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感染拡大とコロナとの中長期的戦いを前提とした医療体制整備を

NY州で外出した人を対象にした無作為抽出抗体検査で14%が陽性とのニュースがあった(Newsweek)。ニューヨーク市に限れば21%の高率(CNN)。

陽性反応とするための数値設定が正しかったかなどの問題も残るが、一定の正確性があるとすれば、無症状感染者や軽症感染者がいかに多いかを示す事実。そして死亡率も格段に下がる(報道では0.5%とインフルエンザ並み)。

 

ある医学者の方が言われていた日本を含む東アジアで欧米のような爆発的な感染拡大が起きていないのは、東アジアでは既に昨年末頃より起きていた軽症タイプ(S型)のサイレント感染が起きていて、武漢で感染拡大が騒がれた時にも渡航禁止としなかったことが塞翁が馬となり、ある程度の集団免疫が獲得されていた可能性があるからだ、との説を一定程度裏付けることになるかもしれない。

 

いずれにしろこれほどのサイレント感染者がいることを前提とすれば、特に東京など感染者が多いところは、クラスター対策に傾注することはほどほどにしていかにこれを捌いていくかに全力をあげることに切り替えていくことを対策の主眼として検討し直すべきだろう。

具体的には

・一般的対策としてはマスクは常時、外出自粛は間欠的に行って医療施設のパンクを防ぐ。

・アメリカやフランス、武官のように重症者用の設備を臨時に設けて重症者医療のキャパオーバーを緩和し、救急患者のたらい回しや自宅待機死を防ぐ。

・軽症者用施設収容者や自宅待機者にパルスオキシメーターを常用してもらい、SpO2の低下をモニター(遠隔監視可能)することで急変を察知する。

・外来患者は全て感染者と考えて医療者の防御を徹底し、受け入れ排除を改めていく。コロナ肺炎疑い患者にビニールをまとってもらうなどの二次感染防御の工夫をした上でCTを活用し、コロナ肺炎疑い診断に活用する。

 

 

有効なワクチンや治療法(最も有望とされていたレムデシビルについて残念ながら知見失敗見込みとの報道があった(Newsweek))が開発されるまでにはまだ時間がかかりそうな現在、中長期的にコロナウイルスと付き合っていくシステムを考えるべき時期が来ていると思われる。

 

なお、最も患者数が多いアメリカで血栓症を引き起こすのが一つの特徴で、かつ突然死の原因とも言われ始めているので(Yahoo)、突然死が報告され始めた日本においても、診断に活用すると共に抗血栓療法を考慮されるよう付言しておく。