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1837億円かける病床確保、空き病床が大半なのに重症者が利用できない不合理。

23日の厚労委員会で菅総理に質疑した。

時間が5分しかなかったので、昨年来提案している都道府県を超えた患者移送にほぼ絞った。

準備していて驚いたのが、想像以上の空き病床の数。

4月14日の時点(最新のNHK調べ)で全国に確保された重症者用病床数は4253。このうち使っているのは990。ちなみに厚労省の4月23日現在発表の重症者数は823だ。

重症者用病床以外も同じで、全国的にはかなりの余裕。

この感染症の特徴として、大都市圏での感染に偏る傾向がずっと続いていることがあげられる。だから大都市圏では多数の病床を確保しても、波が訪れるたびに病床がひっ迫してしまうのだ。これは都道府県別の現状にもきちんと現れている。

そうであるならば、地方の病床の活用が必要。

通常時には、同じ都市の範囲内で、病院間の個人的関係で紹介入院が行われているので、同じ都道府県内でも都市をまたぐ融通はあまり行われていない。ましてや、都道府県をまたぐことはよほど特殊な疾患でない限り平時にはあまりない。

だからこそ、この非常時に、国が都道府県の境を越えるシステムを作るべきなのだ。

私が提案したいのは、国がオンラインで各都道府県を繋ぐシステムを整備すること。よく出来たオンラインシステムならば、各病院がそこにアクセスし、オンラインで空き病床を確保し、移送に国のチームの援助(移送に付き添う医師・看護師のチーム)を要請できる、といったものでも足りるだろう。

しかし、日本はこういったシステム構築が苦手なので、上手くできないのであれば、119番のオペレーションセンターのような中央指揮所(中央配点センター)を国が設けても良い。そして、移送チーム(そんなに頻繁にあるものではないだろうから、自衛隊医療チームなどを活用することも一計)がその指示で現地に駆けつければ良い。

現在の緊急事態宣言などは医療ひっ迫の度合いを勘案して発動されているので、医療ひっ迫が全国的の配点で緩和されれば、国民・特にサービス関連産業に多大な影響をもたらす緊急事態宣言が出される頻度を下げられるだろう。

(分科会資料・厚労省Webより引用)

実際、スウェーデンでは、コロナ発生後、毎月9〜20%近くの地域を越えた搬送が行われている。

日本国民に対し、都道府県の壁にさえぎられることなく必要な医療を提供すべきことは、国の責務でもあるはず。この病床確保には1837億円もの巨費が投じられていることからしても、空き病床があるのに必要な国民が利用できないなどという不合理がいつまでも放置されて良いはずもない。

そうすれば医療崩壊、という言葉も遠くなる。これを総理に提言したところ、

総理は、

「新型コロナの感染拡大により医療提供体制がひっ迫する中で、都道府県の壁にこだわることなく国を挙げて対応していくべきというのは、私も同じ考え方であり、貴重な提案に感謝申し上げたいと思います。」とお答えに。

驚くほどにシンプルかつ前向きなお答えを頂戴した。

是非、全国民のために実現していただきたい。