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「安全通貨」神話が崩れていることに気づこう!

一つ気になる動きが出てきた。このところ急激に円安が進んでいるのだ。
コロナウイルスに起因して世界中に不安が広まり、経済への影響も心配され始めている今、円安が進むということは、「有事の円」と呼ばれ、「安全通貨」とされてきた円の地位が揺らぎ始めている可能性があるということなのだ。

もちろん、ダイヤモンド・プリンセス号での感染急拡大などにより、日本もその震源地のような扱いを受け始めていることも影響しているだろうが、この1年のチャートをみても、着実に円安方向に向かっている。

 

かねがね、放漫な財政は、通貨安を招く危険性があり、それこそがインフレを招いて消費増税などよりもより強力に庶民の生活を破壊する恐れがある、と警鐘を鳴らさせていただいている。このところ何があっても以前ほどには円高が進まず、動かなくなるラインが105円だったものが108円に切り下がって来たのが気になっていたところだが、今は急激に円安が進んで111円後半。
1ドル75円から切り返し、日銀の異次元緩和によって大幅な円安が進んだ後、各国の中央銀行が通貨安競争を繰り広げているので円安傾向はあまり目立っていなかった。しかし、日本の特殊性は、量的緩和をやめられないこと。高齢化に伴う社会保障費の増大を国債増発によって賄っている一方、既に民間金融機関は国債を大量に買い支える余力を失っているため、買い手は日銀券発行により資産拡大が容易にできる日本銀行のみ。したがって、日銀券の増発(量的緩和)は止めたくても止められないのだ。

さて、選挙目当てで安直に消費税減税や廃止を訴えるれいわ新撰組や、共闘している共産党は、この点について真剣に考えているのだろうか?

ちなみに、MMTを強力に推奨されている藤井教授が国会でレクされておられた時にこの点(放漫財政による通貨安の危険)を直接問い質させていただいたが、あまり考えられたことがないとのことであった。

通貨発行権がある以上、自国建て国債がデフォルトにはならない、はその通り(中央銀行が通貨を増発して無限に買い支えるから)だろうが、そうなったらそんな国の通貨など誰も信用しなくなることは、国債増発論者においても当然想定しなければならないところだろう。