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落ちぶれつつある日本とそこから目を背ける与野党

日本のシングルマザーや子供の貧困が加速しているのでは?との質問を頂いた。そこから考えを巡らした。

それを政権のせいにするのは容易い。だがそれは事実か?

私は、貧困が加速しているとすれば、それは日本が全体的に貧しくなっているのが本当の原因だと思っている。

それをもたらしたのは2つの動かし難い事実。

 

1つ目は日本の国際競争力の低下。フォーチュン社の世界トップ企業500社からこの30年でどれだけの日本企業が脱落していったのか。

 

2つ目は財政赤字拡大に伴って招来された円安。

 

この2つが合わさり、一人当たりGDPも2012年の4万8千ドルから2019年は4万ドルまで低下している。

同じ期間にアメリカは5万1千ドルから6万5千ドルまで増えているにもかかわらず、だ。

JAPAN as No.1は実現せず、JAPAN as No.26が訪れてしまったというのが偽らざる現実。当然、低所得者層の貧困の度合いも増すことになった。

 

この現実を見ようともせず、与党はアベノミクスの成功を誇り、野党は金持ち優遇政策で格差が拡大していると批判する。

どちらも大間違いだ。日本は停滞どころか衰退の道を歩んでおり、与党も野党もその姿から目を背けているに過ぎない。

 

必要なのは事実を見つめ直すこと。

日本は、崩れかけている今の幸せを騙し騙し維持しているだけ。

与野党共にその誘惑に屈して、借金を重ねてバラまけばV字回復は可能?

答えはノーだ。

 

やるべきことは一つ。税制、社会保障、労働慣行、全てに渡ってメスを入れ、大企業だけでなく正規社員で構成される労働組合も含めた既得権益にくさびを入れて、日本社会に今の現代経済社会に即した流動性と自由を取り戻すこと。

 

もちろん、左派リベラル層の中でも一部の理想派が言うように、経済成長だの高福祉社会だのは諦め、苦しくとも貧しくとも今の世の中を続けていくという選択肢はもちろんある。

しかし、それは今から50年前の世界に日本を徐々に戻していくこと。それが今の若い世代に耐えられることだろうか?