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国民の心が見えていない政府。GoToキャンペーン開始は、政府がきちんと説明してからだ。

東京都における新型コロナウイルス新規感染者数が連日増加し、国民の間には不安を訴える声が日に日に増している。

ところが、それとアンビバレントに、政府は予定通りGoToキャンペーンを開始するという。

 

私は、現在の新規感染者数増については現在のところ心配すべきものではない、と考えており、その理由も述べている(「東京の新規感染者増はどう解釈すべきか?」)。

その点についてはまた後で触れるが、釈然としないのはGoToキャンペーン開始に当たっての政府の説明がきちんとなされていないこと。

GoToキャンペーンのメインターゲットは宿泊を伴う観光旅行。救済対象は、大ダメージを受けている各地のホテルや旅館だ。そのタイプの旅行に動員力があるのは言うまでも無く首都圏、特に東京の居住者だ。

ところがそこで感染者数が一日としては過去最高に増えているのに、そのことにはなんの説明もせずに各地への移動を推奨するGoToキャンペーンが始まるとなれば、心配される方が増えるのも当然だ。

そう思っていたところ、こともあろうに菅官房長官が記者会見で「この問題は圧倒的に『東京問題』と言っても過言ではない。東京中心の問題になってきている」と発言されたという(毎日新聞)。

それはそうなのだが、ではなぜ東京から多くの観光客が他県に移動することが予想されるGoToキャンペーンを今始めるのかを、国民にきちんと説明することが当然必要だろう。大学などではようやく9月から開始予定だった対面授業を再び延期する動きも見えているというのに。

政府は業界からの要望を受けての巨大事業に前のめりになり、国民の心が見えていないのではないか?

こんな調子では秋に解散総選挙をしても与党は大敗するだろう。

 

なお、私は現在の新規感染者数増大は静観すべきという考えを変えていない。その理由は、

①重症者は6月23日以来減少の一途。かつ死亡者が無い。都の担当者に聞いても新規感染者は無症候者と軽症例だけ。重症でいきなり運ばれてくる一時のような状況は全く発生していないし、23日以来新規感染者が重症化することも起きていないのであろう。少なくともこの20日間は重症者が一切発生していない

②新規感染と重症化の間に10日間程度のタイムラグはある。しかし、6月23日以来毎日少なくとも50人前後の発症者があり、10日前の7月2日の新規感染者は既に100人の大台に乗っている。そうであるならば重症例も日々過去の新規感染者数に応じて増えてくるはずだが、その傾向は全く見えていない

 

からだ。つまり、心配すべき感染症としての実態が見られておらず、往時や諸外国の現状とはまったく違う姿しか見られないのだ。

結果には必ず原因がある。原因として考えられるのは、

 

A:現在感染者増をもたらしているウイルスのタイプが弱毒型に変容した

B:既に多数の日本人が抗体を保持しており、抗体保持者への再感染なので軽症例ばかり(上久保説)

C:氷山の下に隠れていた巨大な暗数を徹底的に調べているので今までと実態は変わらないが数は増えている(最近の菅官房長官の北海道千歳市での発言からの推定(NHK

D:重症化しにくい患者層が今の主である事。20-30代が7-8割を占めている。ホストやキャバ嬢は、高血圧、肥満、糖尿病、高齢の方は少なく、重症リスク4/10以上の層が少ない(SNSで交流させていただいている医師の方のご意見)

 

 

などだが、現時点で確定しているものではない(Aについては政府が積極的に解析を行うべきであり、それはまた改めて提言する)。

いずれにしろ急増した感染者数の実態が現れるだろう今後10日ほどは目が離せないので、きちんと様子を見ていかなければならないことは言うまでも無い。

 

そこで改めての提言だが、せめてGoToキャンペーン開始も少し待ち、政府としての公式見解をきちんと発表して国民を安心させてからにしてはどうだろうか?

今のままでは国民の間に疑心暗鬼あるいは利害による分断を生んでしまいそうだ。