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悪魔の証明に支配される日本の暗黒

緊急事態宣言などの社会的距離政策の効果に疑問を呈したところ、医師の方からの「効果がない」ことを立証せよ、とのコメントが。

 

しかし、 「何々ができると主張する側に立証責任がある」というのが科学の大原則。 

 

東日本大震災後の回顧と反省を込めた地震学会で、同じことがあった。地震予知は不可能なのに、そこに日本の地震学者がこだわっていたことに問題が、という講演をされたロバート・ゲラー東大理学部教授に対し、当時主流であった「巨大地震は予知できる」という立場の某教授が「不可能というのを立証してみせよ」と質問し、ゲラー教授に「科学の大原則は、できる、と言う方に立証責任がある」と冷笑されていた。

 

衆院厚労委員会でもアメリカのサウスダコタ州・ノースダコタ州の比較、イギリスの制限解除前後の陽性者数の比較を元に尾身会長に質疑したが、尾身氏もまともに反論は出来なかった。 治療効果を確かめるのに使われるのは対照実験。そこで効果が認められなければ効果は無かった、と判断するのが普通だ。

クラスターのデータによれば飲食店は2%ほど。殆どが介護施設、医療施設、会社、家庭内が感染源なのだから、そこだけ閉じても効果は見込めない。 やるなら感染者数が極めて少ない段階で徹底して封じ込める中国式。

陽性者が出れば周辺10万・20万を直ちに外出禁止して1〜2日で全数PCR、それを1週間後にも繰り返すという徹底したロックダウンなら有効だろうが、それは日本では不可能。 多数の穴がある水漏れバケツの穴を1つ塞いだからといって効果は望めない。だから尾身会長はやり方を変えたい、と最近言い出している。

 

ところで、マスコミや一部野党は、すぐ専門家と騒ぐが、恐縮ながら感染症専門医は、感染症治療の専門医であって、防疫対策の専門家ではない。そして、一般的な感染症医が持つ防疫の知識は、医療機関において医師が患者から移されない、あるいは院内感染を防ぐための知識であって、社会防疫のものではない。

そして、社会的防疫は、未だまったく確立されておらず、インフルエンザでもエボラでも成功したためしがない。その意味では専門家も素人もあまり変わりはないだろう。 現に、イギリスの制限解除に対する、西浦氏の師匠であるファーガソンの予測は制限解除すれば1日20万人。大外れであるのが現状。

 

なお、最近流行の40代50代も重症化、という煽り文句に関連して、40代50代に毎日挿管しているとの臨床医の方のご意見もあったが、私が意見交換させて頂いた重症者医療を担当されている臨床医の方によれば、40代50代は挿管しても皆さん早期に回復されているとのこと。 現に、前者の地域の8月の死亡者は一日0〜1人、いずれも90代。 事実を冷静におさえる目が必要だ。