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命の選択を医師に無理強いさせる前に

普段御高説を垂れる方も、今回のようなケースでは底が割れる。

ドイツのメルケル首相は、感染拡大が見え始めた最初の時点で、正面から高齢者・リスク保持者のために医療システムを維持することこそが最重要である、そのために国民が団結するよう呼びかけた。

その呼びかけとその呼びかけを実現するための並々ならぬ取り組みがあったからこそ、ドイツの死亡率は一桁違い、未だに1%未満。
一方で少数ではあるが、始めの頃の欧米のようにお気楽に、死ぬのは高齢者、医療が限界に達したら若い人を優先するのは仕方なし、などとお気楽に述べる人がいる。
しかし、その選択を行うのはそれを語る貴方ではなく、現場で目の前の患者と向き合う医師。
その選択を迫られる医師の方の精神的重圧は想像を超えるもので、イタリア、スペイン、ニューヨークからは悲鳴のような医療者の声が聞こえてくる。
今の時点で簡単に言い放つのは少しお気楽に過ぎる。人の命は簡単に秤にかけられるというのがそのような方々の本音だとしても。

今の日本にはそんなことを言う前にやるべき努力がいくらでも残されている。