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報道は事実を伝えているか?変異株への恐怖を煽るフェイクにクリティカル・シンキングで立ち向かおう

国内の新型コロナ死者が1万人という区切りを超え、各社が大きく報道している。

同時に、変異株の恐怖を煽ることも忘れていない。

例えば毎日新聞は「一方で重症者は898人に上り、1カ月でほぼ3倍に。重症化しやすいとされる変異株がさらに死者を増加させる恐れもあり、予断を許さない。」

と伝えている。

この部分を読めば、変異株の影響で重症化しやすく、早いペースで重症者が増大していると読者は理解してしまうだろう。

また、朝日新聞は「30代、40代と若い世代で基礎疾患がなくても重症化する人が目立ち始め、関西の状況にじわじわと近づいてきていると感じます。」との医師コメントを引用し、「東京でも「若くても重症化」」と報じている。

だが、事実はどうか?

まずは重症化のペースについて確認してみる。

下記は厚労省オープンデータによる新規感染者数と重症者数の推移。

陽性者数が増えれば重症者数も増える。現在もそれが起きている。そして、グラフをみれば、新規陽性者数に比べると重症者数の増加幅は第3波の方がむしろ大きい。

では、若い世代の重症化率はどうか?

現在の新規感染者数は1日5000人前後。第3波でいうとちょうど1月初旬くらい。

そこで、週に1度公表されている年代別の重症者数と重症化率を1月6日時点と最新の4月21日時点で比較してみた。

重症者の絶対数は、むしろ1月6日の方が多い。40代以下の世代の絶対数はわずかに4月21日の方が多いが、若い世代も重症化しやすいかどうかは、重症化率(=重症者数÷入院等を要する者の数)を比較しなければならない。以下はそれを比較したもの。

すると意外なことに、実際には各世代とも1月6日時点の方が重症化率が高いのだ。

そして全体の重症化率は1月6日の1.2%に対し、4月21日は0.6%と半分に過ぎない。

こうして客観的な数字で見比べると、今の「変異株の脅威」を煽るマスコミの報道姿勢は、明らかな印象操作。印象操作を超えてフェイク・ニュースと言っても良いくらいだ。

私たち自身が「クリティカル・シンキング」(批判的思考)で、生のデータに当たり、一つ一つ事実を確かめていく。それ以外に今のマスコミの偏向報道の大波に立ち向かう手段はない。