目的と手段

昭和の前半、軍部が政治を超越することを可能としたもの、それは「統帥権干犯」というマジックワードだ。

この言葉によって議会も内閣総理大臣も、軍部(陸軍参謀本部や海軍軍令部)の意向や方針を尊重せざるを得なくなったのだが、これを考えついたのがあの北一輝、これを政争に利用したのが犬養毅、鳩山一郎だったという。

政治に関わる者、特に野党側は政治家であろうが運動家であろうが大なり小なりの問題で「目的のためなら手段を選ばず」という事になりがちだが、このやり方は短期的には兎も角、中長期的には大きな禍根を残すことも多い。優れた政治家である小沢一郎氏が導いた二大政党制への歩みが頓挫しているのもこれが原因ではと推察している。

人のことをとやかく言っても仕方ないので、少なくとも自身はこの弊に落ち入らないよう、「まっとうな目的のためにまっとうな手段」で歩んでいきたい。