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緊急事態宣言についての誤解

緊急事態宣言があるかもしれないことに対して、振りかぶって批判に走っている方も多い。
しかし、この緊急事態宣言、欧米で事態の拡大に即応して取られている措置に比べると拍子抜けするようなもの。何故これで大騒ぎするのかが不思議だ。語感に引き摺られ、誤解や思い込みでの批判が先走っているようだ。

まず、総理大臣がこれを出したからといって中国がやったように列車を止める、高速道路を封鎖するなどは出来ない。

総理大臣の緊急事態宣言後に出来ることになっている主なことは、都道府県知事(あくまで都道府県知事。総理ではない)が、自宅から外出しないよう住民に要請できること。強制ではなくあくまで要請だ。

学校や興行施設の停止も要請が原則。ただし、こちらは要請に従わないと場合により要請にかかる措置を指示?出来るというヘンテコな建て付け。

少なくとも外出しないのことの要請については今の外出自粛を求めていることと何が差があるのか、わからない。

緊急事態宣言後、都道府県知事において強制らしきことが出来るのは、医療施設のための土地使用を所有者の同意なく出来るということだけだ。

つまり、皆さんがなんとなくイメージされているような、外国のようなロックダウン(都市封鎖と誤訳されてますが外出禁止の行政命令)、外出すると罰金とか、警察官がバリケードで交通制限とかはあり得ないのだ。

政府のすることには反対するのが正義(つい先だっての法改正審議でも反対者がもてはやされました)という日本独特の価値観に思いっきり配慮した法律の建て付けのせいで、良くも悪くもあまり実効性のない内容の「緊急事態宣言」だが、感染拡大について世間にショックを与えることは出来るであろうことと、法的根拠なき自粛要請という日本らしいいい加減さを払拭するために、この際緊急事態宣言を早めに出して、法的根拠を持った対処をすべきだと考えている。

もう一つ、宣言の上での外出制限要請に切り替えることのメリットが予想される。今の曖昧な「自粛」という不思議な措置は、これに従ったものに対する補償に結びつきにくい。あくまで自主判断による休業に過ぎないからだ。

しかし、行政上の根拠ある要請となれば、そうではなくなる。これに従った住民が休業によって失った賃金や、中小企業やフリーランスなどの収入を、ドイツやイタリア並みに補償する政策に繋がるのではないかと期待される。

世界の情勢を見れば今や感染拡大の崖っ淵なので、緊急事態宣言を出しておくなら今、後は都道府県ごとの感染拡大状況により知事が適切に判断すべき、という考えが基底にあっての話であることを付け加えておく。