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勇気ある提言を潰すな。ダイヤモンド・プリンセス号の悲劇は今後に活かすべき。

ダイヤモンド・プリンセス号の乗客の方2名がご逝去された。80代の男女の方とのことで、楽しみにされておられたであろうクルーズの旅で思いもよらぬ結果を迎えられたこと、お気の毒でならない。心より哀悼の意を表させていただく。

 

さて、昨日、岩田教授のご報告について触れた記事を書き、日本版CDCの必要性について訴えさせていただいた。同様にこの岩田教授の報告について書かれた方がおられたが、厚労省のドクターの反論のようなコメントが発表されたところ、いきなり手のひら返しのブログを書かれておられて驚いた。

感染症の隔離対策は、徹底的になされなければ意味がないことは素人でも理解できる。マスクが予防に意味が乏しいとされている理由は、隙間などがあるため100%ウイルスの吸入を防ぐことができないから、と説明されている(「マスクの効果と正しい使用方法」)。それと同じで感染症に対する隔離対策も万全を期さなければ意味がない。手探りではダメで、予め定められた行動計画に沿って最初から周到に行われるべきであった。今回、船内におられたアメリカの総合医のドクターの証言からも対策が不徹底であったことは十分に伺えるところだ(PRESIDENT ONLINE)。

 

ただし、私が訴えたいのは今回の感染症対策不備の責任追及ということではない。

あくまで不備は不備と認めてそれを参考に今後に万全を期すべき、ということだ。

まずは、現在のダイヤモンド・プリンセス号にまだ残された方がおられる以上、船内の隔離対策を万全とすること。次に将来の事態に備えて、早急に日本版CDCのような感染症対策の専門家チームあるいは組織を具体化させることだ。

 

岩田教授は「船内のゾーン区別に改善があった」ことを動画削除の理由としておられる。勇気ある告発をされた方を「正義を振りかざし調整できない専門家」などと非難しては、今後も同様の事態が起き、そして改善のための提言をする者もいなくなるだろう。動画は削除されても、貴重な提言は今後に活かすべき。事実上の日本政府の管理下において、ダイヤモンド・プリンセス号で多くの方に感染が拡がり、死者まで出られる事態となったことを重く受け止めずして今後の再発防止などあり得ないからだ。