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重症者は100万人に4人だけ。工夫の欠如が生む医療崩壊騒動

医療崩壊間近との報道が相次ぎ、国民に危機感を煽っている。
しかし、これは本当か?

日本の今日現在の重症者数は493人。多いように見えるが47都道府県で割れば1都道府県あたり10人ほど。
100万人あたりでは3.9人に過ぎない。100万人で約4人、これで医療崩壊?

ちなみに人口6700万人のフランスの重症者数は3605人。100万人あたり53.8人だが医療崩壊したとの声は聞こえてこない。
人口8300万人のドイツの重症者は3926人。100万人あたり47人だ。
つまり、EU諸国は日本の十倍以上の重症者を抱えながら医療崩壊はしていない。

では、格段にEUの医療資源が勝っているのか?答えはノー。
下のグラフを見ていただきたい。

日本と欧米諸国の医療資源に大差はない。
では何が足りないのか?
一言で言えば工夫だ。

最も問題なのは地方自治体間での患者の相互融通がほとんど行われていないこと。

昔の幕藩体制さながら、病床数に余裕がある自治体に対して県をまたいで患者の移送が行われず、北海道が、大阪が、といって危機感だけが煽られている。まるで国境でもあるかのようだ。他の県が困っていても隣の県は他人事、地方が困っていても国は他人事。国は通知やお金を出すだけで自分のところの国立病院や国立大学から人を出そうとすらしていない。

一方でEUなどでは国境すら越えて患者の移送が行われている。フランスやイタリアからドイツに患者が移送され、ドイツは迷惑がるどころか、当局者は「受け入れても自国民の治療に支障は来さない」と胸を張っていた。

なぜこんな簡単なことが行われないのか?国が調整に乗り出せば、「まだまだ余裕がある」と国民に胸を張れるはず。
何せ100万人に重症者4人。それなのに今も報道ステーションでは医師らしき方が登場し、「日本は瀬戸際」と危機感を煽っている。

マスコミも与党も野党もどこに目詰まりがあるのかそこに目を向けないのか、不可解。厚労委員会でもその手の話をしているのは私だけで、あとはGoToやら関係ないスキャンダルやら。真面目にこの状況を改善しようとしている人間が政治や行政、マスコミにいないのが真の原因としか思えない。

なぜ、国民を追い込む方向の言動しか存在しないのか、不可思議としか言いようがない。