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誰がためのGoToキャンペーン?

持続化給付金を巡るシステムデザイン推進協議会・電通と経産省の癒着。

その影に隠れてはいるが,1.6兆円の巨大事業であるGoToキャンペーン,特にGoToトラベルも大問題な事業だ。

 

簡単に説明すれば

 

○ 国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の1/2相当額を支援。
○ 支援額の内、①7割程度は旅行代金の割引に、②3割程度は旅行先で使える地域共通クーポンとして付与

 

というもの。

まず疑問なのは,これを今やるべきか?というところ。

つい先日まで外出自粛やら休業要請を仰々しく要請していたのは誰だったのか?甲子園の中止は何故?

 

勿論,今の状況で旅行も外食も、自由に個々の判断で行うのは良いし、私もこの際積極的にとも思っている。

しかし,国は,つい先日まで、外出自粛を呼びかけていたその主体。それを言ってた御仁たちが手のひら返しでやれ出かけろという大キャンペーンをいきなり始めるのはどう考えても整合性が取れない。

また,やるにしてもなぜ,もっとシンプルな旅行関連商品券などの一律配布にしなかったのか?

そうすれば印刷代と配布代だけですむ。今回は,地域共通クーポンを紙媒体や電子媒体で配布するなどの複雑なシステムを組んでいるため,丸投げ委託事業費が当初予定で3000億円という巨大規模に膨れ上がってしまっている。その後,国交大臣が上限を2200億円にすると発表したが,いきなり800億円減るのも謎。

 

いずれにしろ,委託事業費の規模が膨らめば通常利益の絶対額も当然上がるので,あえて複雑なシステムにしたのは,委託先として予定されていた?システムデザイン推進協議会やその背後にいる電通の利益を図ったとの推測も成り立つ。

 

もう一つ,今回の事業に疑問があるのは国民の間に生じる不公平。

この事業の目的が先に述べたように旅行関連事業者の利益にあるとしても,国民にも間接的な利益は当然生じる。しかし,このコロナ禍で,旅行どころではない経済的打撃を被っている中小事業者も多いことだろう。金券にすれば,旅行に行けないものも,換金して生活の足しにすることもできるが,このシステムでは単に旅行に行けるものを羨むしかない。

 

こんな事業をこんな制度設計で,今本当にやるべきなのだろうか。疑問は大である。