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比べることが妥当でない

今回のコロナウイルスを巡る批判の中で疑問なのは「マスクに466億円かかるのは無駄、給付に回せ」とか、「F35購入をやめれば10万円ではなく一人15万円配れる」とかの議論。

 

比べる必要もないものを比べて批判していないだろうか。

 

布マスク配布にかかる466億円をやめても、例えば今回の10万円一律給付(申告制?)にかかる費用12兆円をまかなうことはできない。かかる費用が違いすぎて比較対象とすることにほとんど意味はない。

 

あるいは、F35が機種選定として妥当だったかどうかは別として、自衛隊や防衛装備が不要と考えるならともかく共産党でさえ自衛隊は段階的縮小などと言いつつもその存在は容認している昨今、現在における国防の要である対空装備が要らないと考える方はほとんどおられないのでは?

戦闘機などは一定の年限が経った後は更新が必要であることもまた当然で、いざという時役立たない旧式を揃えていても国防上無意味であるし、新式の戦闘機と対処せざるをえないパイロットの自衛隊員を危険に晒すことになる。

したがって、機種選定としてF35が良かったかどうかは別として、今回の緊急経済対策と数年がかりの戦闘機の更新費を比べるのは合理性に欠ける。

 

なぜこれを言うかというと、極めて現実的問題であるコロナウイルス問題に、すぐこのような議論を持ち出すのは、あまり合理的ではないと考えるから。

批判が悪いわけではもちろんないが、いつまでも旧態依然たるこの手の主張や批判をしていてもエコーチェンバーの仲間以外には共感を呼ばないと思うのだが。