実はグダグタな東京都のコロナ対策

東京都の小池都知事が、新規感染者が47人に増えたと発表した。

数字自体は驚くようなものではないが、驚いたのはその中身(報知)。

検査数を増やせば感染者数も増えるのは当然だが、

「今まで調査に非協力的だった事業者が検査に応じている」として、市中感染が広がっている状態ではないとの見解を示した。」

という言い分にはビックリ‼️

日本の対策の柱はクラスター潰しではなかったのか?「夜の街」とやらではやっておらず、病院や介護施設だけやり玉に上げていたのか?

東京都のコロナ対策は「東京アラート」だの何だの言葉ばかりが先行して少しも中身が伴っていない。

軽症者の診療拒否は改善されず、重症者や救急患者はたらい回し。

陽性率算定の基礎となる統計数字もいい加減。分母となるPCR検査総数には民間実施の検査が含まれておらず、分子の陽性者には含まれるという謎の集計。

東京都が悪いのか厚労省が悪いのかは定かではないが、診療拒否の挙句に20代で亡くなられた勝武士関の死は、厚労省のデータに反映されていない。

ロックダウンだの、アラートだの、掛け声やパフォーマンスだけ立派でも都民は守れないことははっきりしている。

日本に関するFACT CHECK

知人より日本の貧困と消費税についてお尋ねをいただいた。

消費税が貧困や格差を助長しているのではないか?との内容だ。そこで、やりとりをさせていただいたのだが、折角なのでここで紹介させていただく。

 

まずはFACTをチェックしてみてください。日本の貧困問題、本当に拡大していますか?野党やマスコミは政権批判のために常に粗探しを行ってそれを政策のせいにしています。それが事実でしょうか。

日本の一人当たりGDPは何位かご存知ですか?

 

実は世界で23位に過ぎません。OECD諸国でいえば下位層なのです。

そのポジションで、例えばアメリカと比べれば信じられないほど社会福祉は充実しています。病気や失業、本当に困った時に社会福祉の手が必ず差し伸べられて生きていくのには絶対に困らないのはご存知のはず。たまに新聞沙汰になるようなケースは、本来差し伸べられるべき手が差し伸べられなかったもので、そもそもそういうメニューがないアメリカなどとは根本的に異なります。

 

また、いいとこ取りで比べられる北欧などの消費税は25%、しかも一人当たりGDPは日本よりはるか上です。社会保障とは、国民全てが保険料を払っていざという時に備えているようなもの。豊かな国の国民が、ふんだんに保険料を支払ってシェアしているものと比べてもどうしようもありません。さして豊かではない国の国民が保険料をケチっているのですから、シェアされるものが少ないのも当たり前なのです。

 

ぜひ「FACT FULLNESS」(ハンス・ロスリング他著)をお読みください。私たちが、私たちより上の世代の努力でどこからどこに上ってきたのかがよくわかります。

私の子供の頃は道路も舗装されておらず穴ぼこだらけ。電話は半径100mの近隣の中で1台だけ。何かあると呼びに来てくれるトトロの世界です。

脳卒中の後は自宅の布団で寝たきり。ドリフの世界です。

生活保護世帯でさえ携帯電話を持っている今の暮らしは貧困と呼べるものではありません。見ているところをどこに置くかの問題です。

日本の現状、企業や人の間で所得や富の格差が広がりつつあるのはおっしゃる通りですが、これは日本に限ったものではなく、消費税の高い安いも関係なく世界的傾向です。最も格差が拡大しているアメリカは、消費税は州によってあったりなかったり、EUに比べて遥かに低い税率ですが、世界一の格差社会。

貧困層は水道も止められもらい水で体を洗っています(BBC)。

 

逆に消費税が高水準のEUでも格差が拡大しているのはピケティが指摘している通りです。

 

これらは全て企業や人を取り巻く競争環境が激しくなり、また変化の度合いが大きくなっていることに起因します。成功や失敗の度合いがとても大きくなっているので、お金が貯まる人や企業はどんと貯まる、失うものはどんと失うのです。

 

また、日本の労働における格差の本当の問題は、正規と非正規の格差。

しかし、それも非正規を認めてきた中曽根、小泉政権だけが悪いかといえば、これは実は大企業労働組合との合作です。貴殿も経営者なのでお分かりかもしれませんが、今の変化の激しい時代、正規労働者を雇うことは、経営者側に多大なリスクです。いつ経営状況が変化するかわからないのに、解雇がほとんど認められないのであれば、怖くて人は雇えません。好調な時にきちんと待遇するのは全く構いませんが、経営者の努力だけでは時代の変化には対応できないのです。

昔のように変化が少ない時代であれば良かったのですが、どんな大企業でも5年先の変化が見えない今の時代に、日本の硬直した労働慣行は全くついて行っていないのです。

そこを埋めるために抜け道的に派遣を認めたのが、いかにも日本的やり方でした。

ただし、それは労働者全体にとっては不利なやり方でした。ピンはねされる分が総体としてどんと乗ってきたのですから。

ですから、労働者層の取り分を増やし、格差拡大を減らそうと思えば、正社員への厳格過ぎる解雇規制を緩め、派遣を無くして行くのがもっとも速いのですが、これには既得権益の最たるものみたいな連合が立ちはだかりますし、ステレオタイプの批判を繰り返す左派リベラル層の総攻撃を受けるでしょう。

本当はその方たちのことを思ってのことであったとしても。

 

長くなりましたが、リベラルが正しいと思ってきたことに実は問題があることも多く、だからこそ現実政党としての自民党が多数を占めていることに早くリベラルも気づくべきなのです。

日本の左側が言っていることは世界標準ではありません。昔の全共闘世代が、自分たちが正義で保守側は悪だと思い込んでいたそのままが、大してバージョンアップされずに続いているのが現実ですし、だからこそ政権交代もろくにされないのです。

少し違う方向に着地しましたが、ぜひ「FACT FULLNESS」は読んで見てください。

石原伸晃氏の正論

自民党の石原伸晃氏が派閥の会合で,

「社会保障を根幹から支える税制をつくるのに幾たび内閣が倒れ、また選挙で苦しい思いもしながらも、高齢化社会、少子化社会を乗り切るためにはどうしても間接税が必要だと、先人たちが努力をして今日に至っていることも忘れてはならない。」

と発言されたと伝えられた(朝日)。

まさに正論である。

 

日本には,数十年前,「社会党が日本にかけた呪い」が未だにはびこっている。

リベラル系の皆さんはその呪いが数十年かかったまま、世界がどう移り変わろうがその洗脳が解けていない。社会党が北朝鮮を礼讃していた過去と同じで、間違った主張でも洗脳されていればそこに気づかない。

 

今,世界的に消費税を賦課することは標準的になってきているが,それは,過去の国家にはなかった政策,社会保障政策が国策のメインとなり,そしてそれに多額の費用がかかるからだ。

たとえば,EU諸国は,平均すると消費税率が20%近い。では,EU諸国は,国民に過酷な税制を強いる金持ち・大企業優先国家なのだろうか?そんなことはさすがに日本の左翼政党も言わない。むしろ,手本とすべきとして挙げられることも多い。
また,各国の事情を調べてみると、EU諸国では,左翼政党も「消費税を下げる」ことを政策として掲げているところは見当たらなかった。

ちなみに所得が多い層は、消費に回す分が多いので、税率ではなく税額ベースで見ると言われているほどの逆進性はない。

 

EU諸国の主要政党と同じく,日本においても消費税を肯定的に捉える政治家の大多数は、現代国家の最大の課題は,社会保障の維持である,ということを認識している。どこの先進国でも高齢化が進む一方,国民の生活レベルは一昔前にくべて格段に向上している。

その上,日本のFree Access可能で高価な治療薬も使える健康保険医療制度などは,EU諸国に比べるてもかなり優れたもの。公的医療制度の見本と思われているイギリスのNHSなどは,レントゲン1枚取るのに1ヵ月,CT取るには3ヵ月などとも伝えられている。

日本にいると中々他国との比較が見えてこないが,今の日本の優れた社会保障制度を守るためには税収は欠かせない。

そういうと左翼政党はすぐに,法人税がー,というが,これも国際比較が必要で,法人税率の引き下げ競争が続く現在,日本だけ高止まりさせていれば,肝心の優良企業がみんな本社を海外に移転させてしまう。法人税率だけの問題ではないが,GAFAなどの課税逃れが国際的問題となっていて,一昔前のようにはいかないのが現実だ。

 

消費税の拡大は,社会保障のためであることは紛れもない事実。山本太郎氏などは言葉のマジックで否定されているが,歳入として入ってくるお金に色はついていない。ここ10年~20年の予算の費目ごとの伸び率見れば一目瞭然,赤字の拡大は全て社会保障費と国債関係費の増大によるものだ。リベラルがことある毎にやり玉に挙げる防衛費はほぼ横ばい、公共事業費に至っては減少しているのが事実。したがって,消費増税での歳入増も,そのほとんどは社会保障費の伸びに充てられていたと見るのが正しい。

 

日本がある意味EUを凌駕する社会保障を実現しながら,消費税はその半分で済んでいるそのマジックは,いうまでもなく赤字国債。

赤字国債で税収がないのにそこをごまかして背伸びの給付を続けているのだ。

消費税を維持しようと、不人気政策に敢えて声を出している野田前総理などの政治家の動機は社会保障を守りたいというところ。話をさせていただくとそこにいかに真剣な思いを込めておられるかが理解できる。

 

さて,石原伸晃氏がなぜ,冒頭のような発言をされたのか。

それは,今度のコロナパンデミックに対する経済対策として,第1次,第2次と巨額の補正予算が組まれ,それは全部赤字国債で賄われる。それでも,円安その他目立った不利益が起きていないため,政治家にも国民にも,これで大丈夫なら消費税なんかなくして全部赤字国債で賄えば良い,という極めて甘い見通しがはびこりつつあるからだ。現に自民党の政治家60人以上が 消費税ゼロの提言をしたことが伝えられている(毎日)。

 

しかし,域値を超える事態はいつかは訪れる。

今回は、世界同時に起きたパンデミックであり,欧米も同様の無茶な財政出動をしたので,日本だけが突出することはなかった。

だが,

・アメリカで政権交代が起きて基軸通貨発行国のアメリカがまともな財政に戻ったり,

・日本で首都直下地震や南海トラフでも起きて財政出動せざるを得ない,

などということが起きればどうなるかはわからない。

あるいは,今はまだ,政権与党が財政均衡の旗を掲げていることで保たれている財政への信頼=円への信頼が,政権与党がその旗を降ろしてバラマキ政策に走る,あるいはポピュリスト政党が政権を奪取するなどして,その旗が降ろされるかも知れない。

いずれかの事態をきっかけとして,

 

              円の暴落➡︎輸入物価の高騰によるインフレ

 

が起きれば,一気に日本は貧乏国に突き落とされるだろう。

 

この手の論考を述べたとき,よく受ける中傷は,「財務省の手先」。しかし,財務省からも誰からも,なんの利益も受けていなしいし,そもそも繋がりさえない。

ただ,社会保障が破壊された,そんな未来を私たちの子どもたちに渡したくないので、誤解されようが中傷されようが声を上げている。

私達は,今その時に備えて財政維持への意欲くらいはきちんと見せておかなければならないのだ。冒頭の石原氏の発言も,そんな思いから政権与党の責任感を自覚せよ,との叱責だったのだろう。

 

近未来も心配しよう

今度の補正予算、日本維新の会・無所属の会は賛成した。しかし、手放しではなく、本日の予算委員会で串田衆議院議員はGO TOキャンペーンに疑問を投げかけ、美延衆議院議員も本会議の賛成討論で指摘すべきを指摘された。

 

私も、党内議論で巨額の予備費については意見を申し上げた。今後の「日本」に対する信用低下を恐れてのことだ。

現に、日本のソブリン(国債などの公債)格付けの見通しが引き下げられた(Bloomberg)。

 
 

心配なのは次なる災害が着々と近づいている気配があること。

前にも「エビデンスがある以上最悪にも備えを。内陸直下型地震が今起きたら」で東京での直下型地震への危惧を述べたが、今日、気になる地震が高知で、そし愛媛で起きた。いつかはほぼ確実に起きるだろう南海トラフのプレート境界型巨大地震もひたひたと近づいて来ているようだ。

 

これらのプレート絡みの地震がもし起きれば、甚大な被害が起きることは間違いない。

そして、問題はさらにそこから。

東日本大震災や今回のコロナウイルスパンデミックとは異なり、巨額の赤字国債を発行しての緊急対策が打てなくなる可能性がある。日本円への信頼が失われ、通貨安が同時に起きたら、国債の追加発行は事実上できないからだ。

 

政権与党は、日銀という打ち出の小槌を手にしたつもりで、国会審議という制約のない巨額予備費を計上し、またV字回復狙いの政策や、関連性の薄い政策まで今回の巨額補正予算に盛り込んでいる。

だが、それは未来の災害への選択肢を同時に狭めていることを忘れてはならない。

政党から得難いもの。それは既得権益FREE

今日、本会議が終わった後、維新の会の若手議員とある極めて重要な基本政策について意見交換をした。かなり大胆なアイデアだが、日本が明治維新の時のように、重く長く停滞した時代から、生まれ変わって新しい歩みを始めるためには、必要な政策だと感じた。

もう一つ、その議論自体を通して感じたのは、こういった斬新なアイデアを抱けることこそ、背景に既得権益団体や利害団体が全くない維新の会の強みだということ。

こんなアイデアは、他のどの政党でも、議論すら出来ないだろう。

日本の政党の最大の難点は、戦後70年日本が成功の道を歩んできた中で着実に根を蔓延った既得権益団体に常に忖度せざるを得ないということ。それは与党だけではなく、巨大企業の労働組合と密接している野党も同じ。

そして、その既得権益団体の蔓延り具合は、このコロナという国難の時期に持続化給付金という巨大事業を電通に丸投げして平然としている政権与党の姿がそれをよく表している。

今の日本の状況が、維新の会の存在を強く求め始めている。

既得権益Free、そして自由な議論が存在する民主主義政党の価値は大きい。

都知事選は、政策コンペに。

今度の東京都知事選は、これからのコロナと共生していかざるを得ない世界において、要である東京を切り盛りする手腕を持つ人物が選ばれる必要がある。

今のところ小池都知事の有力対抗馬が誰となるのかは定かではないが、誰が出られるとしても期待されることはただ一つ。

それは東京の困難に真っ直ぐに切り込む政策を提案すること。

 

前回都知事選で鳥越氏がボロ負けした理由は、マスコミも本人も気付いていなかったっが、本当はただ一つ。あまりに政策がイケてなかったから。

今回も、人格攻撃だの経歴疑惑だので相手を貶めても、この困難な時期に適切な候補者かどうかなど有権者には伝わらない。

 

正々堂々と、この困難な時期を乗り切るための自分の政策を都民に提示してもらいたい。政策コンペになれば、小池都知事絶対有利な下馬評もどう動くかはわからない。

困難に直面している今だからこそ、本物の政策は必ずや都民に響くだろう。それも力強く。

これでは先が思いやられる。お金だけではなく行動も!

先日,補正予算についての維新の会の政府ヒアリングが行われ,白熱した討議が交わされた。

私も厚労省に,予算の執行に関連して意見を述べた。第2次補正予算には,たしかにコロナに対する診療を後押しするための包括支援交付金が2兆円用意され,病床(空床)確保,設備整備などに予算が組まれている。

しかし,現状はただお金を出すだけだ。それでは何も変わっていかない。

 

日本の現状を見たとき,課題は次の2つ。

 

1.重症者や救急患者がたらい回しされないように,コロナの可能性がある患者専門の重症者用ICUや,救急外来施設を整備する

2.初期の発熱や嗅覚・味覚障害の発現時に直ちに受診できる軽症患者外来を整備する。方法としては,①市井の医院でタイムゾーンを分けて感染症疑い患者を区分けする,あるいは②総合病院に動線を別にした感染症外来を作る,③コロナ専門病院を作る,④オンライン診療とPCRセンター,CTセンターを組み合わせる,などが考えられよう。軽症のうちは診察してもやることがないと思われていた今年初め頃の状況とは異なり,現在では「幸せな低酸素症」と呼ばれる自覚なき重症化や血栓による肺塞栓・脳梗塞など急激な悪化もあることが知られている。検査だけでもPCR検査だけでなく,CT検査,パルスオキシメーターによるモニタリング等やることは幾つもある。現在みられる初期段階の患者の受診拒否が続けば,死ななくてもよかった命が失われることが今後も続いていくだろう。

 

 以上の二点をヒアリングの席で厚労省の担当者に強く訴えた。診療報酬での手当てをしていることはわかっているが,「金は出す」だけでなく,医師会や病院,なんなら国立病院と協議して陣頭指揮するように求めたのだ。

ところが返ってきた答えに唖然とした。

「先生のおっしゃることはPCR検査の拡大ということだと思いますが,これについては政策の中の~」と得意げな答えをとうとうと述べられたのだ。厚労省の幹部でさえ何もわかっておらず,ワイドショーのコメンテーター並の知識しかないことに唖然としたのだ。

PCR検査は,あくまで診療の一環。診療がなされて初めて,医師の判断によって採用されるべきこと。現状の問題点はそこではなく,そもそも診療が受けられないところにある。そして,それに対して厚労省は具体的な取り組みをする気がない。何もわかっていないからだ。

だから,私の問いに対し,1人の担当者は「診療報酬で手当てしている」とお金を出しているんだからそれが対策だ,言わんばかりの答えをし,もう一人は,PCR検査さえしておけば全ては解決するといわんばかりのPCR教団の信者の様な答えをして,満足そうにしていられるのだ。

 

この新型コロナウイルス(COVID-19)による感染症が,今までのSARS,MERSのようにほぼ完全制圧の形で収まるとは残念ながら考えられない。世界各国で場所を転々と移しながらパンデミックは続いており,一周回ってまた流行が再発することも当然予想されるところだからだ。

このような見通しを踏まえたとき,国あるいは厚労省の最大の課題は,長期戦としてのコロナとの戦いに備えて,どのような医療体制を構築して国民の安全と安心を確保するかだ。この小休止を有効に利用して,国民が安心して通常の経済生活を送りながらも,いざ罹患した際には速やかに医療サービスの提供を受けられるような体制を整えることが肝要なのだ。

いつまでも外出自粛や休業要請が続けられる訳ではない。テレワークだけでは製造も流通もできない。我々が生きて食べていくには外に出て働くことは不可欠。一方で,経済活動が再開されて,再び流行が見られたとき,燃え広がっている最中であれば備えなどできない。防戦一方の悲惨な戦いになる。イタリアやニューヨークで見られたように。しかし,着々と準備さえしておけば,ドイツのようにどんとこい,と構えていられる。

厚労省はお金を出すだけでは足りない。幸い日本医師会の横倉会長も政府への提言を拝見すると同様の問題認識でおられる。私現場の総合病院の医師の方々も,私が知る限りやはり同様の思いを強くしておられる。厚労省は,より具体的に,コロナシフトをどのように日本の医療現場に敷いていくか,医療界と対策本部を立ち上げていくべきだ。今必要なのは「会議」ではない。より具体性を持って実行もしていく司令塔なのだ。

持続化給付金と特別定額給付金,支給事業を比べてみた

経産省所管の持続化給付金事業。サービスデザイン推進協議会というよく分からないトンネル会社が,769億円という巨額の委託事務費で事業を受注していることが判明して問題となっている。

この件について過去2回に渡って記事で取り上げ,時間の制約がある中で財務金融委員会でも触れてきたが,現時点までに問題と考えていることは次の2つ。

1.巨額の委託事務費に見合った適正かつ迅速な業務をサービスデザイン推進協議会はしているのか。

2.巨額の委託事務費が適正なものであったか。

1番目については,端的に言えば給付スピードの問題。客観的な検証を行うには,申請から受付までの平均的数値や,最短,最長など統計的な報告を待つしかないが,一時,巷にはなかなか振り込まれないという不満の声が渦巻いていたことや,ドイツでは同様の事業で2,3日で振り込まれて驚嘆の声も上がっていたことは現時点での判断材料。あとはコストとの比較,つまりはコスパであり,今後の検証事項だろう。

2番目についても,事業費目ごとの詳細な内容が明らかにされないとハッキリとしたことは言えないが,私の事務所で本日までに比較のために同じ補正予算で事業化された全国民への10万円給付(特別定額給付金)について調べて見た。

 そうしたところ,同じ国の事業で,申請書類に対して形式的チェックしかしないのは同じ(持続化給付金の方がチェック事項は多いが)であってもかなりの差があることが判明した。

 下は私の事務所でまとめた表。

 

 もっともコストのかかりそうな審査業務にかかる人件費が特別定額給付金は自治体職員の通常業務として基本織り込まれていない(ただし,一括して外部委託の場合は国が負担することになる)ので単純比較はできないが,それにしても一件あたりの事務費が自前(自治体にお願いして)でやれば1件あたり1,146円(ただし自治体に負担は掛かる),丸投げだと38,450円~51,267円で30倍以上の開き。少し差がありすぎで事業の立て方として考えさせられる数字だ。

段々わかってきた。

2兆円越えの巨大事業、持続化給付金は丸投げの連鎖。

持続化給付金は丸投げの連鎖(「怒涛の丸投げ」参照)。

 

国➡︎サービスデザイン協議会➡︎電通➡︎(?パソナの派遣)

 

この間に多額の利益が抜かれている。わかっているだけでサービスデザインから電通への丸投げにおいて、サービスデザインは20億円も抜いている。20億!。

そして、代表理事は私立大学の客員教授を務めるマーケティング研究者だが、法人の業務は「電通の人たちがやっている」と語っていきなり辞任(東京新聞)。

国民が本当に困っているから、国の将来を犠牲にしてまで赤字国債を増発して行っている今回の事業。

そこで平然と政権との距離が近いと噂される電通などに甘い汁を吸わせているモラルハザードは、保守層や自民支持層からも許し難いとの怒りの声が聞こえる。

今回の件は、今後きちんと追及を続けていくべき事柄であり、私も続けていく。

 

ちなみに、769億円もの委託経費が妥当なものであったかも相当怪しい。

極めて簡略ながら現在までに業者などにリサーチしたところ、サーバーの構築・保守については年間900万円ほど(クラウド前提)。ソフトの構築も大した内容ではないので、かかって1000万円。

また、頭の中の計算だが、パソナに丸投げしているであろうコールセンターの運営も一日5000件が目安であれば300人も雇えばいいので、人件費1日2万円で2万×300人=600万。事業終了までの8ヶ月の積算は、600万×30日×8ヶ月=14.4億円。

審査業務もトータル200万件として、初期には殺到するので最初の三ヶ月は月60万件さばくとして、1日あたりは2万件。1人あたり1日25件さばくとして800人。2万×800人×30日×8ヶ月=38.4億円。

100億円あれば余裕でお釣りが来そうだ。

 

第2次補正でも、家賃支援で2兆円、持続化給付金追加が1兆円、使い途freeのお手盛り予備費10兆円が組まれているので、放っておけば巨額丸投げが続くだろう。

こんな美味しい事業委託なら手を上げたいまともな業者は山の様にあると思うが、いっそのことコンペにでもして、1日でも早く給付ができ、安く、優れた「デザイン」の業者を募ったらどうだろうか。

怒涛の丸投げ

持続化給付金の事務作業委託に関する問題。さきほど(29日午前11時34分)になって入札に関して経済産業省中小企業庁長官官房総務課より入札にあたって公表されていた資料が送られてきた。

 

その内容について,現時点で指摘すべきことを指摘しておく。

 

1. 内容がまさに1から10まで丸投げ。詳細は後記仕様書を参照されたい。2兆3176億円にも上る国家的事業のすべてを丸投げ,というのはいかがなものか。同様のケースとしては,やはり内閣の目玉事業であった「企業主導型保育事業」でも行われ,当時東京新聞が指摘したらしい(「ずさんな企業主導型保育~」)。こんな丸投げをしなければならないほど,日本の官公庁は足腰が弱くなっているのか。

 

2.丸投げしただけで注文がほとんどなされていない。民間であれば納期や提供される事務構築の内容など精査するのが当然だろうが,中身に関する注文らしい注文といえばコールセンターの規模(仕様書3.(3)1日最大5000件程度の相談を受けられる体制を構築すること)だけ。最も肝心な申請を受け付けてからから給付に至るまでの期間の目安,あるいは1日あたりの処理件数能力については何の注文もない。これでは,「3週間経っても振り込まれない」との声が巷に溢れるはずである。なお,梶山経産大臣は初日(5月1日)に受け付けた申請のうち,87%は既に給付した」(産経)とこの件の記者会見で胸を張ったらしいが,13%はほぼ1ヶ月経っても振り込まれていないのである。3日で給付されたドイツとはえらい差がある。

 

3.入札にあたっては,提案書を提出することになっており,落札者の決定方法としては評価手順書(総合評価点=技術点(200点)+価格点(100点))で評価されている。しかし,本件でもっとも肝要な前記2記載の申請受付から給付までの期間の目安(処理件数能力)がそもそも提案されたか,また重視されたかは不明である。

 

4.提案書に対するプレゼンテーションすら実施しないと予め定められている(入札公告1.(5))ので,発注者には,委託作業の「中身」に対する思い入れはほとんどなかったようである。事業規模2兆3176億円,委託予定額776億円の巨大事業の入札にあたって,である。いかに人のお金であるとはいえ,あまりに無関心過ぎないか?それとも受注予定者は誰か最初から決まっていて,内容を聞くまでもなかったのか?

 

5.そもそも入札に参加した業者は2者のみであったとのことで(関係者からのヒアリング),事業規模,報酬金額に見合った公正な入札状況であったかが不明である。

 

 以上のとおりで,以前の記事にも記載したが,本件委託金額が適正であったかどうかは不明である(現在調査中であるが,本件委託事務にかかるであろうコストから推定してた場合に過大であった可能性はに残る)。しかし,何より大事であるのは,入札にあたって業者に提示された仕様書に,過去に例のない緊急対策としてやはり過去に例のない規模で行う事業であることから要請される「Speed感」に対する強い発注者の「思い」が全く感じられない,ということである。

 

【開示された資料内容の抜粋】

仕様書
1.件名
令和2年度補正持続化給付金事務事業
2.目的
新型コロナウイルス感染症の拡大により、休業を余儀なくされるなど、中堅企業、中小企業、小規模事業者、個人事業者、フリーランスの方々の業況に大きな影響が出ているところ。
こうした事業者は、我が国経済の基盤を支える存在であり、事業の継続は極めて重要。
このため、感染症拡大により、特に大きな影響を受けている事業者の事業継続を支援するため、事業全般に幅広く使える給付金を支給するもの。
3.事業内容
上記の目的に照らし、次に掲げる事業を実施する。
(1)新型コロナウイルスの影響を受けた中堅・中小法人、個人事業主への給付金の支給
① 給付対象
詳細は経済産業省から指示するが、中堅・中小法人、個人事業主等最大200万者程度が対象となることも予想されるため、十分な体制を構築すること。
② 給付額
中堅・中小法人が200万円、個人事業主(フリーランスを含む。)が100万円を上限とする。計算式等の詳細は経済産業省の指示に従うこと。
③ 事務局の設置
(1)①からの申請を受け付けるため、
ⅰ)電子受付
ⅱ)電子申請に支障がある申請者のための受付を確実に実施できる体制
を構築すること。なお、ⅱ)の体制は窓口など提案によることとする。
なお、従業員等(窓口等で申請者と接する場合は申請者に対するものも含む。)への新型コロナウイルス感染症対策を徹底し、万が一新型コロナウイルス感染症に罹患した者が生じた場合も事業継続可能な体制とすること。
また、本事業に従事する者との間で秘密保持などの遵守事項を定め取り交わすこと。また、不特定多数の者が氏名・住所・口座番号・振込金額などの情報に同時に触れることのできない対策を講じること。
④ 申請書類
以下の書類を念頭においているが、必要な書類や様式等は経済産業省と協議の上決定する。
 前年度の確定申告書
 売上台帳
 虚偽の申請でないことの宣誓書
 実在確認書類
 中堅・中小法人:原則として法人番号
 個人事業主(フリーランスを含む):本人確認書類(パスポート、
運転免許証等)
⑤ 二重取り等不正防止のための必要な措置
二重取り等不正な手段による支給を防止するため、最低限以下の措置を講
じることとするが、詳細は経済産業省と協議の上決定する。
 事後的に申請内容に虚偽が明らかとなった場合には返納を求めるこ
とを明示。また、その場合には返納を求めること。
 虚偽内容が特に重大又は悪質な場合には事業者名等を公表すること。
更に特に悪質なものについては刑事告発等を行う可能性があること
を示した上で申請させること。
 確定申告書により、代表者氏名、事業所所在地等を確認。その情報を
事務局においてデータベース化して名寄せを行い、二重取りを防止す
ること。その他、二重取りを防止するために必要な措置を講じること。
⑥ 給付金の支給
上記(1)①への給付金の給付(贈与)については、別途経済産業省が交
付する資金(2兆円程度)を原資に行うものとする。なお、受給者への給付
金の給付は、以下により行うものとする。
ⅰ)受給者は事務局に給付申請書等を提出。
ⅱ)事務局は給付申請の内容について適格性等の確認を実施。また、給付
金の受領に係る委任について委任状の提出を受け、受給者と合意をする
こと。
ⅲ)事務局は給付に必要な額を都度経済産業省に請求(受給者の代理で受
給する旨も併せて申請)。
ⅳ)経済産業省は事務局に対して給付金の支給のために必要な金額を支払。
なお、給付金の支払に要しなかった金額は経済産業省に返還すること。
ⅴ)事務局は受給者に給付金を速やかに給付(銀行口座のみ。)。
ⅵ)交付通知書の送付。
上記の他、受給者への給付金の給付に関する事務の詳細については契約結
後、経済産業省と協議の上決定することとする。
⑦ 反社会的勢力の排除
上記⑥ⅴ)以外に反社会的勢力などからの申請及び振込を防止するために
必要な措置を講じること。
(2)HP等による広報
上記(1)①を広く周知するため、以下を実施すること。
① HPの設置
制度の概要、FAQ、申請の動画解説などを掲載すること。詳細は提案による。
② 広報
新聞、Web等の手段より広報を行う。詳細は提案によることとするが、掲載先等については経済産業省と相談の上決定することとする。
(3)コールセンターの設置
上記(1)及び(2)に対応するため、電話による問合せ窓口を以下により設置すること。
 複数拠点(国内に2カ所程度)に設置
 開設期間:契約締結日~2020年12月28日まで
 窓口時間:8:30~17:00(5~6月については上記時間帯は常に開設すること。7月以降は土祝除く日~金。)
 1日に最大5,000件程度の相談を受けられる体制を構築すること。(契約締結後直ちに体制を整える必要はないが、問合せ件数に応じて適時体制を構築すること。)
 不正受給等の内部通報にも対応していることを明示すること。
4.事業を実施する上での補足事項・注意点
本仕様書に記述していない事項であっても、仕様書の目的を達成するために提案があれば行う。
上記3(1)~(3)を、別紙1「情報セキュリティに関する事項」を踏まえて実施すること。
5.事業期間
委託契約締結日から令和3年2月28日まで
6.成果物
3.(2)②に用いた資料 1式
7.納入場所
中小企業庁長官官房総務課
8.情報管理体制
(1)受託者は本事業で知り得た情報を適切に管理するため、次の履行体制を確保し、委託者に対し「情報セキュリティを確保するための体制を定めた書面(情報管理体制図)」及び「情報取扱者名簿」(氏名、住所、生年月日、所属部署、役職等が記載されたもの)別紙2を契約時に提出し、担当課室の同意を得ること。なお、情報取扱者名簿は、委託業務の遂行のため最低限必要な範囲で情報取扱者を掲載すること。
(2)確保すべき履行体制
 契約を履行する一環として契約相手方が収集、整理、作成等した一切の情報が、経済産業省が保護を要さないと確認するまでは、情報取扱者名簿に記載のある者以外に伝達又は漏えいされないことを保証する履行体制を有していること
 経済産業省が個別に承認した場合を除き、契約相手方に係る親会社、地域統括会社、ブランド・ライセンサー、フランチャイザー、コンサルタントその他の契約相手方に対して指導、監督、業務支援、助言、監査等を行う者を含む一切の契約相手方以外の者に対して伝達又は漏えいされないことを保証する履行体制を有していること
(3)本事業で知り得た一切の情報について、情報取扱者以外の者に開示又は漏えいしてはならないものとする。ただし、担当課室の承認を得た場合は、この限りではない。
(4)(1)の情報セキュリティを確保するための体制を定めた書面又は情報 取扱者名簿に変更がある場合は、予め担当課室へ届出を行い、同意を得なければならない。
9.業務従事者の経歴
業務従事者の経歴(氏名、所属、役職、職歴・業務経験がわかる資料)を提出すること。
※経歴提出のない業務従事者の人件費は計上不可。