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国民が分断されつつある今、新型コロナの脅威はどこにあるのかを正確に見つめよう

現在、新型コロナを過大視するマスコミや一部の医学者と、「ただの風邪」と軽視する一部の人々との間で分断が広がり軋轢が高まっている。

しかし、両者共にモノの一面しか見ていない。前者は、日本におけるこの疾患のリスクが欧米とはまったく異なること、そして高齢者(もっと言えば後期高齢者以上)かつ持病保持者にリスクが極端に偏在していることを無視し、国民全体にとっての脅威であると強調している。

後者は、大多数の人にとっては、他の疾患に比して新型コロナは特別の脅威ではない、という点については正確な理解をしているものの、この疾患の真の問題点を理解していない。

真の問題は、重症化した場合の病期が長く、そしてその場合に医療者に感染伝播させる割合が高いので、重症化した患者だけでなく、患者を受け入れる医療機関や医療者にとっても厄介な疾患だ、というところにある。

これは3月の時点で早くもドイツ・メルケル首相が理解して国民に呼びかけていたところだが、日本ではそこが理解されていないので、理解不足による分断が生じるのだ。

私が医療体制の強靭化を訴える理由はそこにある。

政府もその点を理解していないので、真の問題に対する施策が欠落したまま。人員増や受け入れ病院調整などの医療体制の強靭化こそ、国民に対する自粛要請以上に必要なのだ。