは儚い夢であったことが知らされた。

(出典:シェアフリーの「札幌医大 フロンティア研 ゲノム医科学」)

 

それと同時に、最初は予想に反してかなりの効果があるとみられていたワクチンの感染予防効果が、時の経過と共に減退していくことがはっきりしたのだ。

両国と同じく我が国でもワクチン完全接種が進んでも新規陽性者数は増加している。

結局、いくらワクチン接種を進めても新規陽性者は減らすことはできない、という厳然たる事実が人類の前に如実になったのだ。

 

だが、陽性者数の増加と裏腹にもう一つの新しい事態も進行している。

それは死者数の激減だ。今回の波の先頭を行く東京都を見れば、その傾向ははっきりとしている。

このグラフで容易に見て取れるのは、致死率が明確に低下しているということ。イギリス保健省のデータでは、デルタ株の致死率は従前のアルファ株の10分の1、0.1%程度まで低下しているが、それに沿った動きであり、日本でもやがて同様の数字が発表されるだろう。正確な数字とは言えないが、直近1週間の新規陽性者と新規死亡者を対比した数字では0.12%(FNN)。ちなみにより正確と思われる新規死亡者と3週間後の死亡者で測った私の事務所の推計値では0.3%ほどまで低減している。

現在進行しているのは、新型コロナウイルス感染症が社会にとって軽症化し、その代わりに感染者数は増加しているということ。

(個人的にはその理由は、現在主流のデルタ株が軽症化した、あるいはワクチン接種の効果(感染防止効果より、重症化防止効果の方が長続きするようだ)により軽症・無症候で済む方が増えた、もしくはその両者の相乗効果により、軽症者と無症候者が増え、当然その方たちは通常の生活を送るので感染自体は拡大しているものと見ている。)

このような変化を踏まえて今後、新型コロナウイルス感染症とどのように向き合って行くべきか。

 

利害を離れて素直に考えれば、この感染症を「普通の感染症」として受け入れていく時が来たということ。それが何を意味するのか、順を追って述べよう。

 

欧米諸国や日本では、これまでの対策としては飲食店や小売店の閉鎖や営業制限というソフトロックダウンが取られてきた。しかし、中国やニュージーランドのように社会や個人に重大な影響を及ぼすハード・ロックダウンでなければ、そもそも陽性者数増自体を押さえ込むことは不可能ということが、海外でも日本でもこの1年半で実証されたところであった。

それは、アメリカでの規制州と非規制州という対照実験を行ったような隣合う州で実証され、実は日本でも同じ結果が出ている。

極めつけは今年1月より緊急事態宣言やまん防が出っぱなしだった東京都。緊急事態宣言などでは感染拡大がまったく防げなかったという事実は、この対策の無意味さを全国民に知らしめたのだった。

であるならば、致死率の低下を伴う感染拡大が起きている今、取るべき手段はただ一つ、原則に戻って「患者に対して最善な医療」を提供することだ。

 

思い起こせば、新型コロナが勃発した昨年春、「社会的距離政策」が重視され「隔離」が原則とされたのは、患者に対して有効な治療が無かったから。だから、「罹患しない」ことに全力が挙げられたのだった。

しかし、現在はどうか?

軽症から中等症・重症に移行する患者にはデキサメタゾン(ステロイド)という対症療法ではあるが極めて有効な治療法が存在し、致死率の激減に大きな寄与をしている。軽症から中等症に移行しかけた時に、飲み薬で投与することも一部医療機関では実施されている。

さらに現在では重症化を7割防ぐ、抗体カクテル療法という特効薬も存在する。

これらの治療法の前提として、世界一の保有数を誇るCTを活用することで悪化の兆候をすぐに掴むことも出来る。

 

であるならば、積極的に軽症段階から「治療」に重点を置くことが合理的だ。

実は既にその第一歩を踏み出した自治体もある。

大阪府だ。自宅療養者が外来診療を受けられるシステムを整えたのだ。

今はまだ感染症法等の縛りがあるため保健所の関与は存在するが、自宅療養者がCT検査を含む外来診療を受けられるようにした画期的システム(大阪府資料)。それに加えて大阪府では療養施設に医療者を配置して治療施設も設け、抗体カクテル療法を行うことも計画されている。

なお、愛媛県も30のコロナ専用外来医療機関を設けている(愛媛県資料)。

これらの試みが軌道に乗れば、軽症者が重症化することを抑止し、ひいては医療ひっ迫を軽減することは間違いない。我が国で初めて取られた「攻めの戦略」だ。

そして、この試みが成功すれば、感染症法の1・2類相当の扱いを5類以下に落とすことへの抵抗感も薄まるだろう。

 

現在では、この「療養中の医療への自由なアクセス」という観点が完全に欠落しているため、自宅療養を危険視する報道が連日なされているが、それは自宅で放置される状況になるから。具合が悪くなれば、すぐに外来診療で診てもらえる、そして入院にスムーズに繋がるとなれば、問題はない。経験者から刑務所にも例えられるビジネスホテルの一室に缶詰となる施設療養よりも、自宅の方がストレスが少ないという方も多いはず。

イギリスでもそれが原則(NHS)、それを取り立てて問題視する理由はない。インフルエンザでも何でも、自宅で静養し、悪化すれば外来診療を経て入院する。病気における普通の流れだ。

 

先日の厚労委員会で田村厚労大臣は、私が自宅療養者に外来診療を認めるよう迫ったところ、「ご勘弁いただきたい」と後ろ向きであった。

しかし、自宅療養を原則とせざるを得ない状況は良かれ悪しかれ今後ますます拡がると考えるのが論理的であり、その場合、患者に最善の医療を提供をする手立てはこれしかない。

今までの考えに縛られていては、国民を苦しめ、一方で高額な補助金だけをもらって患者受入を渋る一部の悪質な医療機関を利するだけだ(日経)。

 

世界一の病床数を誇る我が国において、「医療崩壊」が未だに叫ばれているのは、システムに問題があるからに他ならない。今正すべきはキャパを含めた医療提供体制の抜本的見直し(療養中の医療アクセスにプラスして都道府県の枠を越えた医療資源の融通が実現すれば鬼に金棒)であり、効果がほとんど無く副作用のみ大きい「緊急事態宣言」にこれ以上の強い権限を付加し、国民の経済生活や自由を徹底的に損なうことではない。

 

我々が歩むべきは、「ゼロ・コロナ」という妄想ではない。

「コロナを普通の病気として扱って行く」世界だ。

そもそも、風邪のウイルスのうち4種はコロナウイルス(感染研)。今は、PCR検査などなかった時代には知る由もなかった「いつか来た道」を辿っている最中なのかも知れない。

 

尾身氏の暴走を全力で阻止しよう!

尾身氏が暴走を開始した。

 

根拠に乏しい対策を提言し続け、サービス業中心に壊滅的被害を日本経済に及ぼしておきながら、それが全く効果がないことが東京都における大規模実証実験で証明(今年1月から8ヶ月に渡ってほぼ発令されっぱなしの緊急事態宣言とまん防が感染の波を防げなかったという動かぬ結果)されるや、反省するどころか「陰性証明」「ワクチン接種証明」「一般人の行動制限」というファッショにのりだそうとしている(テレ朝NHK)。

 

与野党問わず、今の分科会の提言や対策が内心ではおかしいと思っている国会議員も結構おられ、その点を尾身氏に追求する厚労委員会質疑後には、個別に賛同の声もいただいているが、その声が表に出されることはなかった。

しかし、今声を上げていただけなければ、日本は大変なことになる。与野党の心ある議員の方は議員である価値を示すためにもSNSでも良いので是非声を上げて欲しい。

 

また、広くどのような立場の方であっても、おかしいものはおかしい、いい加減にしてくれと今こそ声を大にして叫ぶべき時だ。

そして、どのような政党を支持していようと、支持する議員や政党に声を届けて欲しい。

 

 本当に道が出来てしまったら、改まるには第二次大戦の結果のような壊滅系破壊が必要になるだろうから。

悪魔の証明に支配される日本の暗黒

緊急事態宣言などの社会的距離政策の効果に疑問を呈したところ、医師の方からの「効果がない」ことを立証せよ、とのコメントが。

 

しかし、 「何々ができると主張する側に立証責任がある」というのが科学の大原則。 

 

東日本大震災後の回顧と反省を込めた地震学会で、同じことがあった。地震予知は不可能なのに、そこに日本の地震学者がこだわっていたことに問題が、という講演をされたロバート・ゲラー東大理学部教授に対し、当時主流であった「巨大地震は予知できる」という立場の某教授が「不可能というのを立証してみせよ」と質問し、ゲラー教授に「科学の大原則は、できる、と言う方に立証責任がある」と冷笑されていた。

 

衆院厚労委員会でもアメリカのサウスダコタ州・ノースダコタ州の比較、イギリスの制限解除前後の陽性者数の比較を元に尾身会長に質疑したが、尾身氏もまともに反論は出来なかった。 治療効果を確かめるのに使われるのは対照実験。そこで効果が認められなければ効果は無かった、と判断するのが普通だ。

クラスターのデータによれば飲食店は2%ほど。殆どが介護施設、医療施設、会社、家庭内が感染源なのだから、そこだけ閉じても効果は見込めない。 やるなら感染者数が極めて少ない段階で徹底して封じ込める中国式。

陽性者が出れば周辺10万・20万を直ちに外出禁止して1〜2日で全数PCR、それを1週間後にも繰り返すという徹底したロックダウンなら有効だろうが、それは日本では不可能。 多数の穴がある水漏れバケツの穴を1つ塞いだからといって効果は望めない。だから尾身会長はやり方を変えたい、と最近言い出している。

 

ところで、マスコミや一部野党は、すぐ専門家と騒ぐが、恐縮ながら感染症専門医は、感染症治療の専門医であって、防疫対策の専門家ではない。そして、一般的な感染症医が持つ防疫の知識は、医療機関において医師が患者から移されない、あるいは院内感染を防ぐための知識であって、社会防疫のものではない。

そして、社会的防疫は、未だまったく確立されておらず、インフルエンザでもエボラでも成功したためしがない。その意味では専門家も素人もあまり変わりはないだろう。 現に、イギリスの制限解除に対する、西浦氏の師匠であるファーガソンの予測は制限解除すれば1日20万人。大外れであるのが現状。

 

なお、最近流行の40代50代も重症化、という煽り文句に関連して、40代50代に毎日挿管しているとの臨床医の方のご意見もあったが、私が意見交換させて頂いた重症者医療を担当されている臨床医の方によれば、40代50代は挿管しても皆さん早期に回復されているとのこと。 現に、前者の地域の8月の死亡者は一日0〜1人、いずれも90代。 事実を冷静におさえる目が必要だ。

 

 

なぜ無効な政策をいつまでも続けるのか?

不思議でならないのが効果が無いのに(≒無意味)社会への害悪だけは確実な対策に固執する政府の姿勢。東京都では年初以来ほぼ緊急事態宣言とまん防が出っぱなし。それでも新規陽性者数は過去最高。

尾身・西浦氏のいう「人流」が原因なら最大の人流は「会社通勤」+「会社で複数が長時間一緒に過ごす」。
そこをほっといても効果など出るわけがない。本気で新規陽性者数抑えたいなら会社への通勤と勤務を一律ロックダウンすべきで、そのおまけみたいな飲食店への人流だけ制限しても効果などあるわけない。
それが出来ないなら(というか出来ない)、死者も重症者も減っているのだから無意味な対策は全部止めるのが正しい選択。

目標を切り替えなければコロナ禍は終わらない。

一時ワクチン先進国、ワクチン戦勝国と言われた世界で最もワクチン接種が進むイギリス。その現況を皆さんご存知だろうか?

実はいったん新規陽性者が激減し、日本を下回るくらいにまでなったが、6月初旬ころから

急激に増加して、7月初旬には2万人を超え、今は一日4~5万人レベル。

そこで何をやったか。日本であれば規制強化だろう。

だが、イギリス・ジョンソン首相は全く異なる決断をした。2万6千人の新規陽性者が出ていた7月5日に、マスクを含むほぼすべての規制を7月19日から廃止するという宣言を行い、仮に1日5万人に増えてもこれを実行すると力強く語ったのだ。

 

その後、陽性者は予想通り増え続け、7月16日には5万1,311人、17日にはさらに増えて5万4,205人になったが、ジョンソン首相は予定通り19日から規制撤廃、若者はナイトクラブで大騒ぎをした様子が一部メディアで伝えられた(FNN)。

 

なぜイギリスがそうしたかといえば、明確にゴールを切り替えたから。

上記グラフを一目見ればわかるとおり、いくらワクチンを打っても感染防止はできず、陽性者数の増減は繰り返されるが、重症者と死者の割合は低く抑えられる。この効果によって、コロナウイルス感染症が社会や医療体制にとって脅威の感染症であった時代は終わりを告げた。

だから、「コロナとともに生きていく」という新しい時代を作る」ことにジョンソン首相は目標を切り替え、それを宣言してその通り実行したのだ。

 

ワクチン接種を進めても、感染そのものを抑え込む(新規陽性者数を減少させる)ことが無理なのは、ワクチン戦勝国のツートップのもう一角、イスラエルでも証明された。

イスラエルでもイギリスと同じく、一時抑え込んだと思われていた感染が再び拡大している。そして、ワクチン接種が進んだ20歳以上の新規陽性者における「ワクチン非接種者」と「ワクチン接種者」の比率は、以下の通り推移している。

驚くことに、6月初旬ころには新規陽性者のほとんどを占めていたワクチン非接種者の比率は下がり、現在の流行のほとんどは「ワクチン接種者」が主流になっているのだ。

 

これらツートップの国の推移を見ても、ワクチン接種をいかに進めても「陽性者」自体を減らすことは不可能であることは一目瞭然。ワクチンで感染予防まではできないのだ。

 

では、日本はどうすればよいのか。答えは簡単、目標を切り替えれば良いのだ。

ワクチンは感染予防はできないが、重症化や死亡の減少効果はかなりある。今、第5波の予感とやらで大騒ぎされている東京都も実は、新規陽性者数が拡大してしばら経つが、重症者や死者は一向に増えず、死者が0人や1人の日もある。

それは、最もワクチン接種が必要な高齢者層にはすでにかなりの割合(1回目接種は8割近くが終了)に行き渡っているからだろう。

だから、日本は国民全体のワクチン接種率はイギリスの半分以下でも、元々のファクターX(土着コロナウイルスによる交差免疫説が有力)もあって、イギリスをもっと良好にしたような状況にすでにあるのだ。

小池都知事などはこれを本当は理解していて、海外マスコミには

「多くの方々のワクチン接種が進み、今後も10日間でかなり進んで行くので変化が生じていて、高齢者の重症化率がぐんと減っている。亡くなる方もほぼゼロ、大変少なくこれまでとは様相が異なって来ている。医療提供体制も整えている。素晴らしい大会になるよう東京都として努力」(ロイター

とまで語っている。

 

結論。今政治がやるべきことは何かは明らか。

連日「新規陽性者数」だけで騒ぐマスコミはさて置くことにして、ジョンソン首相のような強力なリーダーシップで、

 

「死亡者は激減したので、フェーズが変わった。これからは正常化の道を歩むべきとき。」

 

と総理が宣言して、感染症分類も5類に落とし、世界でもっとも良好な感染状況にふさわしい政策に切り替えるべきなのだ。今、それをやらなければ、永遠に日本だけが「コロナの殻」に閉じ込められたままだろう。

小池百合子の2つの顔

毎朝NHKが報じるのは東京都の新規陽性者数の増加が止まらない、感染に歯止めがかからない。そしてお馴染み小池百合子東京都知事がマスク姿、沈鬱な表情で不安を訴える。

「とてもスピードが速いことを実感する。ワクチンが十分に行き渡っていない間をどうしのぐかという話で、20代も重症化するケースが出ていて、若いから大丈夫とは言っていられない。テレワークの徹底を改めてお願いする。危機感を共有したい」(NHK

 

だが、彼女の本音を知る人は日本国内では少ない。

その本音は海外メディアに対してだけ語られているからだ。

 

「多くの方々のワクチン接種が進み、今後も10日間でかなり進んで行くので変化が生じていて、高齢者の重症化率がぐんと減っている。亡くなる方もほぼゼロ、大変少なくこれまでとは様相が異なって来ている。医療提供体制も整えている。素晴らしい大会になるよう東京都として努力」(ロイター

 

同じ事象を国内向けと国外向けにこうもハッキリと別人のように評価仕分けているのだ。

そして、客観的事実の評価として正当なのは勿論海外向けのコメント。

もう、政治家の保身やらマスコミの都合やらで振り回されるのは止めよう。マスコミも政治家もそして専門家も、日本におけるコロナがどんな存在なのかは、本当はよく理解しながら、人の迷惑も顧みずに自分たちの利益やメンツのために、煽り続けているだけなのだ。

この状況で五輪無観客は世界の笑いもの

政府の分科会尾身会長ら有志が提言をまとめ、「無観客開催が最も感染拡大リスクが少なく望ましい」としたうえで、観客を入れるのであれば、現行の大規模イベントの開催基準より厳しい基準を採用することなどを政府や大会の主催者に求めています。」とのこと(NHK)。

そのピントのズレ方に驚くと共に、日本の専門家たちは世界的な状況をどう把握しているのか、そのガラパゴス具合に暗澹たる気持ちとなった。

 

そう思うのはなぜかを解説しよう。

ワクチン完全接種率は未だ6.4%と遅れを取る日本だが、感染者レベルは世界でも群を抜いて少ない状況が続いている。

 

日本ほどではないが、日本と同様に新規陽性者数が減少してきているのがアメリカとフランス。

アメリカはワクチン完全接種率は足踏みの44%だが新規陽性者数は減少が続き、5月には、全米プロゴルフで大観衆がマスクもせずにフィル・ミケルソンを取り囲んで復活優勝をグリーン脇で見守り、ウイニングパットで大歓声。インディ500には14万人が集い、今日はメジャーリーグが観客入場制限を解除し、3万人の観衆が大谷の3勝目を祝った。

 

フランスでは、完全接種率22%だが、陽性者数がやはり減少、屋外マスク義務を解除したので、人々が明るい顔で通りを行き交っていた。

 

また、完全接種率27%のデンマークでは、サッカーのユーロ2020が行われ、大観衆がエリクセンの回復を祈ってスタジアムで拍手を捧げた(SOCCERKING)。

 

つまり、ワクチン接種が進んでいようといまいと、巷間言われる集団免疫獲得率に遠く及ばない状況で、感染者数が減少している国は、正常化に向けて突き進んでいるのだ。

 

こういうと、「変異株、特にデルタ株が脅威」「イギリスは?」と言いたくなる方もいるだろう。

世界で最初に接種が始まったイギリス、その後意外と数字は伸びず、未だ完全接種率は46%。そして、一時かなり下火になった陽性者数がこのところ増えて来ているのはたしか。そしてそれは「デルタ株(旧名称インド株)」の感染力によるものだという。だが、それは果たしてイギリスにとって脅威となっているのか?

下のグラフをご覧いただきたい。

陽性者数はたしかに増えているが、死亡者数は全然増えていない。

そして、極めて興味深い研究結果が日経で報じられた。

 

「英国の研究で、同国で感染者が増加している新型コロナウイルスのインド型(デルタ株)の患者が、「頭痛」「鼻水」「喉の痛み」など従来のコロナより一般の風邪に似た症状を多く経験していることが分かった。「長く続くせき」「嗅覚や味覚の異常」など、従来コロナに特徴的だった症状は報告が減っているという。」

 

この研究が正確なものであれば、スペイン風邪や新型インフルエンザで見られたように、ウイルスが変異と共に感染力は増すが軽症化し、普通のものになっていく、という歓迎すべき変化が訪れている可能性もあるのだ(もちろん、高齢者層へのワクチン接種の賜物という可能性もあり、現時点で断言できるものではない)。

 

いずれにしろ、感染者数の正常化と共に、スポーツイベントも対策も徐々に正常化していくというのが世界の潮流であることは間違いない。

今まで世界でも最も感染レベルが低かったが、欧米のやり方に倣って緊急事態宣言や飲食店の時短・休業などの負担を国民や業界に求め続けた日本。

今度は世界が日本並みの感染レベルに近づき、屋外でのマスク着用義務化解除や大観衆を集めてのスポーツイベントを解禁しているのだから、日本も世界に足並みを揃え、社会生活を正常化する道を歩むのは当然。

 

そして、世界的なイベントであるオリンピックは、有観客で、そして日本の感染状況に照らせば入場制限は出来る限り行わずに行うべきだ。

根拠無き感染者数・重症者数試算を繰り返す専門家集団に引きずられ、意味のあまり感じられない観客入場制限を行ったりしたらー特に無観客にしたりしたら、日本はその判断力の無さについて、世界から嘲笑されてしまうだろう。

 

70代の死亡者も1年間で1万人に1人。コロナは「国家的危機」ではない。

昨日の衆院本会議で立民・枝野党首が内閣不信任案の趣旨説明で最初に強調していたのが新型コロナは「戦後最大の危機」「感染症における歴史的危機」「国家的危機」。

 

野党やマスコミにとっては、コロナは政権攻撃に今や欠かせない切り札、したがって最大級の評価をしているが、その評価は妥当か?

 

みんな見落としているが、日本における新型コロナの特徴は、罹患率が低いこと。

もっとも罹患しやすい20代でさえ、1年間でコロナに罹患する確率は1.3%。1年通しで100人に1人しかかからない。リスクが大きくなる70代では0.3%。つまり1年通しで1000人に3人しかかからない。

だから、致死率(罹患した方が亡くなる率)が高くなる70代、80代でも、実はそんなに脅威ではない。直近1年間に各世代ごとにコロナで死亡した方の人数とコロナ以前である平成30年に各世代ごとに死亡した方の人数を比較したのが下のグラフ。

人には寿命があり、いくら医学が発達しても死は避けられない。そして、年齢が高くなるごとにその数は増えていく。

70代では平成30年に1万人あたり180人が亡くなった。一方、コロナで直近1年間で亡くなった方は1人。

80代では平成30年に1万人あたり791人が亡くなったが、コロナで亡くなったのは5人。

そのほかの年代では、コロナで亡くなる方は1万人に1人に満たない。

 

これが、枝野氏が言う「戦後最大の危機」「感染症における歴史的危機」「国家的危機」の正体だ。

 

ちなみに、感染症における歴史的危機は、上記分析を待つまでもなく言い過ぎ。

ペストやコレラ、天然痘はいうに及ばず、20世紀初頭から50年間に渡って日本で流行した結核は、1年間あたりの死亡率は1万人あたり20〜30人。しかも死者は15 歳以上30 歳未満の若年後期に集中し、ピーク時の若い世代の死亡率は1万人あたり130人を超えていた。

今のコロナの80代以上の死亡率の20倍以上だ。それが若い世代に起きていたのだから、深刻さはコロナの比ではない。そのような状況が特効薬であるストレプトマイシンが使われ始めるまで50年以上の長きに渡って続いていたのだ。

 

明らかに今のコロナに対する評価は、過大だ。

もちろん、疾患による死亡者は少ない方が良いが、その対策はその疾患が社会全体に及ぼす被害に相応したものでなければ、副作用の方が大きくなる。現に、自殺者の激増、出生数の激減など、多大な影響が目に見えて起き始めている。

 

我々は、各々の利害から離れて、正当な評価をコロナに与えなければならない。

意図的にコロナを過大評価することで、多くの方を死に追いやることもあること、あるいは生まれてくるはずであった命を奪っていることも頭に入れるべきなのだ。

変異→致死率1/3 これが20年6月~21年6月の真実

英国株騒ぎがようやく収まってきたかと思いきや、今度は「デルタ株(旧名称インド株)」騒ぎ。

 

前から言ってるがRNAウイルスである新型コロナウイルスは、四六時中変化する。

武漢も「S型」「K型」「G型」があったし、その後も昨年イタリアで医療崩壊騒ぎとなった「欧米型」となり、さらに「東京・埼玉型」などもあり、「ブラジル型」「南ア型」もあった。

 

その経過を無視して大騒ぎしたり、警戒することはすべてムダ。

目に見えて致死率でも上がれば別だが、どうか。

下図は厚労省が週に一回発表している年代別致死率(コロナに罹患した人が死亡する率)を3ヶ月ごとで拾ってグラフにしたもの。

結局、致死率は昨年6月の5.4%から現在は1.5%に大幅に低下している。若い世代(マスコミは40代50代を若い年代と言っている)の致死率が上昇したという事実もなく、40代50代も実際は4分の1に低下している。

ちなみに東京都では既にデルタ株の割合が3割を超えているが(東京都福祉保険局)、重症者は減り続けているので(東京都モニタリング)、デルタ株とて例外ではないだろう。

 

変異株への怖れを理由に、オリンピックを中止せよ、との声が根強く、また、新規陽性者数は少なくなっているのに緊急事態宣言を継続する理由としても挙げられている。

しかし、少なくとも日本においては、ウイルス変異で致死率が上がっている事実はなく、しかも去年に比べれば3分の1に低下している。そのことは明確にしておくべきだろう。