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日銀、財政ファイナンスを正面から打ち出す

昨日の財務金融委員会で、野田前総理が重要な指摘をした。

4月27日に開催された日銀の金融政策決定会合の決定内容にある「国債のさらなる積極的な買い入れ」に関する説明の文言に「政府の緊急経済対策により国債発行が増加するのことの影響も踏まえ、〜、当面、長期国債、短期国債ともに、さらに積極的な買入を行う」とある。これは、ついに日銀が財政ファイナンスを正面から認めたことに他ならない、と。

 

まさにその通りで、今回の緊急経済対策の補正予算の歳出は約26兆円。その全てが赤字国債によって賄われる。通常であれば考えられないところであるが、今はまさに非常事態。「大恐慌」に匹敵する異常な危機に対するのであるから、それもやむを得ないところだ。

 

普段であれば、このようなやり方をすれば通貨への信任が揺らぎ通貨安ひいては円安インフレを招きかねないが、今回の事態は世界的なパンデミック。世界中どこの国も同じような財政政策をとり、あのドイツでさえ国債を発行して凌いでいる。アメリカに至っては、前年予算の4倍の赤字額が見込まれ、その額はなんと4兆ドル!に上る見込み。財政赤字のピークであった第二次世界大戦に匹敵するとのこと(日経)。

そんな中での赤字国債発行なので、相対的に円のみに信用不安が起こることは考えにくく、麻生財務大臣も答弁で述べていたが、円ドルレートは107円に貼り付いている。

 

問題はその後。

今回も、役回りとして抑え役に立たざるを得ない財務省や麻生財務大臣に批判が相次いでいる。健全財政に対する批判が欧米では考えられないほど強い我が国の近未来が心配だ。

緊急対策として大胆な措置をとることは当然として、将来、危機を乗り越えた時もそれを続けて良いと言うものではないことだけは、特に政治家は念頭に置くべき。

 

バラマキや負担減のアピールは、「なんでも反対」「オイシイとこ取り」さえしていれば良く、政権奪取など念頭になかった55年体制なら許されたが、小選挙区制では風が吹けばいきなり山が動く。山本太郎氏が一時ブームを呼んだように、今後そのような勢力が政権を取れば中南米の悪夢が現実化する。

 

野田前総理が、「高橋是清はケインズに先駆けた積極財政で大恐慌を乗り切ったが、その後健全財政に命をかけて全力を尽くし、現実に命を奪われた。」との趣旨の発言で麻生財務大臣に覚悟を求めた。

その暗い歴史は再現してもらいたくないが、日本の未来にとって、麻生財務大臣の覚悟が何よりも必要となる時がやがて来るだろう。