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マスコミのダブルスタンダード

ここにもダブルスタンダード。最近、トランプ勝利で生じているといわれるアメリカの混乱をマスコミは結構熱を入れて報じている。そこでは、移民排除を叫ぶトランプ、ルペンらが、国民の分断をもたらす極右政治家と強い調子で非難されている。

しかし、だ。翻って移民をほとんど受け入れていない日本は、そしてそれを放置している日本の大多数の政治家も、彼らの論調でいえば極右ということになる。この姿を非難しない報道機関も同様だ。自らの姿を顧みることなく、他国の政治家に対する非難ばかりを強めるマスコミの姿勢は、世界から見れば奇異に映っていることだろう。

移民を巡ってこんなことを考えていて、回想したことがある。

まだ駆け出しだった頃、入国管理法違反で捕まったイラン人の方の国選をやった時のこと。

有罪判決後、当然強制送還手続きになるのだが、彼曰く、本国で反体制運動をしていたので送還されれば死刑になる、難民申請して欲しいと。ドイツに連絡すればその証明が出来るというので、手弁当で通訳を頼んで国際電話などし(当時はメールなどなかった)、証明書を送ってもらうなどし、色々手を尽くしましたが難民申請は認められませんでした。ただ、結局彼はカナダあたり経由で第三国に出国できたと記憶しています。その時に、日本はなんて了見の狭い国かと思いましたが、現在もあまり状況は変わっていません。

マスコミは、よその国の政治家を批判する前に(あるいはすると同時に)自国の状況を自問して報道すべきでしょう。