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大学入学共通テストをバイト学生が採点?

 NHKの報道によれば、文科省は、再来年から始まる大学入学共通テストで「バイト学生」による採点を認める方針だという。
 記述式の分については機械的な採点ができないので、業者に委託して採点をする予定だが、短期間で行うためには1万人の人手が必要となり、大学院生や元教員のほかに大学生バイトも採用する予定だという。
 
   文科省のあまりにいい加減な姿勢に言葉を失うほどだ。私も過去に司法試験予備校の論文をバイトで採点したことがあるが、どうしても採点がぱらついたり恣意的になってしまう。経験による確たる基準、物差しといったものが自分に形成されていないからだ。それにバイトゆえの責任感の欠如があったことも正直否めない。
 文科省は複数チェックを行うので問題ない、という立場らしいが、人のやったものをどこまで念入りに見るかも不明だ。これも責任感の問題で、流されれば意味がない。
 
  これに対して懐疑的な大学もあるようで、たとえばさすが東北大学は、公平さへの懸念などを理由に記述式の問題を合否判定から外すとのこと。同様な大学は他にも出てくるだろう。しかし、そうなれば記述式が取り入れられた意味もなくなり、費用と受験生の努力が無駄になる。
 採点システムについて、こんないい加減なやり方を取り、肝心な大学にも信頼されないなら、記述式など取りやめたらどうか。
 
  大学入試には子どもたちが人生を賭けて取り組んでいる。その入試を統括する文科省のこのような無責任さは、許せるものではない。