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麻生大臣のG20での発言を高く評価する。

ロイターが、「麻生財務相、消費増税をG20で表明 「成長持続への意志と決意」と報じている。記事によれば「G20での初日の討議終了後に「日本経済の持続的成長に向けた意志と決意の表れとして10月に消費税の引き上げを実施する」と、米ワシントンで記者団に語った。 」とのことだ。

一昨日の財務金融委員会で私は質問の機会を得て、麻生大臣に円の信認を守り、若い世代に過大な負担を押し付けることがないよう、日本の財政を持続可能とするよう財政規律強化への取り組みを強く求めた。

これに対し、麻生財務大臣は財政均衡の必要性について同意され、その決意を述べられた。そして、今日、G20の場でそれを明言された。消費税増税については賛否があり、特に過剰な平準化のための措置については問題もあるが、ポピュリズムに走らない財務大臣としての姿勢と決意表明は、誠に僭越ながら高く評価したい。

消費税増税は社会保障維持のために必要だからこそ3党合意できめられたこと。それに決めたことは守らなければ日本の財政に対する国際的な信頼が失われ、その結果は通貨安となって、国民の生活に逆に大きく跳ね返ってくることになるからだ。

ちなみに、一昨日(4月10日)の財務金融委員会での質疑を要所のみご紹介すると

質問「(要旨)財政を成り立たせるために日銀が新規国債買受やイールドカーブ・コントロールを持続すると、通貨信認喪失が起きないか」

 

○麻生大臣「政府といたしましても、これまで経済の再生とかまた財政健全化の取組というものを、今後ともきちんと維持しないと、税収が少々伸びてきたらぱっと緩めてみたりするような、放漫財政みたいなことになりますと、今御心配されておられましたように、通貨の信認というものの維持が極めて難しいということになり、極端な円安にまで振れてみたり、いろいろな形になりかねぬということをきちんと戒めた上でやっていかねばならぬところだと思っております。」

 

質問「(要旨)少子高齢化で人口オーナス期を迎えている今の日本で、経済成長頼みでプライマリー・バランス達成は困難。プライマリー・バランスが仮に達成されたとしても、現在積み上がった国債をどうやって返すのか。逆に、これは返せないので、残高については返済を諦めて、現在のように国債を発行してジャンプを繰り返す、繰延べ払いを続けるのか。あるいは、第二次大戦の戦費によってGDPの250%にまで膨らんだイギリス国債のように、非常に長い年月をかけて、いつかインフレが生じて通貨価値が落ちて国債の重みが減るまで、ずっと放置するのか。どういうふうにお考えなのか、率直なお考えをお聞かせいただきたい。」

 

○麻生国務大臣 「(要旨)これは御指摘がありましたように、これは公的債務残高がGDPと言われるものの約二倍ということに累積するという、極めて厳しい状況にありますのは御存じのとおりで、~少なくともGDPを過去最高まで伸ばすことをやらせていただきまして、税収も、少なくとも、この7年間で、28兆ぐらい増加させることになりましたし、また、歳出の改革というのもいろいろやらせていただいて、新規国債発行というものは、平成24年度44兆が、32兆ということで、約12兆円減少させるということにもなり、財政健全化に一定の成果を上げてこられたんだということははっきり言えるんだと思っております。

~債務残高というものを今御指摘のように実額で減少させるという御指摘については、これはもう極めて重要なことなのであって、今の厳しい状況を続けていけば、これはGDP比を反転して減少を目指すという意味では、まずはプライマリーバランスの実現化ということが必要なんだと思っておりますが、それが達成された後も、これは引き続き、いわゆる今やっております新経済・財政再生計画のもとで私どもとしては、更に歳入とか歳出とかいろいろな改革を続けていくことだろうと思います。2025年度のプライマリーバランスを、債務残高を達成した後でも、この姿勢を続けて、債務残高の安定的な引下げというものを目指していくという姿勢はきちんと持ち続けておかねばならぬところだと思って、これが簡単にできるか、それは簡単にできるはずがありませんので、長いことかけてこうなってきましたので、長いことかけてまたやっていかないかぬということが基本だろうと思っておりますが、簡単に、あれをやったらぱっとできるというような種類のものではない、それだけははっきりしていると思います。」

というものであった。

黒田日銀総裁とのやり取りについてはまたご紹介するが、これはロイターの別の記事「当面、現在の大幅な金融緩和政策を続けることは確か=黒田日銀総裁」で取り上げられた。