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釣るためのタイトルはもう結構

朝日新聞DIGITALがまた。

 

私は、物心ついてから朝日新聞を読んで過ごしてきた。もう50年以上になる。

そんな中でも好きだったのが科学記事と天声人語。前者は、文系の道を進んだ私の、それでも科学が大好きな基礎を作ってくれたと思っているし、後者はわかりやすくかつ論理的な文章を書くことの基礎を、知らないうちに学ばせてくれた。

 

そんな私にとっても、最近の朝日は方向性が偏り過ぎていて面白みがない。正しいものは「何か」について、客観的事実を分析して判断するのではなく、「誰が」言っているか(例えば政治的話題であれば「どの党」が言っているか、事件であれば「検察」がどう言っているか)で決め打ちしてくるので、深みがまったくないのだ。

 

さらにひどいのが、「タイトル」と「記事本文」の乖離。

特に新型コロナに関する医療記事に目立つところでこれまでも何回か批判してきたが、またやってくれた。

岡田晴恵さんの「敗北宣言」 コロナ改めてご説明します」と題した朝日新聞DIGITALの記事だ。

 

この方は、春先からテレ朝のワイドショーに毎日のように出演されて、今の宗教的ともいえる「PCR検査」一辺倒の煽り報道の基礎を作られた先駆者、第一人者。

その方が「敗北宣言」したというから、その過ちを認めたのか、あるいは日本が新型コロナとの戦いに敗れ、アメリカやブラジル並みの状況になったという宣言か?と思って読んでみると、

 

「自宅療養の方法をご説明しなければならないことは、私の「敗北宣言」です。」

 

とよくわからない敗北宣言があるだけで、あとはダラダラと病態に関する不正確な解説やら熱が出たときどうすべきかの素人みたいな話が続くだけ。

相手にするのもどうか、というような内容ばかりだが要点だけ一応批判しておくと、

 

・最初に「春以降、無症状の感染者を見つけて、保護するための積極検査や医療体制の充実を必死に訴えてきたつもりでした」

たしかにPCR検査増やせ増やせとは言っておられたが、いつ「医療体制の充実」なんて言ったのだろう?

 

・「たとえ感染しても、自宅療養で乗り切る準備をしておくこと」なんて言っておられるが、そんなことしてたら、人によっては死に直結する。しかも「乗り切る準備」は何かについては、どこにも出てこない。タイトルにある「自宅療養の方法」もそう。

いずれにしろ、「自宅療養で乗り切る」など大間違い。

ようやく街のお医者さんでも診てもらえるようになったのだから、症状が出たらまず「発熱外来」(かかりつけ医がやっていたらそこで。取り扱ってなければ保健所に相談して紹介してもらって)にかかり、抗原検査や必要により血液検査・X線検査・CT検査を受けましょう。むしろPCR検査など単なる確定診断の手段の一つに過ぎないのでどちらでも良いこと。

 

・最悪なのは医師へのかかり方について。高熱出れば受診みたいなことが述べられているが、熱が出たらさっさとかからないと。年齢やリスク保持者に急速な悪化があるのが新型コロナの特徴。早期受診の一手だ。

また、救急車の呼び方も色々解説されているが、その方自身が必要だと思えばさっさと呼ばなければ手遅れになるので躊躇は要らない。

 

こんな低レベルな解説を「敗北宣言」とかの見出しで釣って、まったく中身と違う記事を読ませようとするあたりはさすがに「朝日新聞DIGITAL」。レベル低の最強コラボの記事になっている。

岡田教信者が読んで、症状あるのに自宅待機して、待機死でも起こせば目も当てられない。