歴史は繰り返す

過去の音声の一部を取り出し,適当なストーリーを作って陥れる。前にもあったし,これからも繰り返し行われそうな手法。明石市長の暴言問題で,その事情が明らかにされつつあるが,今,事実が明らかになっても陥れられた者の名誉は返ってこない。そして有為な人材は失われる。

言葉の揚げ足とりがエスカレートしている。普段これを行っているのは,むしろリベラルを自認する勢力であるが,それが自らが信奉する自由や民主主義を傷つけていくことについて自戒する必要がある。

戦前,「統帥権干犯」を乱用したのは時の政権野党「立憲政友会」の総裁犬養毅らであり,やがてそれが軍部独裁をまさに呼び込み,犬養自身も5.15事件で軍部の凶弾に倒れた。歴史は繰り返す,というがまさに現在はその最中。犯罪が疑われるような金銭にまつわる疑惑は立件されない限りうやむやにされ,如何に過去のことであっても「切り抜かれた一言」は許さない。こんな風潮はもう終わりにした方がよい。

現在ある有為な人材は失われ,将来を担うべき有為な人材も,現在の状況をみれば,政治に身命を賭すことを躊躇するだろう。それはそのまま国家の損失となるからだ。