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落ち着いて世界を見渡そう

日本のCOVID-19に対する政府の対策がダメだと,国内の一部野党やその支持者からも,国外からも批判されてきた。しかし,私は一部問題はあったものの(ダイヤモンド・プリンセス号の隔離対策や乗船者の下船後の隔離),医学的見地からよく練られた抑制が利いた対策であり,合理的なものであったと評価してきた。

特にリベラル系から批判が強かった学校の休校についても,不顕性感染の防止の見地からは意味があるものであること,自治体の判断に委ねて各地の状況に応じた対応を取る余地を残したこと,春休みが迫っていて特に高校などでは実質的に授業時間が少なくなっていた時期であったことなどから社会的なインパクトを最小限にしつつ感染防止を図れる策であったと考えられる。

また,PCR検査について,諸々の議論がなされているが,その後の体制を整えないまま無限定に行えるとしていたならば,医療機関に市民が殺到して機能不全に陥った武漢の二の舞になった可能性がある。

 

さて,日本の対策が合理的なものであったか,言われているように不十分であったのかについては,ここにきて,欧米,特にヨーロッパで感染が拡大し,感染者数及び死亡者数が一気に日本を上回っているのを見たとき,一つの答えが出つつある。

3月9日現在の報道などをまとめると,イタリアの感染者数は9,172人・死者511人,フランスは同1,191人・21人,ドイツは同1112人・2人,アメリカは同429人・19人。日本は488人・7人(ダイヤモンド・プリンセス号で別に696人・7人)(出典はhttps://hazard.yahoo.co.jp/article/20200207https://www.risktaisaku.com/articles/-/25736https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/03/1921ny.phpなど)。

欧米の先進諸国と比べても先にアウトブレイクが始まった日本の方がむしろ低い数字となっている。すなわち,evidenceからすれば,政権批判に利用されている感のある日本の対策は,決して間違ったものではなかったと言えるのだ。

 

今後も感染者数及び死亡者数を抑制していくためには,合理的な対策を冷静に採り続ける必要があろう。

ここで,私的意見だが,幾つか提案したいことがある。

 

1 重症者に対する医療体制が破綻しないよう十二分な配慮をしていく。「帰国者・接触者外来」の判断で今後PCR検査を行えるようになれば陽性例が増えてくるであろうが,その場合必要なのは軽症陽性者用の入院隔離施設。これを十分に確保していかなければ死者数を抑制できている重要な要因と考えられる重症者への手厚い医療が行えなくなる可能性がある。この確保を自治体任せにすることなく,政府が責任を持って予算的な手当もして,きちんと進めて行く。

2 喫煙歴が重症化の要因との指摘がなされつつあることを踏まえて,禁煙を一時的にでも拡大し,公共スペースに設けられた喫煙所の閉鎖や,飲食店における禁煙を強く呼びかける。

3 ①人の密集②換気の悪い閉鎖空間③会話などによる飛沫,の3要件が揃うことが感染拡大要因と指摘されていることを踏まえ,鉄道各社に混雑緩和策として,ラッシュ時の車両数増など混雑緩和策を求める

 

今後,国会の委員会などでも呼びかけていきたい。