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日本の政治を巡る一考察

戦後,社会党を中心とした日本のリベラル勢力はついに政権を奪取できなかった。このため,小沢氏の力業による政界再編の嵐が吹き荒れた中,社会党は分裂し,多くの議員が民主党へ参画し,保守系議員らとの寄り合い所帯である民主党が政権を担うこととなった。しかし,そのことが果たして日本の政治について良かったのか否か。
私は長期的な時間軸でみたときリベラル側に現状分析が足りなかったと考えている。
日本は戦後,高度経済成長の波に乗り,基本的には全国民が経済的に年々富んでいく状況にあった。このような時に支持を集めるのは,洋の東西を問わず基本的に保守政党だろう。また,当時の社会党も「反対政党」という位置付けではあったが,きちんとその役割を果たしていた。政権を取るだけが政党ではない。少数側の意見を確実に届けるということも,民主主義政治にとって大変重要な仕事,役割だ。しかし,政権を担えない,ということの焦りから考え方の全く違う政治家たちと結集したのは致命的な誤り。政党とは一定の政治理念に基づく政策を実現するために存在する集団。考え方が全く異なる政治家たち(皮肉にも,今の民主党代表戦において,まるで政党間の争いのように対立軸がはっきりしているところによく現れている)が政権獲得だけを目的として集合してもまともに政権運営などできるはずもなかったのだ。
このような焦りをみせずとも,やがてリベラル勢力が必要とされる時期が必ず来たはずだ。それは,徐々に姿を現しつつある日本の凋落と国民の大多数の窮乏が誰の目にもはっきりする今後の5~10年後には遅くとも訪れたであろう。私は強く危惧する。このままリベラル勢力が「再びの失意」とともに雲散霧消してしまうことを。