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第二次補正予算の2つの大問題。ギリギリの対処との認識はあるか?

今度の第二次補正予算案には二つの大きな問題がある。

一つは異常な額の予備費。

確かに緊急事態への対処は機動性が必要だが、現在日本の感染状況は明らかに収束している。営業自粛は解除されていく一方で今度の第二次補正には事業者へのかなり手厚い家賃補助が盛り込まれ、より厳しい外出・営業制限がなされた欧米を上回るような支援対策となっている。この状況で10兆円のフリーハンドはどう見ても過大。自らが打ち出の小槌を握って支持率回復に繋げたい、という政権の思惑が透けて見える。

もう一つは、国債依存度があまりに高まってしまったこと。本予算、第一次補正と併せた国債発行額は90兆円。160兆円の国家予算の56%、つまり半分以上が借金。

2011年の東日本大震災の時でも51%だったのだから、いかに突出した数字か。しかも、その時と大きく異なるのは、今回はそのほぼ全額を中央銀行が紙幣を増刷して引き受ける(正確には増刷することすらなく、コンピューターの残高をいじるだけ)こと。まさに異常中の異常。

 

国家主導の外出自粛と休業要請によって中小事業者が大きく傷んでしまった今の現状を見れば、異常事態に異常な財政出動で対処するのは万やむを得ないところ。世界的な異常事態であるからこそギリギリ容認される異常な財政である。

ところが、これを「異常」ととらえない向きも多く、SNSでは「国債をいくら発行しても大丈夫ということがこれで証明された」などという声が上がっている。

しかし、この様な見方は大きな間違いだ。

いうまでもないが閾値とは超えて初めてわかるもの。

超えるまでは、まだ大丈夫、まだ大丈夫と思っていても、超えた途端にとんでもないことになる。今回のコロナウイルス・パンデミックのWHOの見解を追っていけば、容易に理解できるところだろう。「まだ大丈夫」は実は「もう危ない」なのだ。

そして「今は緊急事態」となったときには、通貨への信用が既に失われてしまっている。国民生活に突然大きな制約が課されることになるだろう。

 

心配なのは、少し前に自民党の若手議員ら80名あまりが真水100兆円規模の補正を、との要望書を自民党に提出したなどという動き。安倍政権に終わりが見え始めた今、次の総選挙は与党も必死になってくるだろう。ここでバラマキ主張合戦となれば、先進国の中の先進国である日本の今の幸せも終わりを迎えることになる。

来る時は急だ。