何から何までねじ曲げて

先日来の吉村知事のポビドンヨードうがいに関するマスコミの悪質な報道。

最初の会見について、まず誤解しまくりの不正確な報道が拡散された(「吉村知事ポビドンヨードうがい会見に関する不正確な報道」)。

そして、その不正確な報道を正そうと行われた翌日の会見はさらに不正確に伝えられた。

「吉村知事が前日の発言を“軌道修正”した。〜 「うがい液でコロナを予防できるわけではありません。感染することを防げる効果が認められたわけでもありません」と強調し「改めて申します。予防薬でも治療薬でもない」」。

これが、「吉村大阪府知事が“軌道修正“うがい薬は「コロナの予防薬でも治療薬でもない」」との大見出し(見出しはMSNで紹介された時のもの・元記事はデイリー)で伝えられたのだ。

?が飛び交ってしまう。知事は、最初の会見からそう話されている。それがなぜ軌道修正という見出しに?今回の件は、マスコミが創り出した自作自演の架空の騒動。

勝手に誤解して勝手に軌道修正したことにされるのでは幾ら何でもたまったものではない。マスコミは、その誤解を識者に伝え、そして識者が発言内容を確かめることもなくピント外れのコメントを並べ立てて、それでまたピント外れな批判記事が作られる。まさに負のスパイラルならぬ誤解のスパイラルだ。

その誤解のスパイラルの中にいることもわからずに、SNSではこの極めて真剣な取り組みを嘲笑する声がやまない。

 

今回の騒動でよくわかったこと。

 

1.マスコミがいかに不正確にしか事実を伝えないか。

2.そのマスコミを鵜呑みしてかかる人がいかに多いか。

3.既成概念に囚われ、新しい発想を頭から拒否する人がいかに多いか。

4.よくわかりもしないのに思い込みだけで他人を馬鹿にしたがる人が如何に多いか。

5.日本では、ブレイクスルーが如何に生まれ難いか。

6.だから今の日本がこんな縮こまった社会になってしまったのか。

 

ただただ呆れるばかりだ。

授業料をもらっている以上、大学は対面事業をきちっとやるべき

大学の対面授業がいつまで経っても始まらない。

今年の新入生を持つ家庭では、入学金と授業料、そして家賃を払い続けているが、行われているのはネット事業のみ、授業料やそれ以外のコストに見合う対価の提供がない。

一方で、ある大学関係者がオンラインと対面授業の併用を求めた文科大臣の発言に対し「文科省の支援がないから何もできない。自助努力を求められているだけ」という趣旨の発言をされていた。これには失礼ながら少し呆れてしまった。

 

大学以外はみんな必死で自助努力をしている。

街角の小さなラーメン屋さんも飲食店も、お客さんが交代するたびに一生懸命にアルコールでテーブルを拭いている。入り口にはエタノール消毒液を置き、店員は皆マスク。

何とかして店がクラスターにならないように、そしてお客さんにもきてもらえるように必死なのだ。そうしなければ収入が閉ざされ、大事な店がなくなってしまうから。

 

大学の対面授業再開と感染拡大防止両立には、①マスク、②席の間隔確保(人数の多い講義も、入れ替え制や教員2人で2教室に分ける、半分はZOOMなど工夫次第)、③私語禁止、④教室入り口でのエタノール消毒、くらいやれば十分だろう。

 

先日、新型コロナ対策に関する政府ヒアリングの場で文科省に対し、「対面授業再開に関して慎重というか頑なな姿勢を崩さない大学に、一般企業やプロスポーツ、飲食店と同様に感染防止対策に十分な配慮をしつつ再開を促すためにモデルケースを紹介するなど工夫をして、学生の学校で学ぶ権利を守るよう促したらどうか」と提案した。

文科省の担当者も、大学にいくら文書出してもスルーされるので、そう言ったわかりやすく目に見える形で促すことを検討したい、と前向きな姿勢だった。

世の中から新型コロナが消える見込みは当面というかおそらくない。大学だけが象牙の塔に立てこもり、授業料だけ徴収し続けるなんていつまでも通用することではないだろう。

 

専門家のいうことが全て?

雑感を。

私が新型コロナウイルスの医療的な面に関して投稿などすると、専門家でもないのに黙っていろ、との声が寄せられる。専門家というだけでその質を吟味せず全幅の信頼を寄せられる方がとにかく多いのが今の日本の世の中。

 

しかし、弁護士だってピンキリ、レストランやラーメン屋さんだってピンキリ、医療も同じこと。専門家への全面的信頼が福島第一原発事故を呼んだし、医療過誤も同じこと。

おかしいと思ってもお医者さんが言うことだから、と信じていた結果が自分や最愛の人の死を招くことが幾多繰り返されている。弁護士だって同じで、おかしいと思いながらいうことを聞いていたら、完全敗訴などよくあること。

 

権威者が必ずしもその権威に沿った意見を言うと限らないことを数々の医療過誤訴訟で学んだし、日本の第一人者を自負する方々を相手に回し(その方々が過誤したのではなく、過誤した方を庇って意見書出したり証人尋問で出廷された)、幾度か勝利も収めてきた。

過去においても、日本陸軍で蔓延した脚気の原因を、栄養の偏りに見出したのは事実を基に観察した高木海軍医総監。陸軍やそれに随処する森鴎外らを相手に回し、今のポビドンヨード叩きのような状況の中で正鵠を射る説を提唱した。

後に農学者の鈴木梅太郎も玄米を食すると発病しないことを提唱したが、当時の医学者らは今と同様受け入れなかった。水俣病も同じ。東大を中心とする御用学者を打ち負かしたのは熊本大学。権威など科学的正義の前では何の意味も持っていない。

 

日頃権威者の言うことであろうが専門家の言うことであろうが、まず疑ってかかるという生き方をしているものから見ると、少しでも異端な意見は全部芽を摘もうとする今の世の中が本当に残念でならない。あまりにもせせこましいのだ。

冒険的なチャレンジを試みると、世間の迷惑を考えたのか云々と総バッシング。全てをステレオタイプのレッテル貼りで決めつけて自己満足。

そんなことばかりしていたら、フロンティアなど切り開けない。もう少し自由で伸び伸びと息ができる日本にみんなで変えて行きませんか?

Pioneer

ポビドンヨードうがいの件。調べたら段々面白くなってきた。以下に述べるのは素人である私の勝手な推論なので違っていてもご容赦を。

まずこれは,最近の論文(「新型コロナウイルスのBiology」)からの引用。

1.「COVID-19の初期症状として,味覚異常や嗅覚異常が起こることが報告されている。SARSやインフルエンザにおいてもみられる症状であるが,そのメカニズムとしてSARS-CoV-2の受容体であるACE2の発現が深く関与している。人体のさまざまな組織におけるACE2の発現を調べた結果,肺や腸管以外では,口腔に多く発現していることが報告された。ACE2は,口腔粘膜や歯肉にも発現するが,舌粘膜により多くの発現が認められた。また,舌粘膜にはSARS-CoV-2の感染を手助けする可能性のあるfurinも発現していることから,SARS-CoV-2が舌へ感染することにより味蕾細胞の機能が障害された結果,味覚障害が生じている可能性がある。

 鼻腔では脳の嗅球に近い嗅上皮の支持細胞にACE2が発現していることから~。口腔と鼻腔はウイルスの体内への入口であることから,下気道よりも先に感染が起こっている可能性がある。」

つまり,初期≒軽症(あるいは無症候)段階では,口腔内,特に舌粘膜表面で主にウイルスが増殖していることが考えらるということ。

したがって、ここを殺ウイルス効果があるポビドンヨードで洗浄すれば,ウイルスの増殖が抑えられ,それ以上の進行(下気道・肺での増殖)が防止されるかも知れないというのは一理ある(ここはまだ仮説)。

実際の実験結果としても、4日続けて一日4回ポピドンヨードでうがいしたグループは,唾液でのPCR検査での陽性率が9.5%まで下がったのだから,軽症者では主として口腔内でウイルス感染が起きている方の比率が多く,そのような方は、ポビドンヨードのうがいで陰性化が早まる(=いわば感染巣がデブリされる)という仮説が成り立つのでは。

2.一方で、唾液について

「サルに感染するようにした人工SARS-CoVをアカゲザルの鼻腔から感染させ,~研究がある。解析の結果,肺の上皮細胞と上咽頭にある唾液腺の導管部の上皮からSARS-CoV-2が検出されることが報告されている。さらに,うがい液中に浮遊していた剥離上皮細胞内でのSARS-CoVの増殖も認められている。」

とされており,唾液腺の導管部上皮細胞での増殖もあるとのこと。

以上1.2.によれば,感染が主として口腔内にとどまっているであろう軽症者や無症候者の場合、唾液がウイルスに汚染されるのは,もっぱら、唾液が口腔へ分泌されるルートである導管部での唾液へのウイルスの混入と、唾液が口腔に供給された後に舌粘膜・口腔粘膜に存在しているウイルスの混入によるものと推認される。

したがって,唾液へのウイルス混入を防止するには,唾液腺導管上皮部や,口腔粘膜,舌粘膜を殺ウイルス効果のある薬剤で洗浄すれば良い、ということになろう。

以上は、あくまで仮説であり,吉村知事の会見内容とは離れての私の素人的推論だが、ここから、ポビドンヨードうがいによって、

①感染場所が口腔内に止まる軽症例が重症化することが防止される

②唾液による他者への感染が抑制される,

ことが期待されるのでは。

はびきの医療センターでの症例報告からは、唾液によるPCR検査の陰転化が早まったということなので,①が暫定的に一部立証されたとも言えるだろう。

ただし,当然ながら今後さらに大規模な対照実験が必要だろう。

さて,私の勝手な仮説の展開とは違って,吉村知事が極めて抑制的に行われた会見を,マスコミがとてつもなく不正確に伝えたのは事実。

そして,そのマスコミ報道の影響で,医師を含めた様々な方々が,あり得ないトンデモ説を知事が発表したものと決めつけ,上から目線で攻撃的批評を展開されているのも事実。

今回の吉村知事の記者会見での発表(そして私の拙い仮説)が正鵠を射たものか、その真偽のほどはやがて時間の経過と共に明らかになるであろうが、それがどうなるかはもちろんまだ不明。

しかし,より良い未来が開ける可能性があるなら,それを試すことを躊躇する手はない。

「既存薬」による極めて安価かつ簡単な対策がさらにエビデンスを得て,新しい世界を切り開くことを心から期待する。

マスク、そしてポビドンヨードうがいへ

ポビドンヨードのうがいによる感染拡大防止効果、喧しい批判や誤解の陰には効果への疑問があるのだろう。あまりにも身近なものなので、なんでイソジンが?という印象が強いのだろう。

私は、この話、実はかなり脈のある話だと思っている。その理由は,理屈に合理性があり,まだ少数の症例数でしかないが、理屈通りの結果が出ているからだ。簡単にいえば

①感染ルートは,軽症者・無症候者からの場合は,唾液に含まれたウイルスの飛散による

②唾液になぜウイルスが含まれるかといえば舌にウイルス感染が起きていて口内でウイルスが混ざるから

③舌(と舌下の唾液腺)を殺ウイルス効果が証明されているポビドンヨードで1日4回4日間以上うがいによって清浄するとウイルス量が継続して低下する

④飛沫感染の予防が期待される

ということ。落ち着いて考えれば手洗いやマスクと同じほど当たり前な飛沫感染(拡大)防止効果が期待できるのだが,それについてヒステリックな批判が殺到したのはなぜだろう。

今回吉村知事が提案された目的としては「ウイルス保持者が他者に感染させるのを防ごう」というものなのに,「風邪の予防には水うがいの方がいい」とか,別の話を持ち出して一笑に付す非科学的態度は理解に苦しむ。

思い起こせばマスクでさえも、今年の3月中旬までは医学的にはなんの効果もないとされていて,日本や中国、韓国のマスク好きと世界からは嘲笑され、日本の専門家にも効果を疑問視する方があったが,BBCが放映した飛沫感染防止効果のニュースでそれが一変し、CDC→WHOが認めて世界中がマスクの効果を認知し、今や世界中で感染拡大防止策の主要な手段となっている。

ポビドンヨードのうがいも、感染者あるいは、感染可能性があるような発熱など風邪症状のある方からの家族内感染防止には相当効果を発揮する可能性がある。

今回、

マスコミの誤解→マスコミの不正確な情報に踊らされた医師の誤解→新型コロナに関心がある層の誤解

という感じで誤解の連鎖が拡がっているが、ここは一度予断を拭いさり、皆さんにじっくりと考えてみてもらいたい。

感染拡大のかなめである唾液と舌へのピンポイント攻撃。吉村知事のポビドンヨード会見まとめを通して。

大阪府の吉村知事のポビドンヨード記者会見を巡る波紋。

誤解される報道の仕方を前のブログやSNSで批判した。当然,あちらこちらからご意見をいただいたが,まずその意見について興味深かった点を最初に。

それは,普段新型コロナウイルス感染症について心配の度合いが大きい方ほど強く反発されておられることだ。普通のハンドソープでの手洗いの有効性や,海外では最初笑われていたマスクの効果には疑問を挟まないのに,思ってもいなかったポビドンヨードを提示されると過剰に反対する。このあたりが人間心理のよくわからないところ。

 

それはともかく,皆さんからたくさんの意見をいただいたので,あくまで私見としてこの問題をまとめてみた。私の勝手なまとめであり,私の勝手な解説であることをご了解の上ご覧頂きたい。

 

まず最初にこの会見(https://www.youtube.com/watch?v=xpEPcfBiytc)で吉村知事が言われていること(9:48~)を簡単にまとめると,

 

(1)大阪はびきの医療センターでは,臨床治療を行いながら既存薬で重症化を防ぐ研究も行っている。

(2)その中に「宿泊療養におけるポビドンヨード含嗽の重症化抑制にかかる観察研究」がある。

(3)その内容は,ポビドンヨードを使ったうがいを1日4回(起床時,昼食前,夕食前,就寝時)数日間行うと,唾液検体における陽性頻度が低下する。(対照実験として行われ)使わないグループと使ったグループで,4日目に使わないグループの陽性(検出)率は40%,後者は9.5%と明確な差が出た。

(4)唾液の中に多くウイルスが含まれるのがコロナの特徴。それは舌にコロナウイルスが付着していて,舌の裏側にある唾液腺から出た唾液とウイルスが混合している。その唾液が外に飛び散って拡がっていく。ポビドンヨードによるうがいによって圧倒的に陽性が減る。

(5)PCR検査は,朝起きた時にうがい前に行っている。

(6)コロナに効く,と言っている訳ではない。あくまで研究結果。

(7)今後どうするかといえば,まず(1)臨床研究として,今後宿泊されている方で同意いただける方には全員ポビドンヨードのうがいをしてもらう。(2)医療機関へは重症化予防への活用を視野に入れて(臨床研究結果を)情報提供していく。

(8)3つ目の活用として,府民の皆さんへのお願いとして,ポビドンヨードうがい薬によるうがいを励行してほしい。どこまで効果あるかはわからないが。特に①熱など風邪症状の出た方とその同居家族②接待を伴う飲食店の従業員の方,③医療従事者や介護従事者の方,8月20日まで励行してほしい。

 

というもの。ここまででだいぶ誤解が解けた方があるかもしれない。

さて,私のところに寄せられた意見と記者会見を見ての私なりの答えは次のとおり。

 

1 吉村知事は,重症化を防ぐ効果があると言っている

  →これが勿論もっとも多い。上記YouToubで全てが確認できる。吉村知事は非常に慎重な言い回しで,それには触れられていない。上記(7)のとおり,今後の研究を待つというスタンス。松山医師は,説明・質疑の中で,治すという治療ではないが,(ウイルスを含んだ)唾液が肺の中に入ることによる新型肺炎という重症化を防止できるという間接的効果について29:20あたりと40:05あたりでありうることを話しているが,47:23から,記者の質問に答えて「重症化抑制」は次のテーマ,まだ示せていないと明言されている。

つまり,「重症化を防ぐ効果がある」と言ったというのは完全な誤解。

 

2 うがいは,水の方が効果がある,とされているのでは。ヨードは喉の常在菌殺すとも。

  →その出典は「水うがいで風邪発症が4割減少」という京都大学の発表と思われる。しかしこれは風邪の予防効果の話。今回の発表は新型コロナウイルス感染者中の軽症患者の「舌」に表在するウイルスを除去する効果により唾液中のウイルス検査の陽性率発現期間が短縮する,という報告。まったく違う話。なお,今回の実験では,ポビドンヨード含むものと含まないものの対照結果も示されており,前者に著明な優位が示されている。

 

3 検査前にうがいすれば水道水でもウイルス量は減る

 →当たり前です。ですから,朝一番でうがい前にPCR検査の検体(唾液)採取は行われています。

 

4 ポビドンヨードは殺ウイルスに効きます。SARS,MERSでも。

 →調べて見たら確かにそうなのですね。厚労省のHPにも掲載されています。メーカーのHPにも記載がありました。

 

5 厚労省は時期尚早と言っている。

 →厚労省はいつも「時期遅延」。海外の報道や医療文献から,血栓症の関与が濃厚となったため,私が厚労省に対し,「抗血栓薬の使用について検討を始めたらどうか」と,3月下旬か4月上旬に尋ねたときにも「時期尚早」という答えだけだった。今では治療マニュアルにも載ってますが。厚労省とWHOの言うことはあまり信頼していません。

 

さて,皆さんは吉村知事のこの提案,いかがお考えだろうか。

私は,ポビドンヨードには新型コロナウイルスへの殺ウイルス効果が認められるのだから,感染拡大の要である「唾液」と「舌」を狙い撃ちにするというこの提案,一理あるというか,まさに盲点をついた勇気ある提案だと思う。政治的リスクを負いながら,敢えて今発表されたのは,感染拡大をなんとしても防ぎたいという強い気持ちからだと推察されるからだ。

他の誰に出来ることか。

試してみる価値は確かにある。

吉村知事イソジンうがい会見に対する不正確な報道

大阪府の吉村知事と大阪市の松井市長が共同会見で、ポピドンヨードに関する知見を発表したことに対し、不正確な報道が繰り広げられている。

 

例えば、FNNニュースは「コロナ重症化抑制結果を発表した」(YouTube「“うがい薬”が重症化抑える? 大阪・吉村知事が発表【ポビドンヨード】」)と大見出しのテロップを掲げ続け、キャスターもそう伝えた。そしてナレーションは「今日大阪府の吉村知事が発表したのはうがい薬の成分であるポピドンヨードが重症化を防ぐ可能性があるという研究結果です」と続けた。

しかし、実際に吉村知事が発表されたのは、連続した日数ポピドンヨードのうがい薬によるうがいを続けた結果、飛沫に含まれるウイルス量が相当程度低減したという医療機関の報告に基づいて、感染拡大防止効果がある可能性があり、家庭内感染などの防止に効果があるので試してもらいたい、という話。

それがなぜか大きく話を変えて「重症化を防ぐ」と伝えられているのだ。完全な誤報レベル。

同様の伝え方はWebでも見られる(Yahoo)。

 

メディアの伝え方に問題があることもあって、SNSでは頭ごなしに否定され、吉村知事への攻撃にも利用されている。何らかの意図があって、あえて曲解したような報道がなされているのか?

 

これに対して正確な報道をされているところもある(NHK)。

繰り返し述べているが、この新型コロナの問題については、マスコミが視聴者受けを狙って、事実から目を背けた報道が繰り返されている。それは報道機関の役割に明らかに反するもの。少しは自覚したらどうだろうか?

新型コロナは変わりつつある。国は現状をしっかりとアナウンスすべきだ。

マスコミの話題を独占している新型コロナウィルス新規感染者増。東京都から沖縄に注目が移った感があるが、一方では、新規感染者数ばかり増え、重症者や死者はほとんど増えないという現実がはっきりとしてきた。

タイムラグを持ってこれらの数が増えてくるという、TVによく出る医師らの7月中の意見であったが、結果としてその意見はFactに反したものになったことは、何度か指摘させていただいた(7月20日「Factを見つめよう」)。いつまで経っても重症者は増えず、重症化率は1%未満、死亡率は当然それ以下。

厚労省のメタデータによれば、7月の死亡者数は全国で36名、新規陽性者数は17167名。死亡率は、7月以降は0.2%なのだ。

この指摘に当初は批判的コメントをよくいただいた。しかし、このところさすがに事実を踏まえて素直に賛同される方が多くなり、同様の指摘も相次いでる。

 

ここで、この数字をよく比較されるインフルエンザと改めて比べてみよう。

インフルエンザウイルスの死亡率は0.01〜0.02%だという。新型コロナの方がたしかに高い。しかし、感染者数の絶対数は、インフルエンザが256万人。新型コロナウイルスは今日現在で3万6千人ほど。よって死亡者の絶対数は、平成30年でインフルエンザが3323人に対し、新型コロナウイルスでは半年で1011名、年間数(単純計算)では約2000人と逆転する。7月に入ってからのペースあるならば今後の年間ベースは年400名ほどということになる。

したがって、現時点で事実を比べてみれば、疾患の悪性度という面では新型コロナウイルスに軍配が上がるが、日本全体に関するマクロ的脅威としては、インフルエンザ以下なのだ。

 

もう一つ考え直さなければいけないのは、よくなされる海外における重症例を挙げての警鐘。

例えば近時TVで放映されたNY在住の医師の闘病体験。それだけを見ると確かに大変な経験ではあるのだが、あくまでも3月4月頃のNYでの経験。中堅世代の有名ミュージカル俳優が足を切断してその後死亡したりということが起きた時と場所での事例。海外ではその頃、若年層でも新型コロナ罹患者に脳卒中が多発したり、幼児に川崎病類似の重篤な症状が出たり、10代の死亡者も散見された。しかし、少なくとも日本ではこれらに類似する症例は報告されていない。

現状は、福岡市長が正直にネットに綴られたとおり、大半は無症候や軽症者の若者ばかりなのだ。

そして、今話題の沖縄も、歓楽街を中心に感染した若い世代がほとんど。

県外から来た観光客のせいではない。実直に臨床に取り組まれ、沖縄県の新型コロナ対策専門家会議委員を務められている高山医師もSNSで発信されている事実だ。

 

一方で、心配なのは、経済がますます萎縮している事実。

吉野屋は150店舗の閉鎖、ANAは四半期だけで1590億円の巨額赤字。今、新規感染者増が話題の沖縄の観光関連産業も相当程度の打撃が今後明らかになるだろう。

 

以上を踏まえて、政府がなすべきことは以下のとおり。

1.病態が変化してきているということを数字と共に国民に真摯に説明すること

2.一方で経済的悪化も深刻の度を増してきており、新型コロナに対する対策も、病態に合わせて実行せざるを得ないこと

3.今後は、公共の場でのマスク、頻繁な手洗いの習慣化などおのおのが取り得る対策を重点とし、一部歓楽街の特定業種(キャバクラ、ホストクラブなど)に対し、補償を伴いつつのピンポイント対策に力点を置いていくこと

4.以上を踏まえ、観光自粛や子どもたちへの行動制限は呼びかけるものではないこと

5.病態変化などへの備えとして、医療システム維持への備えは万全とするよう各自治体には予算措置を伴った勧奨をすること。具体的には①後記6を視野に入れつつ当面の措置としての軽症者用宿泊施設の整備、②重症者用病棟の整備(臨時重症者用施設あるいは新型コロナ専門病院の開設)

6.軽症患者の医療へのアクセスを容易にし、一般医療機関で取り扱いしやすい疾患とするため、指定感染症の分類を実情にあったものに改める、あるいは指定外とすること(医師の方たちのご意見に基づくもの。これについてはまた改めて書きます)

 

今、国民が必要としてるのは、合理的な論拠に基づく明快なリーダーシップ。現政権がそれを発揮することが出来ないなら、それが出来る政治家あるいは政党に政権を譲るべきである。ただし、新型コロナウイルスを政治利用し、党勢拡大に利用しようとしているマスコミ同様の一部野党に代われ、というものではない。与野党を問わず、それが出来る政治家、政治勢力が新たなる勢力となるべきだろう。今は、党利党略よりも、国民の生活が、未来が優先されるべき時である。

 

マスコミが社会に何をもたらすのか。

マスコミは後先考えずに、新規感染者数の数字だけを報じ続けている。その姿勢に合ったコメントをしてくれる識者の話と共に。中見を吟味したり実態を追うことは一切しない。

その結果、世の中には現実をオーバーシュートした過剰な言動が溢れ、ようやく動き出した人々がまた止まろうとしている。

そのことによる経済の縮小の被害はマスコミがほとんど報じないのでそこを心配すら声はか細く聞こえてくるだけだが、現実には非常に大きく根を広げ続けている。

今も、テレビ局のCM需要は落ち込み始めているようだが、やがてマスコミも自分たちが社会に何をもたらしたか、身をもって知ることになるだろう。

誤解ないよう申し添えれば、私は新型コロナを恐れるなとか、何の対策も必要ないと言っているのではない。その時々で様相が異なる新型コロナウイルスの感染状況の「Fact」に合わせてもっとも合理的かつ的確な対策が必要であり、そのための正確かつ背景にまで踏み込んだ質の高い情報提供が、マスコミには求められている、と申し上げている。

JR東海の経営問題

JR東海が初の営業赤字と報じられた(日経)。売上高は1287億円と前年同期に比べて73%減った。最終損益は726億円の赤字(前年同期は1313億円の黒字),本業の売上の落ち込みが原因なだけにかなり深刻だ。

新幹線の空き状況というかガラガラさを見ればやっぱり,という感じだが,問題は新型コロナの影響がどこまで続くかだ。

ハーバード大学の4月報告書のとおり2年続く(朝日)とすれば,赤字幅は大きく膨らむであろうし,その間に生活スタイルが大きく変わり,仮に終息を見たとしても出張を中心に継続的に客足が落ち込むことも予想される。

元々リニアの採算性は危うく,2013年当時には当のJR東海社長が「絶対にペイしない」と発言して物議を醸した。そのころ,経営見通しに関して疑問を呈する記事が幾つか出たものだ(東洋経済:https://toyokeizai.net/articles/-/189823,Business Journal:https://biz-journal.jp/2014/06/post_5063.html)。

何しろ,競合するのは自社のドル箱である新幹線。乗客の半数以上は新幹線客の乗り換えを見込んでいるところ,その新幹線客自体が減少するのであれば,共倒れの可能性もある。

さらに,リニア工事も遅れている。その原因については,静岡県だけが悪者視されているが実は各所で工事上の問題が噴出している。

三菱重工業の重荷となっていて「飛ばない翼」とさえ言われているMRJ(日経ビジネス)の二の舞となる恐れもあるだろう。

今後も継続して客足が回復しなければ,これをカバーするために新幹線の運賃値上げが検討課題に上ることは確実。難工事による工事費上昇も負担増となろう。

そして,開業すればしたで二重の運行コストものしかかってくるから,とても当時の想定のとおり,新幹線料金に少し上乗せ程度では済まないだろう。勿論,新幹線料金も上がらざるを得ない。

なぜ今これを言うかといえば,リニアに引っ張られて東京・大阪間の輸送コストが上がることにより国民全体の移動コストが上昇し,日本の競争力の低下と国民所得の実質的低下に繋がることが懸念されるからだ。

心配なのは,一度始めたプロジェクトは何が何でも進めてしまう日本人の特性。勝つ見込みのない第2次大戦に突っ込んでいったのがその象徴。その癖が直っていないことは先のMRJの事例からも窺われる。
東海道新幹線を運営するJR東海は日本に残された数少ない優良企業であり,新幹線の安全性と確実性は日本の誇りでもある。

その折角の宝が,見通しの誤りで万が一にも傷つくことのないよう,リニア事業は一度止まって見直すことも必要だろう。フランスだってコンコルドを諦めたのだから。