青山まさゆきの今を考える > 新着情報 > 怖いのは「血栓症」。軽症者も診断し、治療すべき時がきた

怖いのは「血栓症」。軽症者も診断し、治療すべき時がきた

これまでは、感染者の中で重症化する方が2割と言われ、また医療施設のキャパの問題(対応する病棟が少ないことから軽症者で医療機関が溢れてしまう)やPCR検査自体の危険性(二次感染の恐れ)もあり、軽症者の自宅待機が推奨されてきた。それだけでなく、症状からコロナウイルス感染が疑われる方も、医療機関受診の機会が相当程度症状が継続し、重症化しない限りは受診すらさせてもらえず自宅で様子見するしかなかった。

 

しかし、新たなる事実とそれに関する知見が出てきたことから、この戦略は完全に見直すべき時期に来ている。

 

このところのニュースで警察が自宅や路上などで把握した死亡者の中に感染者が15名も含まれていたことが大きく取り上げられている(時事)。埼玉県でも自宅待機中の方2名が急死したことが伝えられた(NHK)。

これらの報道を受けて、軽症者自宅待機の方針を各自治体が転換し施設での待機に切り替えることを表明しているが、これを疑わしいが受診の機会がなく、感染が未判明の方にも広げていくべき。

 

この突然死の原因が判明し、軽症者にも検査と治療の必要性があるとの知見が得られてきたからだ。

 

それは、アメリカで得られた、コロナウイルスが「血栓症」をもたらすことがあるとの知見(YAHOO!)。少し前に、軽症の子供たちの手足に赤いあざのようなものが見られると伝えられて気になっていたが、さらに知見は進み、死亡した患者の解剖で患者の肺に小さな血栓が広がっているのが確認されたとのこと。ブロードウェイの人気俳優が血栓症を併発して右足を切断したとされていたが、脳梗塞の例も報じられている(CNN)。武漢での発生当初、突然路上で人が倒れる動画がSNSで盛んに流れていたが続報もなく、フェイクだったかと思っていたが、コロナで血栓症が生じて脳塞栓や肺塞栓を起こしたとすれば合点がいく。先のYahooの記事によれば、「すでにニューヨークの一部の病院では、コロナ患者全員に抗血栓薬を処方し始めている」とのこと。

 

当然その治療は日本でも必要であるし、血栓症の兆候を掴むために毎日の血液検査で凝固系の検査をする必要もあり、それには自宅待機では無理だ。

今までは「治療の必要性がない」とのことで自宅待機が正当化されてきたが、今やその前提は崩れた。

 

軽症者も診断し、治療すべき時なのだ。そのためには、医療システムを組み直す必要がある。

以下はそのための提言。

・一般的対策としてはマスクは常時、外出自粛は間欠的にして医療施設のパンクを防ぐ。

・重症者用の設備を臨時に設けて、救急患者のたらい回しを無くす(神奈川県ではすでに整備を進めている)

・軽症者用施設でパルスオキシメーターを常用してもらいSpO2の低下で急変を察知する。また、一日一回は血液検査で凝固系の数値を確認する。

・外来患者は全て感染者と考えて医療者の防御を徹底し、受け入れ排除を改めていく。コロナ肺炎疑い診断に、患者にビニールをまとってもらうなどの二次感染防御の工夫をしたCTを活用する。

 

助かる命を助けるために、やり方を改める時だ。