日本劣化

昨日書いた持続化給付金を巡るミステリアスな企業の関与。アベノマスクに続いて、国難ともいるこの時期に、困窮を極める国民への給付事業において、企業と政府・政権の癒着が疑われる不透明な構造が浮かび上がった。

 

私がこの問題に偶然にも辿り着いたのは、ドイツが、公的銀行の内部的努力により、おそらくはほとんどコストもかけずにわずか5日間で成し遂げた国民への給付が、日本ではいつまで経っても(39日間以上)満足に実現しないことからだった。このスピード感の欠如について、5月19日の財務金融委員会でまず質問し、昨日(27日)でも引き続き質問したが、麻生大臣は露骨なはぐらかしを行った。

 

SNSでこの問題について投稿したところ「パンドラの箱を開けたかもしれませんね」とのコメントを頂戴した。確かに、ということで「パンドラの箱を開けた者」の責任として、昨日、今日と経産省に質問を投げかけているが、経産省に何度督促してもなしの礫。

経産省に尋ねていることは、極めて単純な事実のみ。審査業務を担当しているのは誰か、その費用はどこから出ているのかと、入札にあたって入札希望者に交付あるいは開示した、入札の対象となる委託業務の内容などを交付してほしい、ということだけ。

 

この隠してもどうにもならないであろう質問に対する回答を、経産省が事実上拒否しているということは、やはり相当後ろめたいものが裏に隠されているからだろう。もちろん、今後も調査は進めていく。

 

この件に関する道義的な問題は、この非常時に困っている方がたくさんいるのに、それを利用して政権や官公庁のファミリー企業の様なところが莫大な利益を上げているだろうというところにある。

しかし、さらに奥深い問題は、ドイツで、委託するまでもなく公的金融機関が内部的な準備のみで5日間でできたものが、日本では民間機関にわざわざ巨額の費用を支払ったにも関わらず、ほぼ一ヶ月経っても円滑に業務が遂行されていないというところだ。

つまり、莫大な利益に見合う仕事の質さえも整えられない「日本劣化」が問題なのだ。

 

これは、未だにかなりの国民の手元に届くことすらないアベノマスクに共通するところ。

昔聞いた、独裁政権下の発展途上国並みの惨状に、日本はいつの間にか陥っているのだ。