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怒りと共に立ち上がれ。

いい加減、腹が立ってきた。今の日本、あまりに情けない。ただのヘタレだ。

 

マスコミ、野党は口を開けば「変異株怖い」「オリンピックは無理」「緊急事態宣言全国に」。

 

日本医師会会長は「医療壊滅」「医療が全産業でいちばん大事」「他の医療も大事だからコロナに力は割けない」

 

政府与党もできない言い訳、他力本願なことばかり並べ立てる。「都道府県を越えた患者移送は2時間以上かかるので無理」「高齢者施設従業員検査は、施設が嫌がる。陽性者が出たら人手が足りなくなる」「通知は出した」「患者移送は知事会に言ってみる」

 

そして、日本全体では需要の2倍のコロナ病床が余ってるのに、入院希望されていた20代の若者を放置してみすみす死亡させている。

 

この1年弱、衆院厚労委員会で、政府・行政・医療が「やれば出来る」ことを実行するよう訴えてきたが、政府・大臣は「出来ない言い訳」を並べ立てるだけ。良くて通知を出してあとは知らん顔。

 

国難、国難と言いながら、誰も本気で事態を「具体的に」解決しようとはしていない。

そして、言の葉を捉えて真実に言及した人を非難し、受けばかりを狙う。

このグラフの一番下、0の横軸基底線に寄り添うような変動の少ないラインが日本。

これが「さざ波」でなくてなんと表現するのか。さざ波どころかただの凪だ。

 

この凪を、なんだかんだ言い訳ばかり言って受け止められないのが今の国力がとことん低下した日本。

 

マスコミは視聴率稼ぎに事実などまるで無視、自分に都合のいいコメントをしてくれる専門家を探し求め、恐怖を煽る。

 

専門家は専門家で関係業界から多額の資金提供を受け、マスコミ受けするリップサービスに励む。

 

野党は政権攻撃に最適な手段として、日頃の「弱者への配慮」などかなぐり捨てて、非正規雇用者の主要な就業先である飲食店などサービス産業は皆店仕舞いしろとばかりに緊急事態宣言の果てしない拡大を政府に迫る。

 

そして政府は、やるべき医療体制の整備と自治体の枠を超えた患者移送という、やる気にさえなれば明日からでも可能なことを、医師会への配慮かやる気不足かわからないが、なんだかんだ言い訳ばかりつけて1年経っても手も付けない。単に「コロナ病床に1900万円」とかお金で釣って一部の病院にコロナバブルを産んでいるだけ。

大阪など関西圏で、深刻な医療逼迫が生じているが、実は全国的にはコロナ病床は実は余りまくり。お金だけ注ぎ込んで、有効活用できていないだけ。

(NHKデータより青山まさゆき事務所作成)

 

医師会は医師会で、日本医師会長が「医療崩壊」「医療壊滅」とか煽りまくって国民に自粛を求め、その煽りを受ける飲食業については「政府の責任」と知らん顔。一番重要な病床数確保には具体的な声も上げず、挙句の果てには医師会出身議員の政治資金パーティーには平然と大量出席。

 

トップがみんな自分のことだけ考えて必要なことをやらずに、国民には事実を知らせず我慢だけを迫る。

 

挙句の果てには、自分で手を挙げたオリンピック返上?

やるべきことを全部やって、それでもダメなら世界中に「ごめんなさい、努力は尽しましたが天災には勝てません」なら分かるが、やれること何もやらずに国内事情でただ返上?

常人には及びもつかない努力を長年積み重ねた世界中の選手たちの努力に対し、そんな無責任はないだろう。

 

一方で、世界は今、力強く立ち上がろうとしている。

アメリカもイタリアも日本よりはるかに感染者数は多いのに、前に向けて進み始め、イタリアは社会的距離政策(緊急事態宣言のような政策の総称)を解除に踏み切り、アメリカは経済が再生、消費者物価指数が4%も上昇している。

 

日本もやるべきこと、つまりコロナ患者受け入れ病床の拡充(臨時施設敷設でもいい)、都道府県の枠を超えた患者移送さえすれば、アメリカやイタリアよりはるかに早く経済は再起できたし、日本の主要産業であるサービス業を痛めつけることも、自殺者を増やすことも、出生数を激減させることもなかったはず。

 

それもこれも、まずは政治とマスコミの責任。そして、無批判に政治とマスコミの言いなりになれば、国民は自分たち自身も大きな不幸に見舞われる。

 

今、私たちは、現状に怒りを込めて立ち上がり、自分たちの手で未来を変えて行かなければならない。

変異株の真実/感染力は増して若干の軽症化が数字からの結論

日本において主流になりつつある英国型変異株を含むN501Y型の新型コロナウイルス。

特に大阪府はその割合が8割を超える高い水準が継続し、既に従来株から置き換わったと厚労省アドバイザリーボードは推定している(第33回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード「資料1 直近の感染状況等の分析と評価」)。
 

そして、変異株は従来株と異なり、「重症化しやすい」「若い世代も重症化」と毎日のように報道され、医師の方々が体感的にこれらを肯定するコメントを発している。

 

だが、その報道や体感は本当なのか?

実は、近々の本年4月12日、「ランセット感染症」という世界的に権威ある雑誌に査読されて掲載された論文では、英国型変異株は重症化・死亡とは無関係ということが強い相関関係をもって認められたと記されている。

発祥の地であり、大きな流行地となった英国での信頼できるコホート研究において、重症化・死亡と関連した証拠はない、とされているのに、日本だけ「重症化しやすい」「若い世代も重症化」はおかしな話。

 

そこで、詳細な年代別データと共に各波毎の重症化率を公表している大阪府データにあたってみた。

その結果は、以下のとおり。(なお、第4波についてはアドバイザリーボード資料の3/1~4/26判明分を足しこんだもの)

これを見る限り、第4波は以前と比べて各年代とも重症化率に著変はなく、全体の重症化率はむしろ低下している。

 

この傾向は、大阪府だけでなく全国も同じ。

下記は週一度厚労省が報道発表している年代別重症化割合の直近のものと昨年12月末を並べたもの。

やはり各年代とも重症化割合が低下していることがわかるだろう。下記グラフはこの2枚をまとめたもの。

結論として、これらの統計的数字を見る限り、報道や医師の体感は、事実を反映したものとは言えないことは明らかだろう。

 

なお、最後に、大阪府で重症者が多い理由を推測する。主な原因は2つだろう。

その1つは、高齢者施設でのクラスター発生が多く、重症化しやすい施設入所者から多く重症者が出ていること。

もう1つは、おそらくは感染力の増大により、はっきりとしたピークを形成せずに、高原状に高い新規感染者数が続く英国型の特徴と、重症化すると入院期間が長くなる新型コロナの特徴が相まって、重症者病床のひっ迫が慢性化してしまっているのだろう。

ただし、それが「変異株は重症化しやすい」という特徴をもっていることを意味するものではなく、新規感染者数の絶対数が多い期間が長引いていることによって、間接的に重症者数増をもたらしているのだろう。

 

重症化率の推移や感染力の増大などを総じていえば、スペイン風邪でも見られたように、「新規感染症が変異に伴い弱毒化して一般化する」道を新型コロナウイルスも歩んでいる可能性があるともいえるだろう。

 

私たちは、ヒステリックな様相のマスコミ報道から一歩距離を置いて、事実を淡々と検証しなければならない。

 

なお、12日の厚労委員会では、私の上記エビデンスを示した質問に、田村大臣が

 

「大阪で確かに若い世代の重症者が多いという話は聞いているんですが、それが感染者が多いからそう見えているのかどうかということも含めてよくよく分析しないと、確かに、我々は変異株怖い、だから重症者が多い(と思っていたが)、確かに感染力はあるということは間違いないんだけれども、重症化率という意味からすると、よくよく分析しなければなりませんので、正しく国民にお伝えするためにもよく分析をさせていただきたい」」

と答弁されたことを最後に申し添えて置く。

 

いつまで現実から目を逸らしていたいのか?

内閣官房参与が「さざ波」発言したということでマスコミと左翼系野党の総攻撃を受けている。

しかし、欧米に比べれば日本の波が「さざ波」に過ぎないことは動かし難い事実。下記グラフの通り、欧米では「7日間の新規感染者数」が100万人あたり800〜5000人で推移し、最近は2000人ほど。これに対して日本は、20〜200人ほどで最近は300人ほど。波の大きさは如実に違っている。

(グラフは札幌医大 フロンティア研 ゲノム医科学より)

そのさざ波を乗り越えられない理由は2つ。

1. 民間病院におけるコロナ患者受け入れが進まない

2. 自治体の枠を超えての病床融通システム(=患者移送システム)が整備されない

結局、いつまで経ってもやれることをやらずにいるので欧米の10分の1程度の感染者数に対応しきれないでいる訳で、それでオリンピックが出来ないと大騒ぎすることの方が情け無い。

国力の如実な低下を示しているのだろう。

日本は、政権与党の指導力不足と、マスコミ・左翼系野党のコロナ利用で沈下の一方だ。

変異株の脅威を煽る小池都知事の発言に潜む明確な誇張

東京都の小池都知事が7日の都庁での定例会見で「若い方が重症化しやすい。都の感染者は20代~30代が半数以上を占めており、重症者数も20代~50代で倍増している。」(ENCOUNT)と発表したとのこと。

 

だが、その話は明らかに誇張。

 

東京都の新規陽性者数はそもそも20〜30代が普段から大半を占めている。

令和2年の6月〜7月などは、70%で推移していたし、直近でも令和3年1月中旬は42%、5月初旬が45%なので大差はない。

では重症者数はどうか。小池都知事は、いつと比べて倍増したかについて触れていないが、東京都が発表している最新のグラフ(4月29日現在)から読み取る限り、20代〜50代の重症者数は合わせて25人程度。近々のデータでは、3月中旬に合わせて5〜10人程度まで減少したこともあったので、そこに比べればたしかに倍増以上だが、1月は平均的に20人程度。そこと比べれば倍増とはいえない。

ちなみに東京都の20〜50代推計人口は800万人。あまり有意な差はなさそうだ。

 

我々は人口1400万人都市の緊急事態宣言下の実情をしっかりと把握するべき。

普段は政治家の小さな嘘やごまかしに鋭敏に反応し、吊し上げるように責め立てるマスコミが、何故簡単に確認できるこのような誇張を無批判に伝えるのかが全く理解できない。

目立たないが、事態を本当に改善させる大きな一歩

今回の緊急事態宣言、目立たず報道もされていないが、対策において大きな前進があった。
 
それは、高齢者施設や病院の従事者に対する従実した検査。
総理の記者会見時には抗原検査キット800万個配布、との字幕が出ただけだったが、内閣府の発表には
 
「厚生労働省は、PCR検査及び抗原検査の役割分担について検討・評価を行う。また、 これらを踏まえ、検査が必要な者に、より迅速・円滑に検査を行い、〜
医療・介護従事者、入院・入所者等関係者に対し、PCR検査等による幅広い検査の実施に向けて取組を進めるとともに、 院内・施設内感染対策の強化を図る。〜
感染多数地域における高齢者施設の従事者等の検査の集中的実施計画に基づく検査を〜4月から6月に かけて、新たな集中的実施計画に基づく検査を定期的に実施するよう求める。 
併せて、好事例の横展開等を通じ、検査を受ける施設を増加させる。
〜政府は、医療機関や高齢者施設等において従事者等に軽度であっても症状が現れた場合に、早期に陽性者を発見することによって感染拡大を防止する観 点から、迅速に検査を実施できるよう、都道府県と連携しつつ抗原簡易キッ ト最大約 800 万回程度分を5月中旬を目途に確保の上、従事者数等に応じた 形で、速やかに配布を開始し、可能な限り早く施設への配布を進める」
とある。
 
私の厚労委員会における質疑をお聞きいただいて来た方にはお分かりの通り、
 
・迅速に結果がわかる抗原検査の特性を踏まえた防疫目的の活用
・病院/介護施設の従事者への検査の充実
・岐阜県が岐阜市で行ったような好事例の紹介を通じての展開
・医療機関/高齢者施設への抗原検査キットの配布
 
という点を田村厚労大臣、尾身会長に提言し続けてきたが(質疑のアーカイブ参照)、それをほぼ盛り込んでいただけた。
 
 
日本の重症者の発生源は、圧倒的に高齢者施設(介護施設)と慢性期病院。
したがって、この対策が現場に浸透して行けば、事態が将来的に相当改善していくことは明らか。
 
このような正鵠を射た対策が取られることに、私が取り組んできた質疑が参考になったのであれば大変有難いこと。聞く耳を持っていただいた田村厚労大臣に心よりの感謝を申し上げる。

NYではズンバを踊り、東京では緊急事態宣言が続くのはなぜ?

今朝のNHKワールドニュース。感染者数が減少したということで人々が解き放たれ、セントラルパークの大きな平たい岩の前で何十人かが集ってマスクもせずにズンバを踊っているのを「良いニュース」として伝えていた。

 

喜んでいるのは、一部の人ではなくNY市民全体。報道では

「コロナワクチン接種が進み、デブラシオ市長は経済全面再開の目標を7月1日と宣言。観光振興へ巨額の支援策を打ち出す。市民からは楽観的な声が聞かれ、業界のデータにも明るさが示されている。」(時事通信

とのこと。

 

アメリカの現在の100人あたりの接種回数は74.6回、接種完了人数は32.28人だ。イスラエル、UAE、チリ、英国などと並んで世界のトップクラス、日本がそれぞれ3.0回、0.83人であることに比べればだいぶ先行している。

 

だから、アメリカは喜びに沸き返り、日本は遅れている、マスコミはそう伝えたがっている。報道を見る限りは、我々はアメリカを「羨ましい」と思わざるを得ない。

 

だがちょっと待って。ここでFact Checkをしてみよう。以前のブログにも書いたが、クリティカル・シンキングこそ必要だ。

ニューヨーク州の5月5日の新規陽性者数は2,511人(Worldometersより。以下人口も含め同)。同州の人口は1,945万人なので100万人あたりの数は129人。

東京都の同日の新規陽性者数は621人。人口は1394万人(東京都推計)なので100万人あたりの数は45人。

 

あれ?喜びに沸くニューヨークの3分の1程度の数字だ。ワクチン接種などほとんどされておらず、かつ、第4波・変異株とマスコミが大騒ぎしている最中なのに、だ。

ちなみに大阪府は668人、人口880万人なので、76人。東京よりは多いが、それでもニューヨークの半分。

 

つまり、ワクチンを先頭を切って開発し、接種もトップグループで行っているアメリカよりも日本の方が状況はずっと良い。だから本来ならばこの1年を通して日本は、緊急事態宣言などの社会的距離政策を採る必要のもなく、むしろGoToなどの観光支援策を採り続けていても良かったのだ。

 

それを阻んでいたものは何か?

それは、主として2つの要因。

 

まず1つ目は、言わずとしれたマスコミの「コロナ恐怖」のあおり報道と、一部野党の政治利用。

マスコミは、最初の頃は外国の症例をそのまま紹介して「日本でも人がバタバタと死ぬ、若者も急死する、重大な後遺障害が残る」と煽り、それがないとわかると今度は「長期的な後遺障害が残る」と煽り、それも見えて来ないと「医療崩壊が起こる」と煽り、それも起こらないと今度は「変異株で感染爆発、若い世代も重症化」と煽り続けてきた。

このような報道(+ワイドショー)ばかり毎日見ていれば、敵はとてつもなく巨大なものに見え、本来行うべき対策(重症者の主要な発生源である高齢者施設・慢性期病院での感染防止対策(従事者への頻回検査・ブログ参照)はパニックの中で放り出され、派手で見栄えのする緊急事態宣言などの社会的距離政策ばかりに注目が行き、為政者はそれを取らざるを得なくなる。

 

2つ目は、医療システムの融通性の欠如。現在、マスコミの煽ってきた中で唯一現実化しているのは、大阪府における重症者を中心とする医療逼迫。

しかし、これとて諸外国では普通に行われている自治体(都道府県)の垣根を超えた移送をすれば、現状でも溢れることなど決してない。

厚労省オープンデータで確認できる最新の数字は5月4日時点の重症者数1114人。仮に大阪府で本来入りたいが入れない方が相当数おられるとして、1200人。

これに対して、全国の確保病床数は4200を超えている。

 

つまり、3000の空き病床が実は存在しているのだ(下記は菅総理との質疑時に示したグラフ)。

そして、さらに驚く話もある。

ある医療系ニュースによれば、積極的に受け入れてきた基幹病院は、令和2年の利益がすごいことになっており、まさに「コロナバブル」だという。そして、コロナに対応しない医療機関にも支援金が入っているお陰で、病院のほとんどは「ほぼ前年並み」の医業収益を達成出来ているという。

 

私達は、落ち着いて周りを見渡そう。海外の情報・日本の情報を、数字も参照しながら参考にしよう。今、何をやるべきで、また、どうしたら多くの人を苦しめる「対策」という名の制限を最小限に出来るのか?そこにこそ智慧を絞ろう。

マスコミやどこかの野党のように、政府を批判して、対策の強化を訴えるのが「リベラル」でも「知性」でもないことを、私達はもっときちんと理解しよう。

そうすれば、「NYではズンバを踊り、東京では緊急事態宣言が続く」不思議を、不思議として正しく受け止められるだろう。

尾身会長の仮説は正しいのか?Part Ⅱ「夜の街や飲食が感染拡大の原因」

緊急事態宣言やまん防など日本の社会的距離政策の中心は「飲食店への営業制限」。

そしてその根拠は、尾身会長の理論「夜の街や飲食から感染が社会に拡がっていく」によるもの。しかし、それは本当だろうか?

前回の「若者が感染拡大の原因」?に引き続くPart Ⅱです。

 

そもそも、新規感染者の発生源として、飲食店は実は主要なものではない。少なくとも主要なものとするにつき何の根拠もないのだ。

 

とてつもなく情けないことに、厚労省は、クラスター別の発生件数やそれによる陽性者数を掴んでいない。長妻議員や私の問い合わせにも、報道ベースでの発生件数しか答えられていない。

その理由は、厚労省が自治体からの報告に頼り切り、任せきりなので、自治体がそのデータを掴んでいなければ厚労省もわからない。そんな状態がもう1年以上も続いているからだ。

そして、肝心の自治体はそのデータを把握していない。

東京都でさえ、

「東京都ではクラスターについての統計はとっていない。施設などでまとまった人数の感染が確認されたときにはマスコミ発表の際にクラスター発生ということは伝えるがそれをデータとしてまとめてはいない」

のだ(東京都福祉保健局 感染症対策部 回答)

 

例外として、情報公開が徹底している大阪府は詳細なデータを公表しているが、それによればクラスター別の発生件数において飲食店は小口の発生源に過ぎない。

ではなぜ尾身会長は飲食店主犯説に立っているのか?

 

尾身会長の提唱する「夜の町や飲食が感染拡大の原因」という説の根拠は、実は極めて怪しいもの。以下が令和2年12月23日新型コロナウイルス感染症対策分科会で発表された「現在直面する3つの課題」の中にある根拠というグラフ。

(厚労省Webより引用)

 

輸入された株が、夜の街→飲食→家庭内感染→院内感染と赤矢印のように若干のタイムラグを伴って拡がっていくことを示しているという。

 

しかし、この線は極めて恣意的な引かれ方をしている。普通に線を引くのであれば、以下の青矢印のようになるのでは?

(厚労省Web掲載のグラフに青山まさゆき事務所が青矢印を追加)

 

どう見ても7月の山において少し「夜の町」の初発が早い以外はあまり夜の町が先行しているという関係は見えてこない。

 

では、尾身会長ともあろう方がなぜこんな無理筋というか薄弱な根拠で「夜の街主犯(先駆け?)説」を打ち立てられているのだろう?

 

それは、「飛沫感染が主要な感染様式である」との考え方に固執しているため、

「マスクをしていれば感染はおきない」→「マスクを外すのは会食の場だけ」

という演繹的思考をされているからではないだろうか。

 

だが、マスクでしっかり防御されていた医療者が感染する例が初期には相次いでいたことからも明らかなとおり、マスクをしていても感染は伝播する。

最近、世界で最も権威ある医学雑誌の一つであるLANCETに掲載された記事「Ten scientific reasons in support of airborne transmission of SARS-CoV-2」によれば、エアロゾルによる空中経路感染を起こしている10の証拠があるとのこと。

であるならば、飲食店でマスクを外して会食するよりも多く、換気の悪い会社などで呼気に伴いマスクから盛大に漏れ出しているエアロゾルに長時間触れていることにより感染拡大が起きていると考えるのが普通ではないだろうか。

それこそが尾身会長が最近盛んに厚労委員会で口にされる「見落としている感染ルート」だろう。

 

以上によれば、まず取るべき手段は、2大感染源であることにつき確たる根拠(エビデンス)がある高齢者施設と医療機関に感染拡大防止策を徹底させることだ。

繰り返し述べているが、3日に1度、従事者へのPCR検査または抗原検査をすれば「流入ルート」が絶たれる。

そして、医療ひっ迫をもたらしている重症者の大半は高齢者。

(東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料より引用)

 

よって、この対策を取れば医療システムをひっ迫させる「重症者」の発生が激減するので緊急事態宣言などの社会的距離政策を取る必要は無くなるだろう。

 

それでも、どうしても緊急事態宣言を取るというのであれば、飲食店や百貨店ばかりを締め付けてもあまり意味がない。換気が不十分な室内に長時間止まることを防止しなくては感染拡大は防げないからだ。

したがって、本気で感染拡大を防止するというのであれば、まず、会社・事業所への出社・出所を禁ずるべきだろう。

宴会を端に発したとされている厚労省内のクラスター、あまり報道されていないが実はその後厚労省内で感染は拡大している。感染者がいれば、マスクをしていても感染は拡がっていくのだ。

 

だが、そもそも今の日本に緊急事態宣言などの社会的距離政策が本当に必要なのだろうか?

指摘しておかなければならないのは、日本の感染者発生レベルは世界的には極めて低く、第4波の最中にある現在においてですら、ワクチン接種が相当行き渡ったイギリス、イスラエルと遜色はなく、医療体制さえ整備されればそもそも緊急事態宣言など必要がないということ。

(札幌医大 フロンティア研 ゲノム医科学Webより引用)

 

尾身会長の分科会が主導する今の政策は根拠自体が危うく、その効果も疑問視される。メディアや左翼系野党は煽ることを止め、また、国民一人々も自分の目で事実を確かめ、落ち着きを取り戻すことが必要だろう。そうしなければ、新型コロナによる被害よりも、不要な対策などによる副次的被害の方が遙かに大きくなって行くだろう。本来やるべき対策に目を向けるべきだ。

 

「クラスターの統計はとっていない。」エビデンスなき東京都の休業要請

私にとっては衝撃的な事実が判明した。

今日、厚労委員会質疑の基礎調査の一環で、東京都福祉保健局感染症対策部に東京都のクラスター別発生状況を知りたくて事務所を通じて確認した。

大阪府は相当詳細に公表しているが、東京都はWebを探しても見当たらないので、どこに発表しているのかと思って、聞いてもらったのだ。

そうしたところ、まさかの答えが。

 

「東京都ではクラスターについての統計はとっていない。施設などでまとまった人数の感染が確認されたときにはマスコミ発表の際にクラスター発生ということは伝えるがそれをデータとしてまとめてはいない。」

 

では、東京都と国は、都内に対し、何の根拠をもって酒類提供飲食店への休業要請、百貨店など大規模施設への休業要請、イベントの無観客要請をしているのだろう?

そして、都は、今まで何の根拠で多額の税金を使って飲食店への見回り隊を組織し巡回したりしてきたのだろう。

(内閣官房Webより引用)

 

ほとんど何の根拠も無く営業制限を課すのはどうみてもどうかしている。飲食店らが集団訴訟でも起こせば東京都は敗訴する確率が相当程度あるのではないか?

そもそも東京都は、緊急事態宣言を発する要件を半分も満たしていないというのに(「東京都への緊急事態宣言は妥当か?」)。

 

尾身会長は3月に、日経関連誌の取材に応じ

 

「首都圏で緊急事態宣言が延長されている背景に、東京などではクラスターの起点が見えにくいことや隠れた感染源が疑われることなど、他の地域に比べて感染がリバウンドしやすい特殊性があると指摘した」(日経バイオテク

 

とのことだが、見えにくいも何もデータとしてまとめてさえいないのだから見える筈もない。

さらにこのところ尾身会長は、「国民が政府の呼びかけに耳を貸さなくなっている」ことを衆院厚労委員会でも度々嘆いているが、この有り様ではそれも当たり前。

マスコミの呪縛や洗脳から離れて、根拠の無い仮説に耳を貸さない自立した判断をする方が増えているだけだろう。

 

国民に耳を傾けてもらいたいのであれば、当然、規制の妥当性に関する客観的根拠は、規制を課す側が用意し説明すべきだ。

 

 

DMAT医師が「元々状態がよくなくて最後の死因がたまたまコロナだった」場合が大半と述べる現実

大阪府が毎日公表している死亡された方々を見ると、このところ僅かに世代の低下傾向も見えるが、主流が70代80代90代の高齢者の方であることに変わりは無い(大阪府新型コロナウイルスの感染状況について)。

クラスターが高齢者施設や病院で頻発していることを合わせ考えると、看取りの場が高齢者施設や慢性期病院から急性期病院に一気に移っているのが日本におけるコロナ関連死の実情ではないだろうか。

そして、それが集中した急性期病院の現場が経験のない事態と患者の集中に対応困難となり動揺が広がり、それがマスコミにも伝染して一気に恐怖感が国民一般にも広まって、それが続いているようにも思える。

 

医療事件の経験からすると、コロナ以前は高齢者施設入所者や慢性期病院患者が肺炎などで容態が悪化しても、急性期病院に搬送はされるものの人工呼吸器が付けられることはないし、ましてやICUに入室したという記録はほとんど見た記憶がない。

総合病院で臨床医療の現場に立っておられる医師の方もこの見方に同意されている。

 

北海道で、まさにその現場を体験した医師の方がおられる。DMATと呼ばれる災害対応派遣の仕組みで札幌市に応援に入られた近藤医師(厚労省DMAT事務局次長)が、「元々状態がよくなくて最後の死因がたまたまコロナだった死亡」類型を「最後の一滴死亡」という表現で分析され、それが記事となっている(東洋経済)。

 

「クラスター発生病院で感染した死亡者のうち72%は「寝た切り状態」だったことがわかりました。これは期間中の札幌市内の全死亡者(223人)の45%に当たります。」

 

このような状況にあることは、札幌市や大阪府に限ったものではない。東京都も、同様だろう。呆れることに東京都はクラスター別の集計は行っていないとのことだが、それでも重症者の年齢階級別数は公表しており、重症者の半分以上は70代以上だ。

(東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料より引用)

 

したがって、新型コロナウイルス関連死亡は、日本においては死亡者数を増加させていないことも考えられるところ、その推認を裏付けるものとして、最新の感染研の2020年超過死亡・過小死亡数推計が、過小優位になっている事実が挙げられる。

(2021年3月5日感染研データより青山まさゆき事務所作成)

 

以上をご覧になった方は、マスコミ報道から植え付けられた印象・先入観と現実がかなり違うことに気づかれたのではないだろうか。

今やるべきことはこの事実を正面から見つめること。そして、救急医療(重症者病棟等)への集中を減らしたければどこに対する対策を徹底すべきかは自ずと明らかだろう。

それは事実かどうかもわからない「若者→高齢者ルート」を絶つなどという迂遠なものではなく、「高齢者を直接救う対策」だ。

具体的には高齢者施設・慢性期病院従事者に3日に一回の頻度でPCR検査もしくは抗原検査を行って、施設・病院への流入減を絶つということ。施設入居者・入院患者らは、移動がないので1週間に一度でも良いだろう。

3日に一度というのは、疫学上の根拠がある話で、厚労委員会でも私の質疑において、尾身会長が「頻回検査は大賛成」と述べられているところ。これが実施されれば、必ず重症者も死者は半減するはず。

 

あまり根拠のない対策で多くの国民を振り回すよりも、現実を直視し、現実に即応したより効果的な対策を取っていくべき。

それと共に、こういった事実をきちんと広報し、必要以上に新型コロナを怖がらせないことへの配慮も必要だろう。

米国は、日本よりずっと多い100万人あたり1日178人の新規感染者を出しながら(日本は45人)既に前に進み始めている。ワクチン接種が遙かに先行しているイギリスやイスラエル並みの1日あたり感染者しか出ていない日本が見えない恐怖に怯えて立ち止まっているのは異常だ。

尾身会長の仮説は正しいのか?Part Ⅰ 「若者が感染拡大の原因」

今の緊急事態宣言の主目的は「人流の抑制」。

提唱者は政府の分科会であり、その中心は言わずとしれた尾身会長。尾身会長とは普段衆院厚労委員会でよく質疑させていただいているが、その謙虚かつ献身的な姿勢にはいつも尊敬の念を抱いている。

 

ただ、その学説というかお考えには、疑念がある。尾身説の集大成が令和2年12月23日の新型コロナウイルス感染症対策分科会で提示された「現在直面する3つの課題」という資料。

ここでは、20代の若者と飲食店がやり玉に挙げられているが、今回はPart 1としてまず前者について検討する。

現在の主流の考え方は、尾身氏に倣って「若い世代から流行が始まり、中高年世代に遷移し、入院者や重症者を増やしていく」というもの。これは若い世代の感染者数が多いことを根拠にしている。上記資料はその根拠として以下のグラフを挙げている。

(厚労省Webより引用)

しかし、この推測はかなり乱暴。年齢階級別に罹患率も感染把握率も均等であるにも関わらず20代だけが二次感染を多く出している、とすれば20代が感染拡大の主因と言うことも出来るだろうが、実際はそうではない。

同じ環境にいて、同じようにウイルスに晒されていて、同じように体内にウイルスを取り込んだとしても、20代は感染に対する防御反応の一つである発熱などの症状が出やすいため、「新規陽性者」として補足されやすいに過ぎないのではないか?

元々この感染症は、年代別の罹患率がきれいに階段状に分かれている。あまりにも綺麗に分かれていることからすれば、これは行動パターンによるものではなく、免疫システムが完成し免疫力がもっとも高いのが20代なので、発熱などの症状が出やすく、補足されやすいだけ、という解するの素直なところだろう。10代以下の数が少ないのは免疫システムが未完成なので、高齢者と同様、罹患しても発熱などの反応が現れず、把握されないだけなのだろう。

(厚労省Webより引用)

最近、この推測に有力な証拠が加わった。それは新型コロナワクチンの副反応の年齢階級別発生頻度。このワクチンは、抗体生成に伴い、副反応として発熱などの短期的副反応が起きるといわれている。つまり、感染が起きたのと同じ状況がワクチン接種者に発生しているのだが、これも年齢階級別にハッキリと階段状になっている。

(厚労省Webより引用)

要は20代が無謀な行動をしているから感染しているのではなく、同じように感染していても、20代は症状が出やすいので把握されやすいだけなのだろう。

このことは、データを精密に開示している大阪府の下記のグラフからも読み取れる。

(大阪府WEBより引用)

20代・30代が先行して人数が増えている様子は窺えず、どの世代も同じように感染は増えている。

若者等を悪者にしても感染拡大は止まらない。また、大学をオンライン授業にしてもあまり意味はないだろう。 こういったエビデンスが薄く理屈も立たない対策は見直していくべきだろう。 なお、Part Ⅱで「飲食店主犯説」を検証する予定です。

【補足】この感染症の重症化は、ウイルスの作用というより、免疫暴走(サイトカインストームによる激しい炎症反応)によって惹き起こされる。宮坂先生によると最新の知見では、炎症反応が糖尿病などの慢性疾患に深く関与しているため、持病のある方は重症化し易いのだろうということ。だから、同じように免疫力が低い子供たちと高齢者で、後者だけが重症化するのだと推認される。