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日銀異次元緩和と出口政策

昨日は午前は財務金融委員会、午後は本会議で法案採決と二本の審議、終わるや否や財務金融委員会再開と充実した一日であった。

そんな中、私的なハイライトは財金での黒田日銀総裁と野田元総理の重量級、横綱対決。近未来から50年先までの日本の未来を左右しかねない、日銀異次元緩和と財政収支の問題を正面から取り上げることは財務金融委員会のまさに本筋。黒田総裁の5年間の任期すなわち異次元緩和の総括から始まり、テーパリングと呼ばれる出口政策や日銀バランスシート拡大への懸念、そして何よりも愁眉の出口政策まで、この人しか聞けない、という感じで野田さんは真っ向から切り込んでおられた(念のため言えばこのところ野田元総理を高く評価させていただくことにつき政治的思惑は一切ない。財金における真摯な姿勢とその知識が群を抜いておられるからだ)。

黒田さんも丁寧に自分の言葉で答えておられてさすがだったが、残念ながら出口政策についてはそれを語るのは時期尚早の一点張り、アメリカFRBの政策では予見可能性が強く求められそれ故にきちんとFRB議長は答えていることとは対照的に思われた。

私などはお二人の議論をワクワクしながらメモなど取りつつ聞いていたが、残念なのはこれだけの重要なやり取りが必ずしも注目を浴びていなかった点。臨席していた記者は1〜2名と森友が扱われている時とは雲泥。FRB議長の議会証言は全米どころか全世界の注目が集まるのだが。

また午前中の与党委員の質問で気になったものが。国公立大学の授業料を留学生は納税していないのだから高くしろ、との質問が。留学生は日本を理解してくれてそれを母国で広めてくれる大切な存在。フルブライトの宮澤元総理の例を持ち出すまでもなく留学が日米間の友好関係の基礎となった。短絡的と言わざるを得ない。