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新型コロナ 問題の本質

日経だけは他のメジャー系マスコミと違って、新型コロナ問題に関し、時折とても優れた記事を掲載する。

今回は、結構衝撃的な数字を取り上げてくれた(「コロナ病床、日本は英米の1割どまり 病院間の連携不足」)。

 

「国内で新型コロナウイルスの患者を受け入れる病床の割合が欧米の10分の1以下にとどまることが分かった。全病床に占めるコロナ病床の割合は1月下旬時点で0.87%と、英国の22.5%や米国の11.2%に比べ桁違いに少ない。」

 

というのだ。

このことは、本当にずっと言い続けてきたのだが、日本はこのパンデミックが始まった昨年2月以来継続的に欧米の5〜10分の1以下の陽性者数であり死者数。

病床数だって、欧米よりずっと多い。なのになぜ医療崩壊?

 

この記事もその点をよく理解していて、

「日本は人口1千人あたりの病床数が約13で英米の3弱を上回る。累計感染者数は2月中旬時点で人口の約0.3%と相対的に少ない。」

と指摘している。

つまり、病床の収容能力は欧米の4倍もあり、感染者の数は逆に圧倒的に少ない。

(青山まさゆき事務所作成の昨年度作成のデータによるグラフ)

 

それでも「医療逼迫」だの「医療崩壊」だの挙げ句の果てには「医療壊滅」とまで医師会トップが大騒ぎするのは何かがおかしいからだ。

 

メルケル首相が昨年3月に早くも国民向けに訴えたとおり、この感染症の厄介なところは、感染率が高いとか死亡率が高いとかそういうことではなく、医療体制を攻撃するところ。重症化すると病床を占有する期間が長いので、医療機関が患者であふれてしまう。だから、助けられる人も助けられなくなるから、なるべくかからないようにするために、国民に多大な負担をかけてまで社会的距離政策ーいわゆるロックダウン(この緩い版が日本の緊急事態宣言)を各国とも取らざるを得ない。

このことは日本でも同様で、各自治体の指標には必ず医療機関の病床数や重症者数が取り入れられている。

 

しかし、裏を返せば医療機関に患者を受け入れられる余裕さえあるのであれば、特別扱いする必要はさほどない。そもそも罹患率が低いので、70代・80代を除けば死亡率(この病気にかかった方が死に至る率(致死率)ではなく、その世代においてこの病気で死ぬ確率を指す)も低い。また、70代・80代でも他の疾患で亡くなる率と比べて特別高いとは言えないだろう。

そして、仮に罹患したとし対症療法すら定まっていなかった春先と違って、軽症の段階からきちんと薬物治療することも可能で、医療機関さえ「普通の病気」として普通に取り扱いさえすれば、あっという間にこの騒ぎは収まるはず。

 

日経新聞を見習って、いい加減他のメジャーマスコミも新型コロナ騒動の真相に気づいて欲しい。

また、政治サイドも、100人台まで減った陽性者数をさらに減らそうとする東京都のようなお門違いの政策を指向するのではなく、真の問題点である「入院病床数の不足」を解決するよう、政策の焦点を変えていくべき。

既に開業医ではこの病気に正面から取り組んでくださる方が増えてきている。だから、病院においてもやればできるはずだ。