変異株は若年層も重症化しやすい。
マスコミなどでよく報道される常套文句だ。
だが本当だろうか?
昨日の厚労委員会でこの点確認してみた。
局長が挙げたのは次の数字。
「30代1名、20代2名」
これは実は全国併せての現在の数字(4月21日現在)。マスコミ報道を見聞きしていると、20代30代でも重症者がバンバン出ている印象を受けるが、どう見てもそういう数字ではない。
(厚労省Webより引用)
ちなみにこちらが新規陽性者数が現在と同じくらいだった1月6日のデータ。
4月のデータの方がパーセンテージでみて40代が0.3%から0.5%に上がってはいるが、著変があったと騒ぐほどの上昇ではない。
では、新規陽性者で若者の比率が上がっているのか?
その事実もない。大阪府は詳細なデータを提示していて本当に役に立つが、下に示したのは新規陽性者数の世代別割合の推移。
(いずれも大阪府Webより引用)
3月下旬から4月初旬にかけては若い世代の拡大傾向が見られたが、その後は減少。
トータルで見ると昨年6月の第2波とは違って、世代間のアンバランスが縮小し、39歳以下の比率はかなり縮小傾向にある。変異株の割合が多い大阪府がこれなので、東京都やその他の大都市圏も同じ傾向となるだろう。
ところが、東京都の小池都知事は、いつものように
「若い世代の変異株の拡大が見られます。活動的な若い世代での広がりがさらに感染の広がりにつながる」(小池都知事が警戒呼びかけ 72人が変異ウイルス感染(テレビ朝日系(ANN)) – Yahoo!ニュース)
と若者叩きをしているが、データ上著変はない。
「子どもの感染リスクが従来型より高い」と騒がれたこともあったが、アドバイザリーボードはこれを否定している(日テレ)。
以上のとおり、「若い世代も重症化する」と騒がれているが、数字的にはその事実は見えてこない。報道に踊らされることなく、落ち着いて数字を分析していくことが必要だろう。