マスク配付は良策

一部の方々から、政府のマスク配付策に激しい非難が寄せられている。そういった方は、既に充分な使い捨てマスクを確保されているか、手作りマスクを作成されている方たちだろう。

しかし、世の中は既にマスクを手作りなさっている、意識も高く行動力もある皆方ばかりではない。

東京の地下鉄に乗ると、このところマスクをしていない方が半数近くおられて気になっていた。その理由はマスクが入手出来ないからだと推察している。サラリーマンにはマスク入手のために朝から薬局前に並ぶ余裕はないし、ミシンもなく手作りもできない方も多かろう。

一方で飛沫感染防止にはマスクが有効であることは異論がないところ。マスクの効果に否定的であった欧米でも見直す議論が行われている。

勘違いされている方も多いが、マスクは感染予防に役立つというよりは、自分が感染しているかどうかわからない無症候感染者になっているときも含め、自分から他者への飛沫感染を防止するためのツールなのだ。

ただ、その効果が発揮されるには、日本、中国、韓国のように公共スペースでほぼ全員が着用しなくてはならない。

無症候感染者かどうかは自身を含めて誰にもわからないからだ。

以上の状況を踏まえた上で、政府には個々人のマスク入手状況は把握出来ないので、一律に確保しえる限りの再利用可能な布マスクを配付することにしたものと推察している。

また、配付方法を郵送としたのは極めて合理的。市役所などで配布すればそこに人の密集が起き、感染拡大の原因ともなりうる。郵送であればその心配もなく、たいしたコストもかからない。

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」と言わんばかりに政権がやることだからと何でも批判するのではなく、その効果と目的を冷静に測って見るべきでは?

マスク配付が感染拡大防止の良策であることは間違いない。

「情けは人のためならず」の本当の意味は、人に情けをかけるのは人のためではなく、自分のためになることですよ、ということ。まさに「マスクは人のためならず」だ。