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致死率の急低下。アンダー・コントロールを踏まえて国会は次の議論を。

3日,参院予算委員会の質疑で,政府の分科会の尾身会長が,新型コロナウイルスは「コントロールすることは可能」と述べた。

その裏付けは何か。致死率が著しく低下しているのだ。

 

その前日の政府の専門家組織(アドバイザリーボード)の会合で,国立感染症研究所が明らかにしたのが下表(厚労省「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料等・2-2」より)。

 

5月末の時点に比べ,全年齢の致死率が7.2%→0.9%に,0-69歳が1.3→0.2%に,70歳以上も25.5%→8.1%に急激に減少している。

69歳以下では,ほとんど亡くなることのない疾患となってきているのだ。

 

この傾向は実は世界的に見られ始めているもの。以下は私の事務所でまとめたフランスとドイツの状況。

新規陽性者数の推移に違いはあるが,新規死亡者数が両国ともかなり減少していることは共通している。

よりわかりやすく,左軸に新規陽性者数,右軸に死亡者数をとった複合グラフが下記。

両国とも,死亡者数が大幅に減少していることがよりよくわかる。ドイツは新規陽性者も死者も少ないレベルで落ち着いている。フランスは,新規陽性者数こそ第一波に迫る勢いだが,死亡者は極めて少ないレベルで横ばいしているだけなのだ。

 

日本だけで無く,フランス・ドイツなどヨーロッパで見られる,この致死率の急低下という事実を踏まえて,国会などで,今の行動制限をどこまで続けていくか,早急に議論すべき。感染者が増えたとしても,重症化や死亡することが少なければ,それこそインフルエンザのような疾患として,社会が受容することができるし,そうなれば特別な対策も絞られてくる。

 

今,特に重要なのは子どもたちへの規制の解除と飲食店への過度な負担の削減。

学校で授業中マスクを付け続ける必要はないし,修学旅行や運動会,スポーツ大会を中止する必要はない。

飲食店でもカウンターと板場をビニールシートで遮る必要もなければ,終業時間を繰り上げる必要も無い。

 

今国会で議論すべきはそこ。どこまで無駄な規制や制限を解いていくのか。

一つ覚えでPCR検査拡大を叫ぶのはワイドショーだけで沢山だ。