日本の政治を巡る一考察

戦後,社会党を中心とした日本のリベラル勢力はついに政権を奪取できなかった。このため,小沢氏の力業による政界再編の嵐が吹き荒れた中,社会党は分裂し,多くの議員が民主党へ参画し,保守系議員らとの寄り合い所帯である民主党が政権を担うこととなった。しかし,そのことが果たして日本の政治について良かったのか否か。
私は長期的な時間軸でみたときリベラル側に現状分析が足りなかったと考えている。
日本は戦後,高度経済成長の波に乗り,基本的には全国民が経済的に年々富んでいく状況にあった。このような時に支持を集めるのは,洋の東西を問わず基本的に保守政党だろう。また,当時の社会党も「反対政党」という位置付けではあったが,きちんとその役割を果たしていた。政権を取るだけが政党ではない。少数側の意見を確実に届けるということも,民主主義政治にとって大変重要な仕事,役割だ。しかし,政権を担えない,ということの焦りから考え方の全く違う政治家たちと結集したのは致命的な誤り。政党とは一定の政治理念に基づく政策を実現するために存在する集団。考え方が全く異なる政治家たち(皮肉にも,今の民主党代表戦において,まるで政党間の争いのように対立軸がはっきりしているところによく現れている)が政権獲得だけを目的として集合してもまともに政権運営などできるはずもなかったのだ。
このような焦りをみせずとも,やがてリベラル勢力が必要とされる時期が必ず来たはずだ。それは,徐々に姿を現しつつある日本の凋落と国民の大多数の窮乏が誰の目にもはっきりする今後の5~10年後には遅くとも訪れたであろう。私は強く危惧する。このままリベラル勢力が「再びの失意」とともに雲散霧消してしまうことを。

福島県における小児甲状腺がん検査への提言(2017.5.16修正版)

(*先行検査に関する平成27年度追補版により数値を修正)。

福島県では小児甲状腺がんの全数調査といわれるもの(福島県民健康管理調査)が行われている。その結果の評価については意見が分かれているが,事実を元に現状の評価を客観的にまとめ,その上で提言を行う。なお,根拠についてはリンクを示したので参照されたい。

 

 

1 調査の概要

https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/165102.pdf

 対象者:震災時概ね18歳以下の全県民

 内 容:甲状腺超音波検査

  ただし,この調査対象者は先行調査(一巡目検査)と本格検査(二巡目検査)に分かれている。

http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/143676.pdf

①[先行検査](一巡目検査)

 実施期間 平成23年10 月~平成27年4月30日(当初予定を1年間延長)

 対象者  平成4年4月2日から平成23年4月1日までに生まれた福島県民

②[本格検査](二巡目検査)

 実施期間 平成26年4月2日~

 対象者  平成4年4月2日から平成24年4月1日までに生まれた福島県民

 *両調査とも福島県外に居住している福島県民を含む(http://fukushima-mimamori.jp/thyroid-examination/schedule-fukushima/

 

2 判定結果の基準

http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/143676.pdf

①一次検査

 A 判定 (A1)結節又はのう胞を認めなかったもの。

     (A2)結節(5.0 ㎜以下)又はのう胞(20.0 ㎜以下)を認めたもの。

 B 判定 結節(5.1 ㎜以上)又はのう胞(20.1 ㎜以上)を認めたもの。

  なお、A2 の判定内容であっても、甲状腺の状態等から二次検査を要すると判断した場合は、B 判定としている。

 C 判定 甲状腺の状態等から判断して、直ちに二次検査を要するもの。

  *結節:「結節」(しこり)とは甲状腺の一部にできる充実性の変化

   のう胞:体液の貯まった袋状のもの(http://www.jabts.net/koujyousen-jigyou/kijun/index.html

②二次検査

 一次検査の結果、B 判定又はC 判定となった場合は、二次検査となる。二次検査では、詳しく超音波検査を行った後、採血、尿検査を実施。更に必要があれば、結節から細胞を採って検査をする穿刺吸引細胞診を行う。

3 検査結果

①先行検査(平成28年6月6日)

http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/129302.pdf

http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/167944.pdf

一次検査

 対象者367,672人のうち、300,476人が受診し受診率は81.7%であった。

   内,A判定(A1及びA2判定)の方が298,182人(99.2%)

     B判定の方が2,293人(0.8%)

     C判定の方が1人

二次検査(平成28年3月31日現在)

 一次検査結果がB,C判定であった2,294人のうち、2,128人(92.8%)が二次検査を受診し、結果確定者は2,086人(98.0%)であった。

 その2,086人のうち、710人(表3の次回検査A1の132人とA2の578人)(34.8%)は詳細な検査の結果A1もしくはA2判定相当として、次回検査(本格検査)となった。

 一方、1,376人(66.0%)は、概ね6か月後または1年後に通常診療(保険診療)となる方等であった。この1,356人のうち、545人(39.6%)が穿刺吸引細胞診検査を受診している。穿刺吸引細胞診を行った方のうち、116人が「悪性ないし悪性疑い」の判定となった。116人の性別は男性39人、女性77人であった。また、二次検査時点での年齢は8歳から22歳(平均年齢は17.3±2.7歳)、腫瘍径は最小5.1mmから最大45.0mm(平均腫瘍径は13.9±7.8mm)であった。

 また,内102人が手術を受け,101人が悪性と確定している(上記PDF②-49資料7)内訳 乳頭がん100人,低分化がん1人,良性結節1人

結論:吸引細胞診の結果,116人が「悪性ないし悪性疑い」とされ,内102人が手術を受け,101人(99%)が悪性と確定

*ただし,この結果には二次検査中に経過観察として保険診療に移行した対象者2525人が含まれていないという,過小評価に繋がる重大な欠陥がある。(http://fukushima-mimamori.jp/qanda/thyroid-examination/thyroid-exam-other/000396.html)(http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2108

 

②本格検査(平成28年12月31日現在)

http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/201727.pdf

一次検査

 対象者381,282人の内、270,489人(70.9%)の検査を実施。

 A判定(A1及びA2判定)の方が268,242人(99.2%)、B判定の方が2,226人(0.8%)、C判定の方は0人であった。

二次検査

 穿刺吸引細胞診を行った方のうち、69人が「悪性ないし悪性疑い」の判定となった。

 69人の性別は男性31人、女性38人であった。また、二次検査時点での年齢は9歳から23歳(平均年齢は16.9±3.3歳)、腫瘍の大きさは5.3mmから35.6mm(平均腫瘍径は11.0±5.6mm)であった。

 なお、69人の先行検査の結果は、A判定が63人(A1が32人、A2が31人)、B判定が5人であり、先行検査未受診の方が1人であった。

 また,内44人が手術を受け,44人全員(100%)が悪性と確定している(②-22別表6)。内訳 乳頭がん43人,その他の甲状腺がん1人

結論:吸引細胞診の結果,69人が「悪性ないし悪性疑い」とされ,内44人が手術を受け44人(100%)が悪性と確定

*ただし,この結果には二次検査中に経過観察として保険診療に移行した対象者2525人が含まれていないという,過小評価に繋がる重大な欠陥がある。(http://fukushima-mimamori.jp/qanda/thyroid-examination/thyroid-exam-other/000396.html)(http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2108

3 結果のまとめ(平成28年12月31日現在)

  対象者総数381,282人のうち,実調査数は最高で約31万人{300,476人(先行調査実施数)+9640人((本格調査対象者381,282-先行調査対象者367,672)×本格調査受診率70.9%)}

  内185人が吸引細胞診により「悪性ないし悪性疑い」とされ,内146人が手術を受け,145人(99%)が悪性と確定、1名が除外。したがって「悪性ないし悪性疑い」は184人。発症率0.0593%,100万人あたり593人。

  *ただし,この結果には二次検査中に経過観察として保険診療に移行した対象者2525人が含まれていないという,過小評価に繋がる重大な欠陥がある。(http://fukushima-mimamori.jp/qanda/thyroid-examination/thyroid-exam-other/000396.html)(http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2108

4 他の結果

①従前の研究による発症率

https://www.hindawi.com/journals/jtr/2011/845362/

 米国SEER (Surveillance, Epidemiology and End Results)コホート研究における20歳未満の甲状腺がん患者1753名のデータによれば、女子では10万人当たり0.89人、男子では10万人当たり0.2人の発症率とされる。

 つまり,男子と女子が同数と仮定すれば,100万人あたり5.5となる。なお,コホート研究とは「特定の地域や集団に属する人々を対象に、長期間にわたってその人々の健康状態と生活習慣や環境の状態など様々な要因との関係を調査する研究」

②対照実験としての3県調査

 (http://www.jabts.net/koujyousen-jigyou/index.html)(http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=17965

 (https://www.env.go.jp/chemi/rhm/attach/rep_2503a_full.pdf

 環境省は,前記福島県における全数調査結果を受け,平成24年度甲状腺結節性疾患有所見率等調査事業(以下「3県調査」という。)として、福島県以外の地域(青森、山梨、長崎)において、18歳以下の者を対象に甲状腺超音波検査を行った。

 判定基準は福島県調査と同じであり,A判定が4,321人(99.0%)であり、このうちA1判定は1,853人(42.5%)、A2判定は2,468人(56.5%)であった。B判定は44人(1.0%)であった。C判定は0人(0.0%)であった。

 その後,平成25年10月から平成26年3月の間にB判定であった44名の内同意のあった31名を追跡調査した結果,1名が甲状腺がんと確定した。

 つまり,発症率0.023%,100万人あたり231人となる。

5 結果のまとめ

①従前の研究結果では100万人あたりの発症率は5.5人(4①)。

②福島県民健康調査では100万人あたりの発症率は593人

 *ただし,この結果には二次検査中に経過観察として保険診療に移行した対象者2525人が含まれていないという,過小評価に繋がる重大な欠陥がある。(http://fukushima-mimamori.jp/qanda/thyroid-examination/thyroid-exam-other/000396.html)(http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2108

③3県調査では100万人あたりの発症率は231人となる。

6 事実評価

①まず,従前の研究結果と福島県民健康調査とを比較すれば,発症率の差異は歴然であり,約100倍である。

②次に3県調査の結果も,従前の研究結果に比べれば約42倍である。

③福島県民健康調査と3県調査を比較すれば福島県の発症率は約2.5倍である。

7 スクリーニング効果説の検討

 スクリーニング効果説とは,

・甲状腺がんは,症状が発現しないものもあり,検査を行えば多数の異常が発見されて当然,

・福島県民健康調査の結果に地域差がない

・5歳未満の発症者がない

というものである。

 しかし,

①従前の研究結果との発症率の差が100倍に上ることがスクリーニング効果だけで説明できるか疑問である。また,スクリーニング効果によって100倍もの発生率があるという研究結果がない(*後者については私が検索し得なかっただけかも知れないため,ご存じの方があれば教えて頂きたい)

②対照試験として行われた3県調査と比較しても約2.5倍の発症率の差異がある。しかも,福島県民健康調査においては,二次検査により経過観察が必要と判定され,保険診療に移行した対象者における発症者が含まれていない。要経過観察者からの発症者であるため,相当数の暗数が存在すると推察され,その差はさらに拡大する。

③3県調査における受診者は,調査時点における3県居住者であることから,発症者1名の詳細が不明

https://www.env.go.jp/chemi/rhm/attach/rep_2503a_full.pdf

44頁以下

④地域差については,地域別の発症者が示されているだけで各地域における発症者の推定放射線量が示されていない(避難の有無,避難期間に差異があることから単純に地域(福島第一原発からの距離)だけで放射線量の影響の多寡は推認できない)。

⑤暗数の存在からそもそも地域別発症者数が不正確となっている

⑥暗数となっていた対象者の中から5歳未満発症者が確認されている

という問題があり,スクリーニング効果説の根拠は乏しい。

 

8 提言

 以上によれば,福島県民健康調査における小児甲状腺がん発症者数は,暗数の存在にもかかわらず,従前の研究結果よりも100倍のレート,対照実験よりも2.5倍のレートで発生している事実がある。我々は,児童に対する責任としてこの事実を謙虚に受け止める必要がある。少なくとも暗数について早急にその実態を調査すると共に,福島第一原発事故時との因果関係の有無やその程度を解明するために早急に

①暗数となっている,要経過観察に回され統計結果から除外された2535名における発症者数の把握

②推定放射線被曝量を基準とした発症者割合の確認

を行うべきであり,これを強く提言する。

 

 

福島県における小児甲状腺がん検査への提言

福島県では小児甲状腺がんの全数調査といわれるもの(福島県民健康管理調査)が行われている。その結果の評価については意見が分かれているが,事実を元に現状の評価を客観的にまとめ,その上で提言を行う。なお,根拠についてはリンクを示したので参照されたい。

1 調査の概要

https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/165102.pdf

 対象者:震災時概ね18歳以下の全県民

内 容:甲状腺超音波検査

ただし,この調査対象者は先行調査と本格検査に分かれている。

http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/143676.pdf

①[先行検査]

実施期間 平成23年10 月~平成26 年4月30日(当初予定を1ヶ月延長)

対象者  平成4年4月2日から平成23年4月1日までに生まれた福島県民

②[本格検査]

実施期間 平成26年4月2日~

対象者  平成4年4月2日から平成24年4月1日までに生まれた福島県民

 *両調査とも福島県外に居住している福島県民を含む(http://fukushima-mimamori.jp/thyroid-examination/schedule-fukushima/

 

2 判定結果の基準

http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/143676.pdf

①一次検査

 A 判定 (A1)結節又はのう胞を認めなかったもの。

(A2)結節(5.0 ㎜以下)又はのう胞(20.0 ㎜以下)を認めたもの。

B 判定 結節(5.1 ㎜以上)又はのう胞(20.1 ㎜以上)を認めたもの。

なお、A2 の判定内容であっても、甲状腺の状態等から二次検査を要すると判断した場合は、B 判定としている。

C 判定 甲状腺の状態等から判断して、直ちに二次検査を要するもの。

  *結節:「結節」(しこり)とは甲状腺の一部にできる充実性の変化

   のう胞:体液の貯まった袋状のもの(http://www.jabts.net/koujyousen-jigyou/kijun/index.html

②二次検査

一次検査の結果、B 判定又はC 判定となった場合は、二次検査となる。二次検査では、詳しく超音波検査を行った後、採血、尿検査を実施。更に必要があれば、結節から細胞を採って検査をする穿刺吸引細胞診を行う。

3 検査結果

①先行検査(確定)

  (http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/129302.pdf

 一次検査

対象者367,685人のうち、300,476人が受診し受診率は81.7%であった。

 内,A判定(A1及びA2判定)の方が298,182人(99.2%)

B判定の方が2,293人(0.8%)

C判定の方が1人

 二次検査

 一次検査結果がB,C判定であった2,294人のうち、2,108人(91.9%)が二次検査を受診し、結果確定者は2,056人(97.5%)であった。

その2,056人のうち、700人(表3の次回検査A1の122人とA2の578人)(34.0%)は詳細な検査の結果A1もしくはA2判定相当として、次回検査(本格検査)となった。

一方、1,356人(66.0%)は、概ね6か月後または1年後に通常診療(保険診療)となる方等であった。この1,356人のうち、537人(39.6%)が穿刺吸引細胞診検査を受診している。穿刺吸引細胞診を行った方のうち、113人が「悪性ないし悪性疑い」の判定となった。113人の性別は男性38人、女性75人であった。また、二次検査時点での年齢は8歳から22歳(平均年齢は17.3±2.7歳)、腫瘍径は最小5.1mmから最大45.0mm(平均腫瘍径は14.2±7.8mm)であった。

また,内99人が手術を受け,98人が悪性と確定している(上記PDF②-27資料7)内訳 乳頭がん95人,低分化がん3人,良性結節1人

 結論:吸引細胞診の結果,113人が「悪性ないし悪性疑い」とされ,内99人が手術を受け98人(99%)が悪性と確定

*ただし,この結果には二次検査中に経過観察として保険診療に移行した対象者2525人が含まれていないという,過小評価に繋がる重大な欠陥がある。(http://fukushima-mimamori.jp/qanda/thyroid-examination/thyroid-exam-other/000396.html)(http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2108

 

②本格検査(平成28年12月31日現在)

http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/201727.pdf

一次検査

対象者381,282人の内、270,489人(70.9%)の検査を実施。

A判定(A1及びA2判定)の方が268,242人(99.2%)、B判定の方が2,226人(0.8%)、C判定の方は0人であった。

二次検査

穿刺吸引細胞診を行った方のうち、69人が「悪性ないし悪性疑い」の判定となった。

69人の性別は男性31人、女性38人であった。また、二次検査時点での年齢は9歳から23歳(平均年齢は16.9±3.3歳)、腫瘍の大きさは5.3mmから35.6mm(平均腫瘍径は11.0±5.6mm)であった。

なお、69人の先行検査の結果は、A判定が63人(A1が32人、A2が31人)、B判定が5人であり、先行検査未受診の方が1人であった。

 また,内44人が手術を受け,44人全員(100%)が悪性と確定している(②-22別表6)。内訳 乳頭がん43人,その他の甲状腺がん1人

結論:吸引細胞診の結果,69人が「悪性ないし悪性疑い」とされ,内44人が手術を受け44人(100%)が悪性と確定

*ただし,この結果には二次検査中に経過観察として保険診療に移行した対象者2525人が含まれていないという,過小評価に繋がる重大な欠陥がある。(http://fukushima-mimamori.jp/qanda/thyroid-examination/thyroid-exam-other/000396.html)(http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2108

 

 

3 結果のまとめ(平成28年12月31日現在)

  対象者総数381,282人のうち,実調査数は最高で約31万人{300,476人(先行調査実施数)+9640人((本格調査対象者381,282-先行調査対象者367,685)×本格調査受診率70.9%)}

  内,182人が吸引細胞診により「悪性ないし悪性疑い」とされ,内143人が手術を受け,142人(99%)が悪性と確定。発症率0.059%,100万人あたり587人。

  *ただし,この結果には二次検査中に経過観察として保険診療に移行した対象者2525人が含まれていないという,過小評価に繋がる重大な欠陥がある。(http://fukushima-mimamori.jp/qanda/thyroid-examination/thyroid-exam-other/000396.html)(http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2108

4 他の結果

①従前の研究による発症率

https://www.hindawi.com/journals/jtr/2011/845362/

 米国SEER (Surveillance, Epidemiology and End Results)コホート研究における20歳未満の甲状腺がん患者1753名のデータによれば、女子では10万人当たり0.89人、男子では10万人当たり0.2人の発症率とされる。

 つまり,男子と女子が同数と仮定すれば,100万人あたり5.5となる。なお,コホート研究とは「特定の地域や集団に属する人々を対象に、長期間にわたってその人々の健康状態と生活習慣や環境の状態など様々な要因との関係を調査する研究」

 ②対照実験としての3県調査

 (http://www.jabts.net/koujyousen-jigyou/index.html)(http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=17965

 (https://www.env.go.jp/chemi/rhm/attach/rep_2503a_full.pdf

  環境省は,前記福島県における全数調査結果を受け,平成24年度甲状腺結節性疾患有所見率等調査事業(以下「3県調査」という。)として、福島県以外の地域(青森、山梨、長崎)において、18歳以下の者を対象に甲状腺超音波検査を行った。

判定基準は福島県調査と同じであり,A判定が4,321人(99.0%)であり、このうちA1判定は1,853人(42.5%)、A2判定は2,468人(56.5%)であった。B判定は44人(1.0%)であった。C判定は0人(0.0%)であった。

その後,平成25年10月から平成26年3月の間にB判定であった44名の内同意のあった31名を追跡調査した結果,1名が甲状腺がんと確定した。

つまり,発症率0.023%,100万人あたり231人となる。

 

5 結果のまとめ

 ①従前の研究結果では100万人あたりの発症率は5.5人(4①)。

 ②福島県民健康調査では100万人あたりの発症率は587人

 *ただし,この結果には二次検査中に経過観察として保険診療に移行した対象者2525人が含まれていないという,過小評価に繋がる重大な欠陥がある。(http://fukushima-mimamori.jp/qanda/thyroid-examination/thyroid-exam-other/000396.html)(http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2108

 

 ③3県調査では100万人あたりの発症率は231人となる。

 1乃至3記載の福島県民健康管理調査では,実調査数約31万人{300,476人(先行調査実施数)+9640人((本格調査対象者381,282-先行調査対象者367,685)×本格調査受診率70.9%)}に対し,100万人あたり231人

6 事実評価

①まず,従前の研究結果と福島県民健康調査とを比較すれば,発症率の差異は歴然であり,約100倍である。

②次に3県調査の結果も,従前の研究結果に比べれば約42倍である。

③福島県民健康調査と3県調査を比較すれば福島県の発症率は約2.5倍である。

7 スクリーニング効果説の検討

スクリーニング効果説とは,

・甲状腺がんは,症状が発現しないものもあり,検査を行えば多数の異常が発見されて当然,

・福島県民健康調査の結果に地域差がない

・5歳未満の発症者がない

というものである。

しかし,

①従前の研究結果との発症率の差が100倍に上ることがスクリーニングだけで説明できるか疑問である。また,スクリーニング効果によって100倍もの発生率の差異が生じるという研究結果がない(*後者については私が検索し得なかっただけかも知れないため,ご存じの方があれば教えて頂きたい)

②対照試験として行われた3県調査と比較しても約2.5倍の発症率の差異がある。しかも,福島県民健康調査においては,二次検査受診により経過観察が必要と判定され,保険診療に移行した対象者における発症者が含まれていない。要経過観察者からの発症者であるため,相当数の暗数が存在すると推察されることからその差はさらに拡大する。

③3県調査における受診者は,調査時点における3県居住者であることから,発症者1名の詳細が不明

https://www.env.go.jp/chemi/rhm/attach/rep_2503a_full.pdf)44頁以下

④地域差については,地域別の発症者が示されているだけで各地域における発症者の推定放射線量が示されていない(避難の有無,避難期間に差異があることから単純に地域(福島第一原発からの距離)だけで放射線量の影響の多寡は推認できない)。

⑤暗数の存在からそもそも地域別発症者数が不正確となっている

⑥暗数となっていた対象者の中から5歳未満発症者が確認されている

という問題があり,スクリーニング効果説の根拠は乏しい。

8 提言

以上によれば,福島県民健康調査における小児甲状腺がん発症者数は暗数の存在にもかかわらず,従前の研究結果よりも100倍のレートで発生している事実及び対照実験よりも2.5倍発生している。我々は,児童に対する責任としてこの事実を謙虚に受け止める必要がある。少なくとも暗数について早急にその実態を調査すると共に,福島第一原発事故時との因果関係の有無や程度を家訓するために早急に

①暗数となっている2535名中の発症者数の把握

②推定放射線被曝量に基づく発症者率の確認

を行うべきであり,これを強く提言する。

 

 

国民は生かさず殺さず

 今朝のニュースで仏大統領選挙の結果に不満を持つ若者達が警官隊と激しく衝突する様子が流れた。それを見てはたと気づいた。

今の安倍内閣の政策は徳川家康の「百姓は生かさず殺さず」を受け継いでいるのだと。フランスの若者のエネルギーが日本の若者に失われて久しいが,フランス人の原動力は25歳以下で23%に達する高失業率。一方,日本の若者は人口減に支えられた異常な低失業率下,24歳以下の失業率は全年齢よりは多いもののそれでも4%。働く場所には困らない。その上で,生きていくのがやっとの低賃金と過重労働に晒されれば,抵抗する気もおきず,ただ日々を過ごしていく,管理しやすい若者層の出来上がりだ。安倍内閣が何故日本の最大問題である人口減少に対しわからなかったが,今日わかった。これを放置した方が,為政者にとって管理しやすい国民ができあがるのだ。国民の管理策は今も昔も変わらない。「百姓は生かさず殺さず」で抵抗するエネルギーを国民から奪っているのだ。

「国民サイド」に立つ我々はこれに立ち向かっていく。教育無償化・育児支援を中心とする人口減少対策,若者を中心とした貧困や低所得対策としての最低賃金大幅アップ,残業制限などにより,生きていく幸福が実感できる社会を目指していく。

http://www.afpbb.com/articles/-/3126169

 

新しい波

フランス大統領選では既成政党に属さないマクロンと極右政党のルペンが決戦投票へ。有権者のニーズを満たさない既成政党離れが世界ですすんでいる。日本も自民党と民進党に縛られている時代ではない。

私たちはそう考えて「国民サイド」立ち上げた。右と左が混在し,政策も人事もいつもバラバラ,結果として第2自民党のような政策しか出せない民進党に期待はできない。日本にはどうしてもまともなリベラル政党が必要だ。始めは小さくとも,それが出来れば日本は変わっていく。

皆さんも一緒に行動を起こして欲しい。貴方の勇気ある一歩がこの日本を変えるのだ。まずはサポーターになって下さい。

https://www.aoyama-masayuki.com/people/

議員報酬削減?

名古屋市長選で議員報酬削減が争点となっているようだ。河村市長は議員報酬半減を公約とし,削減を求める声も多いようだが、今の議員は,年金受給年齢となり引退したとしても国民年金しかない。また,年毎に決まった昇給がなされる訳でもなく落ちればいきなり浪人,家族と共に路頭に迷う。そういった事を勘案すれば,一部上場企業の30代あるいは公務員の50代位の年収を半分に、はどうかと思う。報酬面で魅力に欠ければ特に若い世代において,一線級の人材が確保しにくくなるのは間違いない。
関連する問題として,国会議員には政策秘書の給与が支給されるが,そこを勘案しても政策研究費がかなり不足している。アメリカの上院議員は50人の政策スタッフを抱えていると聞いた。充実したスタッフがいてこそ,行政庁と渡り合い,対等の法案提出も可能となる(ただ,日本の場合,政策を検討しているまともな国会議員は数少ない。下手に支給すると,政策秘書が選挙対策の挨拶回りスタッフに化けたり,政策経費が私的利益に流用されてしまう,という問題点がでてくるだろうが)。
また,充実した議会審議のためには県会議員や政令指定都市の市議会議員にも,スタッフの公費負担が必要だろう。上記のような私的流用を防ぐ為,公務員的な扱いで自治体が雇用し,各議員に従事させる,という仕組みでも良いのではなかろうか。

少し話が変わるが,最近の日本は、この名古屋市長選を巡る争点のような,待遇切り下げが正義である,という風潮がまかり通っている。これは,企業の倒産が相次いだバブル期、リストラを行う経営者をマスコミが褒めそやした頃からだと思う。しかし,今の日本に必要なのは、賃下げや報酬切り下げではなく、一部の特権階級的な大金持ちに属さない側の所得増加策である。労働分配率の低下が景気低迷の原因とピケティが論証した通りのところである。当然,民間給与にも広く参考とされている公務員給与も改善が必要だろう。最低賃金の引き上げを含め,社会全体が考え方を変えていく必要がある。

静岡伊勢丹の危機は静岡市の危機

ちょっと前に静岡伊勢丹が店舗のリストラ対象になっている、というニュースが流れた平日の客数を見ていて危ないかも、と前から話していたがやはり現実化しそう。これは,静岡市にとってエポック・メイキングだ。呉服町通りの賑わいにも大きな影響を与えそう。先日は静岡朝日テレビがわざわざ池上彰さんを担ぎ出して静岡の人口問題の番組を放送していた。人口減少がチャンスだの豊かだの世迷い言をいう政治家がいるが,今のペースでの人口減少は,社会を破壊し,経済を破綻させる。静岡市はただでさえ日本で一番人口が少ない政令指定都市である上に,人口減少率も政令指定都市で一番だ。この恐ろしい現実を見つめ、最重要課題として取り組まなければ、静岡市も衰退の一途を辿るだろう。

しかし,この問題に対する市政の取り組みに危機感は感じられない。静岡市議会議員選挙が近づいてきたが,この大問題に対する市議の姿勢は,重要だ。有権者はここに注目すべきだろう。

リベラルの旗を立てよう

民進党の蓮舫代表は,党の生き残りのため形だけの反原発政策をまとめようとしている。それは,今直ちに採るべき各地の原発の再稼働反対という方針ではない。今まであった「2030年代原発廃止」というお題目を「2030年廃止」,にしようというものだ。しかし,連合の神津会長は,これに強く反発し,意見交換会のキャンセルを決めた。

もう,連合も民進党も本当の姿をさらけ出すべき時期に来ている。先に連合から化学総連が離脱し,自民党支持を表明した。神津会長の出身労組である鉄鋼や造船などの産業別労働組合(産別)の「基幹労連」も,一時,組合員の支持政党として自民党が民進党を上回ったという。

東芝が原発関連で2年で1兆円近い損失を受け,企業の存亡の危機に瀕している。そして,東電でも行われたように給与カットが実施される。原発は企業も労働者も不幸にしていることが明らかなのに,相変わらず連合トップは,原発支持の立場を変えない。基幹労連も同じだ。このような組合は,既に組合の体をなしていない。労働者ではなく,企業トップの顔色を窺うばかりだ。

 もう,民進党も連合も,第二自民党や経団連と同じような考えを持つ勢力と,国民や労働者の側に立つリベラル勢力と,きちんと分かれるべきだ。そうでなければ,仮に再び政権をとったとしても(現状あり得ないことだが),再び国民を裏切るだけだ。

 民進党にも立派な政治家はいる。目立たないところだが,認定こども園の運営指針として「国歌に親しむ」が定められたことに対し,きちんとした質問をした山尾志桜里議員もその一人だ。社会保障政策に関する知見に定評のある長妻議員もいる。彼らのような能力も見識もある議員は,国民に向かって自分たちの旗を立てるべきだ。小池都知事に都民の期待が集まったように,国民の期待は集中するだろう。私も強く期待する一人である。

福島の子どもの甲状腺がんの比率増加

チェルノブイリと同じく、福島県の子どもで甲状腺がんが見つかる比率が増えている。

100万人に1人のはずが2016年には1726人に1人という高率(実に100倍)。
この発病率の推移は、
年月日 患者数 患者は何人に1人いる?
2013年12月31日 74人 3639人に1人
2014年3月31日 89人 3320人に1人
2014年6月30日 103人 2874人に1人
2014年10月31日 112人 2648人に1人
2014年12月31日 117人 2551人に1人
2015年3月31日 126人 2377人に1人
2015年6月30日 126人 2193人に1人
2015年9月30日 151人 1989人に1人
2015年12月31日 163人 1843人に1人
2016年3月31日 172人 1746人に1人
2016年6月30日 174人 1726人に1人
というように確実に増加している。過去の公害病や原爆投下後の内部被曝でも原因隠しが行われ、真相が明らかになるまで時間がかかった。チェルノブイリも同じだ。今、福島県でも、全数検査中止の画策が行われている。我々は全力でこれを阻止しなければならない。

以下のリンク参照。

http://www.sting-wl.com/fukushima-children10.html

この世界の片隅に

平凡な市民が戦争という圧倒的な暴力に蹂躙される姿とそれに健気に耐える姿は胸を打つ。

でも,その圧倒的な暴力を呼んだのは,日々の暮らしに追われる市民の沈黙だったのだろう。

「最大の悲劇は、悪人の暴力ではなく、善人の沈黙である」というキング牧師の言葉を思い返す。