戦略を大転換すべき。ロックダウンは段階的に解除し医療体制作りに可能な限りの投資を

神戸市立病院が外来患者1000人に抗体検査を行ったところ、感染後日数が経過してから検出されるIgG抗体が3%の方から検出されたという(共同)。少し前に慶応病院が入院予定患者にPCR検査を行ったときの結果は6%(NHK)。

  この数字をみると、日本も大都市圏では、無症候者によるサイレント感染が相当程度進んでいることが窺われる。ちなみにNY市では21%(Bloomberg)。

 

  一方で、現在の緊急事態宣言・ロックダウンに伴う経済的影響は中小事業者に対して深刻な影響を与えているのに対し、政府の対応-実際に国民の手元に届く時期-は遅く、かつ1回限り。イギリスやドイツのように少なくとも3ヶ月は十分に補償します、というような内容にはなっていない。

 しかし、これはこのまま続くやり方ではない。厳にもっとも懸念されていた経済による死亡と考えられる報道もあった(NHK)。

 

  最初に挙げた数字をみると、大都市ではクラスター対策はすでに有名無実。また、感染を根絶やしにはできないであろうことも示唆される。残念ながらこのウイルスとは、インフルエンザと同じく今後共存していく道を探るべき時期が来ている。

  今後も緊急事態宣言やそれに伴う広範な外出制限を続けて莫大な休業補償をするか、あるいは補償をしないまま中小事業者を中心として経済を根絶やしにするようなことを続けることをどこまでやるのか。

 

  それよりは、十分すぎるほどのコストをかけてでも、重症者・中症者・軽症者別に医療体制を整備した方がよほど社会的コストは低いものになるだろう。無症候感染者を含めれば死亡率は1%を切るという現実も見つめて、このコロナとの戦いの戦略を大転換すべき時期が来ている。 

 

・重症者病棟整備と整備した病院に対する思い切った奨励金を(名古屋市は患者一人200~400万円)

・中等症者に対するコロナ専門病院

・軽症者用宿泊設備の拡充

・疑い患者が気兼ねなく受診できる感染外来やオンライン診療とこれとセットとなるCT,PCR検査態勢の拡充

 

 今のように、1日における感染者や死者が100人・10人単位の日本でできないはずはないし、その単位のうちに整備を進めるべき。

桁違いに社会的コストは軽減されるであろうし、総体的に国民の幸福度は上がるだろう。

加藤厚労大臣の許しがたい無責任答弁

国民の多くが不安に思っているのは、新型コロナウイルスの感染か?と気になる症状が出てもなかなか医療機関を受診できないこと。

 

 この問題について4月29日の参院予算委員会で加藤厚労大臣がきわめて無責任な答弁を行った。蓮舫議員のPCR検査に絡めての質問に対するものだ。以下まずはやり取りを紹介する(以下敬称略)。

 

蓮舫

〜都内の単身赴任用の社員寮で急死。発熱後も保健所に電話がつながらなかった。検査を受けられたのは発熱から6日後。そして検査結果が出たのは亡くなった後だっていう報道があるんです。今の検査体制だと、救えない命あるじゃないですか。

著名な芸能人も自宅待機の間に重症化して、病院に行って亡くなるとか、〜

熱が37.5度以上4日以上続く、呼吸困難、強いだるさ。もうどんどん症例は変わってきてるんだから、総理、この検査を受ける要件、緩和してください。

加藤

これは別に検査を受ける要件ではなくて、受診の診療の目安ということでありまして、これについては37.5度を4日、というのは要するに、そこ以上を超えるんだったら必ず受診をしていただきたい、そういうことで出させていただきました。〜

蓮舫

誤解をしたのは保健所とか国民が悪いんですか?政府がずっと説明してきたじゃないですか。〜だから電話相談したら、あなたは典型例には合わない、まだもっと家にいてくれ。その症状だとこの外来につなげませんと断られているんですよ。誤解じゃないでしょう。〜

加藤

ですからそこはそうした、異なるというか一律な対応をするということに対しては、そこは弾力的に対応していただきたい。それから倦怠感があれば、37.5度の熱が4日間続こうが、続かなくてもそれはすぐかかっていただきたい。あるいはそういう対応があれば、まずかかっていただきたい。連絡をとっていただきたい。そして相談支援センターにおいては、そうした連絡があれば外来のほうにつなげていただく。〜

 

 皆さんはこの答弁を聞いてどのような感想を持たれるであろうか。

 私は正直怒りがこみ上げた。今の政府の最大の欠点である、責任回避のためにその場しのぎの答弁を行うという悪癖がここでも露呈したからである。しかも、国民の命が損なわれているというのに。

 コロナ感染が疑われる症状が出た方がどれほど医療機関に繋がることが大変なのか、現実に経験された方や知人・友人からお聞きになったことがある方も多いだろう。熱があろうが咳が出ようが、帰国者・濃厚接触者外来やPCR検査に繋がれることはまずない。そして、自宅で症状が悪化するまで待機を指示され、病院・医院には絶対行かないでくださいね、と念押しされる。それが医師の資格を持つわけでもない保健所職員の対応だ。

 今までは、

 

軽症(とにかく自宅待機)→肺炎を疑われる症状(重症化)→入院・酸素投与or人工呼吸and PCR

 

という流れであり、どのみち重症化するまでは治療方法もないこと、そして、医療機関のキャパオーバーや無防備な外来での二次感染の広がりを防ぐためにはひたすら自宅待機もやむを得ないという、現実的な要請に伴う非常措置が、政府の打ち出した「とにかく自宅待機」政策であった。

 しかし、これは感染が疑われる国民に無理を強いる非人道的な非常措置であったことは間違いない。そしてこの非常措置により、現に救えたかもしれない国民の命が複数犠牲になっている。

 

 その事態について問われた今回の厚労大臣の答弁が「受診の診療の目安ということでありまして」「37.5度を4日、というのは要するに、そこ以上を超えるんだったら必ず受診をしていただきたい」とだったのだ。

 

 これでは亡くなられた方がうかばれない。私は政府が当初とっていた対応策が間違いであったというつもりはない。感染症外来が整備されておらず、重症者用病棟、感染者用病棟のいずれも不足している日本の医療の現状を前提にすれば緊急対応策としてはやむを得なかったものであったと考えている。

 しかし、だ。その犠牲になった方に対して、「あなたたちの勘違いだった。さっさと病院に行ってくれればよかったのに。政府はそう勧めて来ましたよ。」といわんばかりのあの答弁はさすがにないだろう。

 

 おそらくは訴訟までも意識した官僚作成の原稿をそのまま読んだのだろうが、大臣としてあまりに情けない。国民の苦労や犠牲に報いようという気持ちが微塵も感じられない。

 なすべきであったのは、国民に対して我慢を強いたことを詫びること、亡くなられた方に「医療システム維持」という優先課題の犠牲にしてしまったことを謝罪することであった。

 

 今回のコロナウイルスパンデミックに関する総理と並ぶ責任者の加藤厚労大臣は、今までできる限りのことをされていたと評価していたが、今回の答弁は、それまでの努力をすべてかき消すほどの残念なものであった。

 今後は、亡くなられた方々へのせめてもの罪滅ぼしとして、急変による死者を一人も出さないというくらいの強い意気込みで、軽症者から遠慮なく受診できる体制の整備に力を注いでもらいたい。先に「血栓に注目!軽症者から治療を。そのために医療体制をコロナ・シフトに」で提言させたいただいたが、再掲させていただく。

 

・コロナを疑わせる症状のある患者専用の感染症外来を各都道府県に最低1つ、大都市では複数に設ける。

・上記専門外来だけで賄えない需要を満たすため、コロナ専門オンライン診療施設を早急に拡充し、国がシステム導入のノウハウや費用を支援する。

・オンライン診療と、東京で医師会が設置したような「PCRセンター」や、「血液検査センター」、「CTセンター」を設け、二次感染防止と早期診断・治療を両立させる。

・PCR検査には偽陰性の問題もあるため、PCR検査を経ない疑い診断(味覚・嗅覚障害、コロナのつま先、発熱や咳などの症状を組み合わせた臨床判断)でのパルス・オキシメーターの装着(指先に小さい機械を挟むだけ)や、抗血栓薬の予防処方を行う

 

 加藤厚労大臣の答弁は、責任逃れのための口先だけの机上の空論のようなもの。答弁内容を現実的なものとするためには、上記の整備が必要だ。

 コロナ感染の症状が現れた国民が本当に気兼ねなく受診できるようにするのが政治の責任だろう。

血栓に注目! 軽症者から治療を。そのために医療体制をコロナ・シフトに。

コロナ感染と血栓。PCR検査や、アビガン・レムデシビルなどの新薬にマスコミや一般の注目は集まりがちだが、患者を助けるためにより重要なことは、むしろ「コロナ感染が血栓を呼ぶ」ことに関する医学的知見が集まり始めたことだ。

 

 今回のコロナウイルス・パンデミックは、初期と現在では様相が違う。疫学系の医学者の方との意見交換や感染が蔓延している諸外国の情報をまとめると、以下のとおり。

 

・初期はおそらく静かな病態のS型が東アジアでサイレント感染を広げ、より激しいL型が武漢を中心に猛威を振るい、いったん収束した後、欧米で新しい遺伝子タイプのコロナウイルスが広がった。それが日本に上陸して3月中下旬からの急速な感染拡大を招いている。

 

・一方で、特にその欧米型のコロナ感染で問題とみられるのが「血栓」を生成すること。

「COVID toes(コロナのつま先)」と言われるつま先や手指に赤や紫の変色がみられることはかなり前から欧米のメディアが伝えていたが、このところコロナ感染者が血栓症で足を切断したり、若い人が脳梗塞を起こすという報道が相次いでいる(FNNAFP)。

 

・ここで思い起こされるのが、ニューヨークでは人工呼吸器に繋がれた患者の90%近くが死亡しているという事実(Newsweek)。ニューヨークでは人工呼吸器に害があるので酸素投与だけにすべきという議論がなされていて気になっていた(YAHOO)。これも呼吸状態の悪化が肺血管が微少血栓により塞栓したことによりもらされたものだとすれば、人工呼吸器が無効というのもうなずけることになる。

 

 日本でも突然死や急激な悪化が問題になりつつあるが、この「血栓」に対する対応は是非とも必要である(本日の参院予算委員会で、国民民主党の森議員が関連質問を行い、加藤厚労大臣が具体名は述べなかったがマーカーの測定に言及した。質問者も答弁者も待機場所にじっとしていることにより二次的に生じるエコノミークラス症候群のような合併症と捉えて(というか混同?)いたような節はあるが、国内の治療機関も政府も注目し始めているのだろう)。

そして、その対応はそんなに難しいものではない。

・この答弁にあるマーカーがDダイマーを指すのだとすればそのとおりで、血栓の兆候をダイレクトにつかむのに必要なのは凝固系に関する血液検査(Dダイマーなど)。

・症状面からつかむとすれば、呼吸状態の悪化を簡単に把握できるパルス・オキシメーターの装着。

(どちらも実施が簡単であまり費用もかからないから、感染が疑われるのであればできるだけ早期から検査や装着を始めるのが望ましい。)

・また、血栓を予防するには、ワーファリンの内服やヘパリン点滴などの薬物治療を行えばよいが、これも安価で一般的な治療でどこの施設でも簡単に可能(もちろん易出血性の持病がある方などには注意が必要)なもの。

 

 以上により、今までの医療面でのコロナウイルス感染症対策は根本的に改める必要がある。仮に今まで見落とされてきた血栓生成が、欧米タイプのコロナウイルスの病態の悪質性の本質とすれば、これに対する治療と検査を充実させることが全体の成績を上げ、医療機関の負担を軽減させて医療システムの維持につながるからだ。

 そして今、日本で感染拡大し始めているのも従来のS,L型ではなく、欧米タイプであることは国立感染症研究所の調査でもわかっていることだからだ(TBS)。

(なお、仮に以上の知見が誤りであったとしても、初期段階での治療拒否はいつまでも続けられるやり方ではない。今回のコロナウイルスとは今後も末永く付き合っていくしかないからだ。)

 

 まず改めるべきは、「4日間の自宅待機」。

この4日間の待機中に血栓が生じ、急な転機となって死亡したと考えられる事例も相次いでいる。よって、治療法がないので取りあえずは自宅待機とした今までのやり方は、もう意味も説得力もなくなったというのが現状なのだ。

 

 では、どのように医療体制をシフトし、4日間の待機などをなくして軽症者からの治療を可能とさせるか。ただしここでは、医療機関での医療者や疑い患者同士の二次感染防止ということは考えなければいけない点として残っている。また、特に重症者の医療施設のパンクや一般病院での院内感染はなんとかしなければならない。

 しかし、逆にいえば、こられの点をクリアすることができるように医療体制をシフトし、医療システムさえ維持できればこのコロナウイルスとの戦いが中長期化しても社会は維持できる。無症候感染者を含めれば死亡率は感染者の0.5%以下というのがニューヨークの抗体検査から導かれているからだ。

 

 以下、上記の観点を踏まえた「コロナ・シフト」についての提言をさせていただく。

(血栓に加える知見として、アビガンやレムデシビルなどの有効性が確認されそうであるし、

また、CTによって特徴的な所見が得られることは既に日本の医療界でも浸透した知見となっていることも前提とする)

 

・コロナを疑わせる症状のある患者専用の感染症外来を各都道府県に最低1つ、大都市では複数に設ける。

・上記専門外来だけで賄えない需要を満たすため、コロナ専門オンライン診療施設を早急に拡充し、国がシステム導入のノウハウや費用を支援する。

・オンライン診療と、東京で医師会が設置したような「PCRセンター」や、「血液検査センター」、「CTセンター」を設け、二次感染防止と早期診断・治療を両立させる。

・PCR検査には偽陰性の問題もあるため、PCR検査を経ない疑い診断(味覚・嗅覚障害、コロナのつま先、発熱や咳などの症状を組み合わせた臨床判断)でのパルス・オキシメーターの装着(指先に小さい機械を挟むだけ)や、抗血栓薬の予防処方を行う

 

 書いてみれば、たったのこれだけである。国民の不安やコロナとの戦いに勝利するために必要だ、とのやる気さえあれば多少の困難があっても克服できるものであろう。

 

 そして、これこそがコロナとの戦いに希望を持たせ、社会が通常に戻る一番の早道なのではないか。

 果てしない外出自粛や休業補償などと比べれば、どちらがコストがかかならいのか、誰の目にも明らかだろう。そしてコストなどよりももっと大切なこととして、国民の安全と安心に寄与することは間違いない。

 

日銀、財政ファイナンスを正面から打ち出す

昨日の財務金融委員会で、野田前総理が重要な指摘をした。

4月27日に開催された日銀の金融政策決定会合の決定内容にある「国債のさらなる積極的な買い入れ」に関する説明の文言に「政府の緊急経済対策により国債発行が増加するのことの影響も踏まえ、〜、当面、長期国債、短期国債ともに、さらに積極的な買入を行う」とある。これは、ついに日銀が財政ファイナンスを正面から認めたことに他ならない、と。

 

まさにその通りで、今回の緊急経済対策の補正予算の歳出は約26兆円。その全てが赤字国債によって賄われる。通常であれば考えられないところであるが、今はまさに非常事態。「大恐慌」に匹敵する異常な危機に対するのであるから、それもやむを得ないところだ。

 

普段であれば、このようなやり方をすれば通貨への信任が揺らぎ通貨安ひいては円安インフレを招きかねないが、今回の事態は世界的なパンデミック。世界中どこの国も同じような財政政策をとり、あのドイツでさえ国債を発行して凌いでいる。アメリカに至っては、前年予算の4倍の赤字額が見込まれ、その額はなんと4兆ドル!に上る見込み。財政赤字のピークであった第二次世界大戦に匹敵するとのこと(日経)。

そんな中での赤字国債発行なので、相対的に円のみに信用不安が起こることは考えにくく、麻生財務大臣も答弁で述べていたが、円ドルレートは107円に貼り付いている。

 

問題はその後。

今回も、役回りとして抑え役に立たざるを得ない財務省や麻生財務大臣に批判が相次いでいる。健全財政に対する批判が欧米では考えられないほど強い我が国の近未来が心配だ。

緊急対策として大胆な措置をとることは当然として、将来、危機を乗り越えた時もそれを続けて良いと言うものではないことだけは、特に政治家は念頭に置くべき。

 

バラマキや負担減のアピールは、「なんでも反対」「オイシイとこ取り」さえしていれば良く、政権奪取など念頭になかった55年体制なら許されたが、小選挙区制では風が吹けばいきなり山が動く。山本太郎氏が一時ブームを呼んだように、今後そのような勢力が政権を取れば中南米の悪夢が現実化する。

 

野田前総理が、「高橋是清はケインズに先駆けた積極財政で大恐慌を乗り切ったが、その後健全財政に命をかけて全力を尽くし、現実に命を奪われた。」との趣旨の発言で麻生財務大臣に覚悟を求めた。

その暗い歴史は再現してもらいたくないが、日本の未来にとって、麻生財務大臣の覚悟が何よりも必要となる時がやがて来るだろう。

 

PCR検査万能は偏った見方。新しい知見を元に医療体制をシフトし、国民の負担に応える時。

ドイツでは、外出制限が緩和され、その代わり公共施設や店内でマスク着用(布でもスカーフでもよいらしい)が義務化。違反者には罰金も科されるとのこと。CDCといい、少なくとも飛沫感染拡大防止にマスクが効果があるとの見方が欧米でも広がっているよう。

日本では、義務化されなくともかなりの着用率だが、アベノマスクと揶揄された布マスク配布も始まって、さらに着用率は広がるだろう。その効果に期待したい。

 

さて、新型コロナウイルスに関する知見と対応は、マスクに対する医学的評価と同様時々刻々変わっていく。

 

最近の大きな変化といえば、無作為検査でコロナウイルスのサイレント感染が広がっているというもの。ニューヨーク市の抗体検査では21%!もの高率で市民に感染歴があったと推定されるし、慶応大学病院のコロナ以外の入院患者へのPCR検査でも6%の感染が確認されている。

 

つまり、市中にはすでに多くの感染者がいる状態という事実がはっきりしてきた。

 

もう一つの知見は、PCR検査がなくとも臨床診断しうる材料が揃ってきていることと、肺炎だけでなく血栓生成による重篤な合併症が起こり得ることがわかってきたこと。

 

CT所見で、他の原因による肺炎とは全く異なる所見が得られることは医師の方たちの間で共通した認識となっており、中国では流行時にCT所見によって臨床診断をしたと伝えられている。

また、欧米の知見として、肺炎発症前の軽症段階でも、味覚・嗅覚障害や、足先などに「コロナの爪先」と言われる赤紫の皮膚症状が出ることがあることもわかってきた。

さらに重要な問題として、血栓症を併発する患者があることで、アメリカでは脳梗塞の発症例が幾つも報告されているし、血栓が大血管を梗塞し心破裂にいたった症例まであるようだ(YAHOO

 

こういった知見にあわせて、我が国の医療的対応もそろそろ見直すべき時期に来ているのでは?

今までは、諸事情から、罹患が疑われる患者の方に−つまりは国民に−がまんを強いて来た。発熱や咳などの症状があっても4日間は診療すら自粛を強いられ自宅待機。その後もスムーズな受診などできないことは、多くの方が経験しているところ。

なぜそうなっているのか?その本音のところは、医療機関のパンクを恐れたからであり、また、医療機関での患者や医療者への二次感染を恐れたからだ。

埼玉市で保健所長がその本音を語り「厳し目にやっていた」と発言したことを市長が注意したなどということがあったが、あまりに日本的な風景であった。

 

当初は、医療機関に患者が殺到し、おそらくはそこでの感染が多発した武漢の二の舞にならないように、という意識が政府にも医療機関にも強かったのであろう。感染症外来が未整備という事情もあって、感染者について受診制限をすることを政府も医療機関も謀ったののだ。

同時に軽症者には特に治療すべき方法もなく、やることがあったとすれば確定診断のためのPCR検査だけだが、これは検査のキャパが限られている上に(横浜市のような大都市でさえ、1日に可能な検査数は4月上旬で30〜40件だったという)検体採取時に医療者に二次感染の可能性もあることから、自ずと制限せざるを得ない、という事情があった。

 

また、軽症者で数が極めて限られている感染症病棟が埋まってしまえば肝心の重症例への治療に支障が出る、という心配もされた。

 

しかし、以上の状況は現在かなり変わってきた。以下列挙すれば

・PCR検査を行わなくとも「疑い診断」をなしうる臨床症状(味覚・嗅覚障害、長引く症状、CT所見)が理解されるようになってきた。

・軽症者用隔離施設が病院外に整備され、軽症・中症者への収容能力が増してきた

・血栓症や急激な悪化による死亡例など、早期に医療の管理下に置く必要な事例の報告が増えた

・オンライン診療で医療機関における二次感染を心配しなくても良い診療方法が解禁された

・東京都などで、PCR検査センターを設けたり、自治体がドライブスルーなどのPCR検査施設を整備し始めた

・血栓症や急激な肺炎悪化の症例報告から、軽症者においても血液検査やSPO2の測定が必要となった

 

これらの状況の変化を踏まえ、かつこのコロナウイルスとの戦いが長期化することを考えれば、これまで国民に強いてきた我慢を、医療体制の整備という形で解消すべき時が来ている。

 

CTを臨床診断に活用するだけでもPCR検査の数十倍、数百倍の処理が可能となる。立憲民主党の枝野代表が今日の予算委員会でまだPCR検査に拘っていたが、臨床の実際を知らない古い考え方だ。

前記した新しい知見に基づけば、これまでのような発熱4日間のような縛りやPCR検査頼みの古い考え方はアップグレードすべき時期。

 

少なくとも各市町村に1カ所以上設けた診療所やオンライン診療で、臨床診断(臨床診断基準の整備が望まれる)や医師の指示によるPCR検査あるいはCT検査によって、症状のある感染疑い者に対し、新型コロナウイルス感染症診断(臨床診断含む)を行なって、軽症者も安心できる医療体制を整備する時。

 

安倍総理が言うようにこの戦いが「長期戦を覚悟する必要」があるとすれば、医療体制をシフトさせ、国民の安心と医療システムの維持の両立に舵を切る時が来ていることは明らかだ。

 

日本は上手くやっている

静岡県4区衆院補選の結果が出た。維新の会を除く野党が一致して共闘したが、予想通り堅実に与党が勝利をおさめた。この結果について「出遅れ」「しこり」などと報道されているが、実際は違うだろう。立民・国民・共産などの連合や労組・市民グループを基盤とする野党(以下単に野党と言った時はこの範疇)が完全に時代遅れになっている結果の現れだ。

 

例えば、現在の国難ともいえるコロナウイルスパンデミック危機。これに対する野党やSNSの野党支持層の反応を見ると、何をやっても政権与党批判。政策についてきちんと吟味をせず、目についたことだけを口を極めて罵声を浴びせる。

しかし、実際の状況は異なっている。

アメリカ、スペイン、イタリアのような感染爆発には至っていないし、全てがカウントされていないとしても欧米に比べれば圧倒的に少ない死者数。結構上手く切り抜けているというのが現実の姿。

 

日本社会の困難な層においても、この非常事態にあってさえ野党や市民勢力が「切り捨て」と大合唱しているような現状にはない。

 

一方、BBCのレポートは世界で最も豊かなはずのアメリカにおける悲惨な底辺層の様子を伝えている。アメリカでは料金未払いの世帯が容易に水道を止められ、そういった家庭では学校や職場で用を足して過ごし、シャワーの代わりに近所でもらい水をして体を拭いて過ごしている。ところが、学校休校や外出制限で外で用を足すこともできなくなって、汚物はゴミ箱に捨てるしかなく、家の中に悪臭が家に立ち込めているという。もらい水で体を拭く途も閉ざされた。

そして水道料金が払えない人は8%にも達するという。

 

もちろん全てに完璧などあるはずもなく、コロナ対策でも官僚主義的な日本らしい取りこぼしも散在するが正当な批判に応えて改善されている。

例えば海外からの入国者・帰国者の検疫措置としての待機が入国者・帰国者任せで彼らに多大な負担を負わせているという明らかな不都合があった。私も国会でこの問題を指摘してきたが、現在は改善され待機用のホテルが用意された。

制限が厳しすぎて国民の分断を生むことが懸念された1世帯30万円給付案も、制限なしの国民1人あたり10万円給付を維新の会が先頭を切るように政府に提言し、その後国民の圧倒的な声もあって30万円給付は撤回され10万円給付が現実化した。

 

総じて日本の現状は決して悪いと私は思っていない。

高度経済成長によっていかに日本が豊かになったか、汲み取りトイレや未舗装道路が当たり前だった時代に幼少期を過ごしてきた私のような世代の人間は肌で感じているところだろう。平均的に見て、かなりの世帯が先進国にふさわしい清潔な暮らしを享受している。今回のような非常時にも国や自治体の施策がきちんとカバーに努め、少し遅くなる時もあるがやがて行き届く。10%となって批判轟々の消費税でさえEUの20%前後の半分だ。

 

こうした現実を冷静に評価した時、日本の今の在り方についてはむしろ好意的な評価こそがふさわしいと考えているのは私だけではないだろう。

それが現政権の支持率が一定の波はあっても高止まりしている真の原因であろう。もちろん、全ての人が困っていないなどというつもりもないが、一部の事実だけを取り上げてそこを全否定しても国民の共感は得られない。それはそれとして改善していけば良いのだ。

だから、政治的競争のあり方も、全否定から是々非々に、相手の息の根を止めるような競争ではなくより良い未来を目指した民主主義における競争に、変化は必須だ。

 

国民民主の玉木代表はそのことを意識されているようだが、既得権益のもう一方の代表のような連合に縛られていてはその発言に力はない。立民はコアではあるが頑な一部の声しか聞こえていないように見える。共産党はやはり共産党。

そんな中、維新の会はどこにも縛られず、その最先端を行っている。そこに世間も如実に反応し、支持率上昇という答えが出てきている。

私個人としても、これからも是々非々の立場で今の困難な時を乗り切る一助となれるよう、全力を尽くしたい。

怖いのは「血栓症」。軽症者も診断し、治療すべき時がきた

これまでは、感染者の中で重症化する方が2割と言われ、また医療施設のキャパの問題(対応する病棟が少ないことから軽症者で医療機関が溢れてしまう)やPCR検査自体の危険性(二次感染の恐れ)もあり、軽症者の自宅待機が推奨されてきた。それだけでなく、症状からコロナウイルス感染が疑われる方も、医療機関受診の機会が相当程度症状が継続し、重症化しない限りは受診すらさせてもらえず自宅で様子見するしかなかった。

 

しかし、新たなる事実とそれに関する知見が出てきたことから、この戦略は完全に見直すべき時期に来ている。

 

このところのニュースで警察が自宅や路上などで把握した死亡者の中に感染者が15名も含まれていたことが大きく取り上げられている(時事)。埼玉県でも自宅待機中の方2名が急死したことが伝えられた(NHK)。

これらの報道を受けて、軽症者自宅待機の方針を各自治体が転換し施設での待機に切り替えることを表明しているが、これを疑わしいが受診の機会がなく、感染が未判明の方にも広げていくべき。

 

この突然死の原因が判明し、軽症者にも検査と治療の必要性があるとの知見が得られてきたからだ。

 

それは、アメリカで得られた、コロナウイルスが「血栓症」をもたらすことがあるとの知見(YAHOO!)。少し前に、軽症の子供たちの手足に赤いあざのようなものが見られると伝えられて気になっていたが、さらに知見は進み、死亡した患者の解剖で患者の肺に小さな血栓が広がっているのが確認されたとのこと。ブロードウェイの人気俳優が血栓症を併発して右足を切断したとされていたが、脳梗塞の例も報じられている(CNN)。武漢での発生当初、突然路上で人が倒れる動画がSNSで盛んに流れていたが続報もなく、フェイクだったかと思っていたが、コロナで血栓症が生じて脳塞栓や肺塞栓を起こしたとすれば合点がいく。先のYahooの記事によれば、「すでにニューヨークの一部の病院では、コロナ患者全員に抗血栓薬を処方し始めている」とのこと。

 

当然その治療は日本でも必要であるし、血栓症の兆候を掴むために毎日の血液検査で凝固系の検査をする必要もあり、それには自宅待機では無理だ。

今までは「治療の必要性がない」とのことで自宅待機が正当化されてきたが、今やその前提は崩れた。

 

軽症者も診断し、治療すべき時なのだ。そのためには、医療システムを組み直す必要がある。

以下はそのための提言。

・一般的対策としてはマスクは常時、外出自粛は間欠的にして医療施設のパンクを防ぐ。

・重症者用の設備を臨時に設けて、救急患者のたらい回しを無くす(神奈川県ではすでに整備を進めている)

・軽症者用施設でパルスオキシメーターを常用してもらいSpO2の低下で急変を察知する。また、一日一回は血液検査で凝固系の数値を確認する。

・外来患者は全て感染者と考えて医療者の防御を徹底し、受け入れ排除を改めていく。コロナ肺炎疑い診断に、患者にビニールをまとってもらうなどの二次感染防御の工夫をしたCTを活用する。

 

助かる命を助けるために、やり方を改める時だ。

エビデンスがある以上最悪にも備えを。内陸直下型大地震が今起きたら。

長野県で地震が相次ぎ心配されている方も多いのでは。念のため、信頼のおける地質学者の方がずっと懸念を示しておられることについて、現在の日本の災害対策の弱点を絡めて指摘しておく。

 

それは首都圏での内陸直下型地震の発生について。

千葉近辺で地震が起き始めてから約2年。首都東京を台風の目のような空白地とし、その周辺をぐるりと回るようにして地震が発生してきた。GPSデータによる地表の動きから推察される地殻変動もそれに即したもの。残された北関東山地(秩父から昇仙峡あたり)で地震が発生すると、次は空白地である東京において内陸直下型大地震が起こる可能性があり、その時期は6ヶ月〜1年以内とも考えられるとのこと。

 

 

 

これは予言ではなく、あくまで科学的根拠に基づく予測。したがって時期的にピンポイントで発生時まで特定することはできないが、備えを想定しておくこと、そして強化しておくことはできる。

 

ドイツが今回のコロナ肺炎に、余裕を持って対処できているのは、8年も前にこのような感染症が起こりうるとのレポートが政府の研究所より出され、それへの対応策が練られ準備されてきたから(日経ビジネス)。

こんな時期ではあるが、予測が現実化した時不意打ちとなってしまってはどうしようもない。また、知っていたならなぜそれについて告知なり対策なりを呼び掛けなかったとも言われよう。

そもそも、関東地方に周期性の大地震が訪れているのは歴史上の事実。そして、過去のプレート境界型地震間の関連について次のような指摘もある。

869年におきた貞観地震は東北の太平洋沖合で起きたM8クラスの巨大地震。沿岸に大津波が押し寄せたことなども含め2011年の東日本大震災に類似しているが、その9年後に現在の関東南部に元慶関東地震(=「相模・武蔵地震」)が発生している(NHK「災害列島」)。

 

少なくとも政府は今回のこの時期に巨大地震が重なった場合についての対処法は検討しておくべき。

特に問題となるのは、日本の避難所における社会的距離の不足。体育館で間仕切りもなくごろ寝を強いられるというのが日本のスタイル。これでは、避難所での感染拡大は避けようがない。一方で、イタリアなどの例を見ると、各家族ごとにテントが配布されるなど、社会的距離(Social  Distancing)が確保されている(Diamond Online))。

各省庁とも手一杯ではあろうが、この事態だからこそ、最悪に最悪が重なることまで想定して備えておく必要がある。やっておくに越したことはないのだから。

感染拡大とコロナとの中長期的戦いを前提とした医療体制整備を

NY州で外出した人を対象にした無作為抽出抗体検査で14%が陽性とのニュースがあった(Newsweek)。ニューヨーク市に限れば21%の高率(CNN)。

陽性反応とするための数値設定が正しかったかなどの問題も残るが、一定の正確性があるとすれば、無症状感染者や軽症感染者がいかに多いかを示す事実。そして死亡率も格段に下がる(報道では0.5%とインフルエンザ並み)。

 

ある医学者の方が言われていた日本を含む東アジアで欧米のような爆発的な感染拡大が起きていないのは、東アジアでは既に昨年末頃より起きていた軽症タイプ(S型)のサイレント感染が起きていて、武漢で感染拡大が騒がれた時にも渡航禁止としなかったことが塞翁が馬となり、ある程度の集団免疫が獲得されていた可能性があるからだ、との説を一定程度裏付けることになるかもしれない。

 

いずれにしろこれほどのサイレント感染者がいることを前提とすれば、特に東京など感染者が多いところは、クラスター対策に傾注することはほどほどにしていかにこれを捌いていくかに全力をあげることに切り替えていくことを対策の主眼として検討し直すべきだろう。

具体的には

・一般的対策としてはマスクは常時、外出自粛は間欠的に行って医療施設のパンクを防ぐ。

・アメリカやフランス、武官のように重症者用の設備を臨時に設けて重症者医療のキャパオーバーを緩和し、救急患者のたらい回しや自宅待機死を防ぐ。

・軽症者用施設収容者や自宅待機者にパルスオキシメーターを常用してもらい、SpO2の低下をモニター(遠隔監視可能)することで急変を察知する。

・外来患者は全て感染者と考えて医療者の防御を徹底し、受け入れ排除を改めていく。コロナ肺炎疑い患者にビニールをまとってもらうなどの二次感染防御の工夫をした上でCTを活用し、コロナ肺炎疑い診断に活用する。

 

 

有効なワクチンや治療法(最も有望とされていたレムデシビルについて残念ながら知見失敗見込みとの報道があった(Newsweek))が開発されるまでにはまだ時間がかかりそうな現在、中長期的にコロナウイルスと付き合っていくシステムを考えるべき時期が来ていると思われる。

 

なお、最も患者数が多いアメリカで血栓症を引き起こすのが一つの特徴で、かつ突然死の原因とも言われ始めているので(Yahoo)、突然死が報告され始めた日本においても、診断に活用すると共に抗血栓療法を考慮されるよう付言しておく。

学生たちに救いの手を

春になり、新学期が始まったが多くの学校で授業が始まっていない。

そして大学生や専門学校生が今、厳しい状況に置かれている。
親元を離れた一人暮らしで家賃がかかる。
殆どの学生はバイトで生活を支えているが、飲食店を中心に休業が広まりバイトもできない。
肝心の授業も行われない。
ところが学費は納めなければならない。

こういった状況に置かれて、大学をやめようとまで考えている学生が13人に1人もいるとのこと(共同)。 自分がその立場であったらと思うとゾッとする。
こうした中、社会的基盤が薄く声を上げにくい彼らを支援することは政治の役割。
そういった思いで、日本維新の会・無所属の会の衆議院議員串田誠一議員が、今日、国会で手作りのビラを各議員に配って支援の声を上げた。

 

その内容は、弁護士出身議員らしく、法的根拠を示したユニークなもの。
大学などと学生の間の関係は、民法上の双務契約。学校側が授業を行うこと(学校側の債務)に対して、学生が学費を払う(学生の債務)という法的関係にある。今回、学校側の債務である授業の提供がなされないのであれば、本来学生側は学費を払う必要がなくなる。仮にその理由が天災に類似したもの(パンデミックや自粛要請)であったとしても、危険負担における債務者主義という民法上の原則によりやはり同じ結論になる(新法だと少し込み入るが今の学生たちは時期の関係で普通は旧法が適用される)。

学生側には集団訴訟などの手段もあるが、それでは時間がかかってしまい救済の実が上がらない。そこで政治的解決が必要となるが、実は東日本大震災の際は文科省が各大学に減免措置を依頼している。
今回も、学生には授業中止の度合いに合わせた授業料減免措置を行い、国が各大学などの学校側にその程度に応じた補助金を出すという形をとることが現実的な解決策。
私も、串田議員と共に政府に対して強く声を上げて行き、未来の宝を守っていきたい。