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国民民主党と小沢氏が合流。本当のブルーオーシャンを掴むのは誰か

国民民主党と小沢氏が合流すると報じられている。先の国会の代表質問などを拝聴しても、玉木氏や国民民主党が対案路線を意識されていたことは明らかで、徹底対決路線の立憲民主党とは異なる路線を志向されていた。

 

問題は、今回の合流が国政選挙での勝利や政権交代に繋がるのか、ということである。小沢氏は、元々政権交代可能な二大政党制を目指して日本に小選挙区制を取り入れ、今の政治の在り方を規定された方なので、玉木氏と目指すところは同一だろう。

しかし、国民民主党の支持率が低迷している原因の改善には繋がるとは思えない。それは、国民民主党を国民が支持していない理由にある。国民民主党は,民主党時代と変わらず連合の支配下にあるからだ。最近の実例として,原発反対を唱える有力労組出身の地方選挙候補予定者が,連合の支持から外されたことがあった。結局,特定の利益団体の権益擁護が相も変わらず連合の本質であり,国民民主党にそれが色濃く反映している。

小沢氏が幹事長になったとしても,連合との関係を見直さない限り国民民主党は変わらないだろう。国民はそれがわかっているのだ。

政治におけるブルーオーシャンは広がっている。今から2年程前,福島瑞穂氏が静岡に来られた際,30分ほどであるが1対1で話をさせていただく機会があった。反原発など主張を明確にされ,既存の既得権益団体から解き放たれたリベラル政党を作ればきっと成功しますからお考えになったらいかがですか,と申し上げたが,考えたことはない,とのお話であった。既得権益団体freeの合理的な政策を掲げる政党が出来れば,間違いなく国民の一定割合を掴む勢力となる。その予想どおり,立憲民主党は先の衆議院選挙で野党第一党の票を得た。

さて,この先である。今の自民党・安倍政権が強いのは当たり前だ。日銀という打ち出の小槌を手に入れ,税収に縛られることなく全ての層にまんべんなくお金をばらまいている。おまけに人口減少による人手不足で,景気実態にかかわらず失業率は極めて低い。どこの国でも与党が敗北するのは,若者を中心として失業率が高まるときだ。

だから,現政権については,時折噴出する様々な問題で時折支持率が下がるものの,職もあり,それなりの政策的恩恵を享受している国民が不満を継続的に抱くには至っていない。安倍首相が私こそリベラルというのもある意味そのとおりだ。「大きな政府」は,従前の概念でいえば革新政党,リベラル勢力の目指すところだったからだ。

ただし,その代償は存在している。無理な財政支出=日銀の財政ファイナンスによって支えられた今のゴルデロックス経済は,いつ暴発するかわからない「円」への信用失墜という時限爆弾を抱えているのだ。

私は,野党は今は我慢の時期だと思う。政策的な一致なくして無理な政権交代を目指せばまた前の繰り返しがあるだけだろう。政権を取った途端,内紛が果てしなく繰り返され,やがては分裂にいたる。小沢氏が歩んできた道は政権与党分裂の道であった。政策的一致を事前に詰めることなく,反自民,立憲主義などあまりに大まかな統一点のみで仮に選挙に勝ったとしても,その後政権を取れば,現実の課題に直面する。その度に喧々の議論をしていれば,分裂は目に見えている。

やがて日本は真の困難に直面するであろう。それは円の信認が失われることによるインフレかもしれない。世界的な景気後退により,遂に失業率が高まることもあるだろう。それはそんなに遠い未来ではない。

ブルーオーシャンは,既存の政治的手法や既得権益fullな政党に開けているわけではない。政治を見限った,あるいは政治に興味のない半分以上の国民の中にある。そのブルーオーシャンは,その困難を切り抜けることのできる斬新かつ合理的な政策を掲げられる政党にこそ開けるだろう。

そして,そこを狙う政党は,政権を担うときに備え,合理的な政策を示し続け,きちんとした存在であることを国民に認識させ続けることが肝要なのではないだろうか。政治以外の全ての組織が変容している。政治も変わるべきときなのだ。