混乱を整理しよう

混迷を深めつつある現在の状況。今起きている事態を簡単に整理してみた。

 

①感染症そのものに関する事実として、

・新規陽性者数の増大と、日本の幾つかの都市で偏在して起きている重症者増大がある

・一方で各年代とも重症化率、死亡率は月日を経るごとにかなり低下している。

・全国で最も陽性者数が多い東京都の場合、死亡者の平均年齢は78〜79歳、院内・施設内感染による死亡がそのうち3〜5割を占める。70代であっても致死率は男性2.8%、女性0.8%であり、院内・施設内感染がそのうちの相当数であることと推定されることから、一般的に想像されている普通の人が死に至る感染症というイメージと実態とはかけ離れてきている。

(出展:東京都防災ホームページ・第23回東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料 添付ファイル07 新型コロナウイルス感染症 死亡症例より)

 

②医療体制に関する事実として

・幾つかの都市で、重症者の増加に伴う受け入れ医療機関の負担増がある

・一方では同じ都市において受け入れ可能でありながら諸事情で受け入れがなされていない病院がある

・同じ日本でありながら都道府県境という見えない壁に阻まれて患者のやり繰りが行われず日本全体が医療逼迫を起こしているような錯覚が起きている

 

③社会的事象として

・感染症との関係は間接的だが、感染症対策との関係はほぼ直接的に受けるものとして、苦境に陥っている中小事業者、サービス業者があり、そこに従事する労働者がいる

・苦境に陥っている事業者や労働者の多くは、彼らの意向を集約する組織・組合を持っておらず、その声が政治やマスコミには届いていないあるいは反映されていない

・事実の一部のみを切り取る報道や、方向感なく政策批判を繰り返す政治勢力がいます。

 

こういった、いわば整理が全くついていない状況をどう整理していくか、本来はそれが政治の役割のはずだが、与党は大局的見地を正面から国民に訴えることをせず、野党は政争にこの問題を利用するだけで混迷は深まっている。

そしてマスコミに至っては闇雲に大きな声に乗っかってさらにそれを拡散するアンプリファイア装置と化している。

 

この新型コロナパンデミックから惹き起こされている問題を、常に動きつつある事実を随時分析しながら冷静に見つめ、医療的にも社会的にも、最小限の被害に止めようとするのが私たちの課題。

 

混乱を収拾して全国民にとってより良い方向に進んで行くためには、

 

・いかにして現状を整理して正しい状況を国民に提示するのか(疾患の広がり、年代別致死率、死亡者の実相、医療のトータルとしての実態、他国との比較、産業やその従事者が被っている経済被害の実態、自殺など二次的被害の実態)

・それらを踏まえて、社会としてどこまでが受忍限度なのかを、見定めて提言していくこと

 

が必須。

医療を重視する側、経済を重視する側、与党支持者、野党支持者、色々な立場の違いを超えて、まずはこういった問題意識を共通化して行くことから始めませんか?