昨日(3月28日)、平成30年度予算案が参議院で可決されました。
深刻な税収不足により、赤字国債に頼っているという状況であるにも関わらず、今回の予算案の歳出額は過去最高です。
その一方で、所得税法の改正により、大企業に対しては税額控除の拡大がなされる一方、給与所得者、年金受給 者に対しては、給与所得控除額、年金等控除額の引き下げという目に見えにくい形で、実質的な増税が強いられることになります。文句を言わないところからはとる、大企業は優遇するという不公平なやりかた が進んでいるのです。
法人の税額控除がなされても、企業の内部留保が増えるだけで、景気がよくなるわけではありませんし、 財政のバランスもとれません。財政の均衡が崩れ続ければ、その先にあるのはインフレか、国債の破綻か のいずれかです。インフレがやってきたにもかかわらず給与や年金が上がらなければ、国民の生活は苦しくなる一方ですし、国債が破綻すれば金融機関は軒並み破綻です。そして、このまま進んでいけば、その どちらかの苦難が日本に降りかかってくるのです。
このような危機的状況にあるにもかかわらず、私が所属する財務金融委員会の中で、この問題に言及する議員はほんのわずかしかいません。マスコミ各社もとりあげることはありません。まっとうな未来のため には、財政の立て直しは急務です。もちろん、苦難はあるかもしれません。しかしこれは、私達ひとりひ とりが、目をそらさず、見据えていかなければならない問題なのです。
それはあまりにも苦い道です。けれども、今のようなやりかたが続けば、あと10年後には、「なぜあの とき、政府のやり方に反対の声をあげなかったのか」と思う日がやってきます。しかし、それでは遅いのです。
私達は、このような現実を見据えるとともに、その是正のために政治がきちんと仕事をしているのか、政 治家が日本の未来を考えているのか、そういうことについても、目を開き、耳をすませて、知っていく必 要があるのではないでしょうか。